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業務委託のオンライン家庭教師向けの確定申告マニュアル
はじめに
仲介業者を通した業務委託の家庭教師やオンライン家庭教師はフリーランス・個人事業主扱いになり、ご自身で確定申告をはじめとした諸手続きの処理をすることになります。個人事業者と言うと「手続きが煩雑」「確定申告が面倒くさい」イメージがつきもので、やらなくてはならないとわかっていてもついつい後回しにしてしまいがちです。
そこで今回は、業務委託の家庭教師やオンライン家庭教師の方向けに、確定申告・各手続きの必要な手順についてまとめました。
業務委託の場合:事業所得が38万円を超える家庭教師は確定申告が必要
- 確定申告とは?
事業者が自らの所得税額・納付額を税務署に申告することです。塾講師や予備校講師は所属している塾・予備校から給料を支払われるため、収入自体が給与所得になります。給与所得は確定申告の必要がないため、ほとんどの塾講師・予備校講師は確定申告をしません。
しかし本業の給与所得とは別に、副業として塾講師・家庭教師をして給与を受け取る場合には確定申告をする必要があります。また、いわゆる業務委託ではなく家庭教師会社と雇用契約を交わして家庭教師センターから給与という形で受け取っている収入に関しては給与所得になるため確定申告の必要はありません。
- 確定申告が必要になる所得の基準
専業の人:年間(1月1日~12月31日)の所得が38万円以上
副業の人:年間(1月1日~12月31日)の所得が20万円以上
以上の基準を満たしている場合は確定申告の対象になります。
- 所得とは?
所得とは、年間で得た売上から経費を差し引いたもの
例えば…
年間の売上・・・200万円
経費(テキスト代・交通費・備品代)・・・15万円
200万円(売上)-15万円(経費)=185万円(所得)
つまり、185万円の所得を得ていることになります。
- 確定申告には二種類ある
①青色確定申告
「仕訳帳」と「総勘定元帳」という複数の帳簿を付け、帳簿を元に「損益計算書」と「貸借対照表」と定申告書・青色申告決算書・控除に関する書類を確定申告の際に提出する申告方法です。
②白色確定申告
簡易帳簿を付け、確定申告書・収支内訳書・控除に関する書類を確定申告の際に提出する方法です。
帳簿の付け方や提出書類の差を見てもわかるとおり、青色申告の方が煩雑な手順を踏む代わりに「青色申告特別控除」という白色確定申告には適用されない控除を受けられます。この青色申告特別控除では「所得金額=収益-費用-青色申告特別控除額」の計算式で要件を満たせば最大65万円を控除の対象にできます。
その他にも3年を上限に赤字を繰り越せる、家族の給与を経費にできる等のメリットを享受できます。
参考元:青色申告と白色申告は何が違う?メリットとデメリットとは/freee
副業している人も開業届が必要?
事業を行うことによって継続して利益を得ることが目的になっている場合、副業でも開業届が必要です。
引用:【副業も出すべき︖】個人事業主の開業届のメリットと出し⽅、⾒落としがちな注意点
「副業の場合でも開業届を出すの?」と疑問に思ってしまいますが、実は青色申告をするためには開業届を提出する必要があるのです。
特に家庭教師のように給与・賞与が出ず、働いた分だけ自身の収入にできるような職業の場合は、得た収入をできるだけ自分の元に残したいものです。
副業であっても開業届を出し、確定申告を青色申告ですることによって節税対策ができます。
【事業開始から1ヶ月まで】業務委託の家庭教師になったら
開業届作成・提出の手順について、順を追ってご説明します。
- 開業届を作成する
- 青色申告承認申請書を作成する
- それぞれ期限に注意し税務署に提出する
個人事業主の家庭教師になったら、「開業届」と「青色申告承認申請書」を作成・提出する必要があります。
開業届は開業してから1ヶ月以内(1ヶ月を仮に過ぎても特に罰則はありません)、青色申告承認申請書は青色申告を適用する年の3月15日まで、とそれぞれ期限があるため注意しましょう。
- 開業届を作成する
開業届は国税庁のホームページからPDFをダウンロードできます。ダウンロードしたPDFを印刷できるほか、税務署でその場で書いて提出することも可能です。
◎開業届のダウンロードはこちら:個人事業の開業・廃業等届出書ー国税庁
上記開業届画像の項目の順に開業届を埋めていきましょう。
①提出先の税務署名と提出する年月日を記入する
②納税地(自宅か事務所のある住所)を記入する
③空欄でもかまいません。
④事業主の情報(氏名・住所・職業・生年月日・屋号・電話番号)を記入
※個人事業主の場合は無理に屋号をつける必要はなく、本名等の活動名でかまいません。
屋号の記入自体は任意ですが、屋号入りの銀行口座を開設する際に屋号は必須です。
⑤氏名の隣に印鑑を押す
⑥届出の区分「開業」に○をつけ、事業開始日を記入する
⑦青色申告承認申請書を同時に提出する場合は「有」に○をつける
⑧※通常は○をつける場合が多い
⑨従業員数専業者「1」人、給与の定め方を「月給」と記入する
⑩源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を同時に提出する場合は「有」に丸をつける
⑪事業の概要欄に「家庭教師業」と記入する
※オンライン家庭教師の場合は「オンライン専門の家庭教師業」と記入しましょう。
事業内容を変更しても届出は必要ありません。
参考元:開業届の書き方/Anything
- 青色申告承認申請書を作成する
青色申告承認申請書も開業届と同様にPDFダウンロードができます。
◎青色申告承認申請書のダウンロードはこちら:所得税の青色申告承認申請書ー国税庁
①提出先の税務署名と提出する年月日を記入する
②納税地(自宅か事務所のある住所)を記入する
③空欄でもかまいません。
④事業主の情報(氏名・住所・職業・生年月日・屋号・電話番号)を記入
※屋号に関しては開業届と同じです。
⑤氏名の隣に印鑑を押す
⑥青色申告を始める年を記入する
⑦屋号がない場合名称欄は「なし」とし、所在地には住所を記入する
⑧「事業所得」に丸をつける
⑨始めて青色申告をする場合は「無」に丸をつける
⑩青色申告をして控除を受けたい場合は「複式簿記」に丸をつける
⑪使う帳簿に丸をつける
※複式簿記の場合は「総勘定元帳」と「仕訳帳」に丸をしましょう。
65万円控除を受けたい場合はその他にも「現金出納帳」「売掛帳」「買掛帳」「経費帳」「固定資産台帳」「預金出納帳」を用います。
会計ソフトを使用すれば複式簿記でも簡単に帳簿を作成できます。
あくまで記入したからと言って必ず提出しなければならない決まりはありません。
現時点で提出する可能性のある帳簿をチェックしましょう。
参考元:青色申告承認申請書とは?書き方や申請期限について解説/弥生
日常生活で気をつけておくこと
「売上-経費=所得」になることからもわかる通り、経費の管理は日常生活で気を付けなければならないポイントです。確定申告の際、経費として支出したものの領収書を提出することで効力を発揮します。
つまり、授業で使用するテキストを購入したのに「うっかり領収書を捨ててしまった…」となっては経費としてカウントできなくなってしまうのです。
経費となる可能性の高いもの
家庭教師やオンライン家庭教師をする上で経費となる可能性が高いものの例
- テキスト等の教材費
- 備品類(ホワイトボード・ペン・コピー用紙等)
- 交通費(対面の家庭教師の場合)
- パソコンや書画カメラ(オンライン家庭教師の場合)
基本的には上記のものが多いですが、他の出費でも「仕事に必要なもの」と認められれば経費扱いにできます。交通費に関しては電車・バス等の公共交通機関の運賃はもちろん、ガソリン代にも適用されます。
以上のものを購入した際のレシートは必ず保管するようにしましょう。
【2/15〜3/15】確定申告のやり方
業務委託の家庭教師の収入は給与ではなく雑所得・事業所得扱いになります。確定申告の対象となるのは1月1日~12月31日であり、申告期間は翌年の2月15日~3月15日です。税務署に直接申告する以外にも、郵送、オンライン(e-tax)に対応しています。
確定申告の流れ
- 必要書類の準備
- 申告書を作成
- 必要書類、申告書を持参し税務署へ行く
- 所得税納付、還付を受ける
①必要書類の準備
・本人確認書類(運転免許証やパスポート等)
・マイナンバー(マイナンバーカードかマイナンバー通知カード)
・印鑑(シャチハタはNG・口座振替をする場合は銀行印も)
・確定申告書B
・銀行口座番号
・青色申告決算書
※副業で家庭教師をしている場合は本業の源泉徴収票・支払調書の原本も必要です。その他不動産所得等の収入がある場合は他に必要書類を揃える必要があります。
・控除に関する書類(医療費の領収書・住宅ローンを証明する書類等)
②申告書を作成
◎確定申告書Bのダウンロードはこちら:確定申告書B─国税庁
電子申告でも申請可能です。また、会計ソフトを使用すると申告書を作成しPDFにしてくれるものもあります。
業務委託の家庭教師・オンライン家庭教師の場合、税理士さんに委託する必要はありませんが、それでも申告書の作成や65万円控除を受けたい場合の帳簿作成に関しては複雑になってしまうので、会計ソフトの導入をおすすめします。
③上記の必要書類と申告書を持ち税務署へ
書類の記入に関してはその場で教えてもらえます。
必要書類や印鑑忘れには注意してください。
④所得税を納付し、還付を受ける
・所得税とは?
所得額に応じて課される税金のことです。所得がある限り納める義務がある税金で、所得額が多ければ多いほど税率が高くなる特徴があります。
家庭教師の所得税率の計算式
(収入-給与所得控除-所得控除)×税率=所得税
例 家庭教師業で80万円の収入がある場合の所得税
収入:80万円(総収入から経費を引いた額)
給与所得控除:0円
所得控除:48万円(基礎控除) ※その他生命保険料や社会保険料や扶養控除等も控除の対象です
80万円-48万円=32万円
32万円×5%(所得税率)=16,000円(所得税)
- 納付方法
銀行窓口、口座振替、クレジットカードで納付可能です。すぐに現金が用意できない場合やポイントを貯めたい場合は、4月下旬以降の引き落としになるクレジットカードや口座振替がおすすめです。
- 還付とは?
払い過ぎた税金が戻ってくる制度のことです。例えば本業で会社員をやっている場合、給与から多く源泉徴収された分を確定申告で還付申請することにより、多く徴収された分が返ってくることがあります。
還付の確定申請は2月15日よりも前に提出できるので、早く申請すればそれだけ早く還付金が受け取れます。
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確定申告はさまざまな手続きや書類の準備が必要です。一年に一回のイベントであるため、確定申告のために一年間準備することになります。特に確定申告初心者になるとどうしても不明点や不備が出てきてしまいますが、業務委託の家庭教師だと相談する相手がいない場合も多いです。
オンライン家庭教師マナリンクなら、先生同士の勉強会や公式Twitterを通して交流を深められ、確定申告をはじめとした悩みの共有・解決ができます。
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引用元:オンライン家庭教師なら「研究・仕事・趣味」の両立が可能ー先輩インタビューーマナリンクTeachers
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こちらの情報は執筆段階でのリサーチ・状況において執筆されたものであり、随時内容のメンテナンスを行っておりますが、 現時点での正確性を保証するものではございませんのでご了承いただけますと幸いです。