【話題沸騰】コーネル 式 ノートとはノートの取り方と使い方を解説
国立教育政策研究所が発表した令和3年度の「全国学力・学習状況調査」の結果では、中学生の国語の平均正答率が明らかになりました。結果は、以下の通りです。
出典元:国立教育政策研究所「全国学力・学習状況調査」
調査結果のポイントとしては、以下のようにまとめられています。
「文章を読み、登場人物の言動の意味を考え、内容を理解することはできているが、文章に表れているものの見方や考え方を捉え、自分の考えをもつことに課題がある。」
引用元:国立教育政策研究所「全国学力・学習状況調査」
内容把握はできるものの、自分の考えを持つことが課題の今の中学生。自分の考え方を持てるようになるには、日頃から自分で考える訓練が必要です。
実は今話題の「コーネル式ノート」も、自分の考えを持てるようになるためのひとつの方法であることをご存知でしょうか。
コーネル式ノートは、授業や会議の内容を効果的にまとめ、自分の考えも注釈できるノートだからです。アメリカでは、コーネル式ノートの利便性が評価され、有名大学や研究機関で導入されています。
誰でも簡単にノートがあれば実践できる「コーネル式ノート」。今回は、コーネル式ノートの世代別・教科別の使い方やおすすめの100均のコーネル式ノートをご紹介します。
話題沸騰!コーネル式ノートとは?
コーネル式ノートとは、 ノートを「ノート・キーワード・サマリー」に分けて使用するノートです。情報を整理しながらノートを取っていく手法です。
コーネル式ノートの名前の由来は、1989年にアメリカのコーネル大学の学生のためにWalter Pauk氏が開発したことから来ています。
コーネル式ノート術は、その利便性が評価され「the best note-taking system」と呼ばれているのも特徴です。現在は、アメリカの名門大学を始め、数々の研究機関で積極的に導入されています。
引用元:STUDY HACKER アメリカの名門大学発! コーネル式ノート術をやってみたら驚くほど勉強が捗った話。
上記の写真のように、ノートの1ページを3つの領域に分けることでノートが見やすく、簡潔にまとまります。
【3ステップ】コーネル式ノートの取り方を解説
ここからは3ステップで実践できるコーネル式ノートの取り方を解説します。
- ノート欄にメモをする
- キーワード欄にメモをする
- サマリー欄にメモをする
コーネル式ノートのメリットを十分に享受するには、正しい方法でノートを取ることが大切です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
ノート欄にメモをする
まず、ノート欄にメモをしましょう。授業中や会議の際、聞き取った重要なことを書き込む場所です。
ポイントはできるだけ簡単に、箇条書きや重要となる単語だけ書いておくこと。
メモを取る行為を最低限に抑えることで、話を聞くことに集中できます。話の内容に集中できると、自分の頭で考える余裕が生まれ思考力アップにもつながるのです。
キーワード欄にメモをする
次にキーワード欄にメモを取ります。
キーワード欄のメモのポイントは、授業や会議が終わった直後やその日のうちに記入すること。
記憶がまだ新しいうちにやらないと、情報が抜け落ちてしまったり、頭の中で間違った情報に書き換えられてしまったりする可能性があるからです。
キーワード欄に記入することは、授業や会議の中で特に重要になっているキーワードや、話題が写る際の流れ、また自分の疑問点などです。
キーワードを記入する作業は、コーネル式ノートの分かりやすさを高めると同時に、全体の流れを把握し直し、問題点や疑問点を整理できます。
キーワードメモをおろそかにすると次のサマリーでまとめるべきポイントが洗い出されず、コーネル式ノートを上手く活用できないため、なるべくその日のうちに仕上げることが大切です。
サマリー欄にメモをする
最後に、サマリー欄にメモをしましょう。
サマリー欄は「何が書いてあるのか」を見てすぐ把握できるように、今回のノートのまとめをします。サマリーの量は多く記入する必要はなく、2〜3行で十分です。
サマリー欄も復習として使うため、授業や会議を受けたその日か忘れないうちに記入することが大切。
もし忘れていたら、ノートを見返して記憶を定着させましょう。
【世代別】コーネル式ノートの取り方を解説
ここからは、世代別にコーネル式ノートの取り方を解説します。中学生向け・社会人向けにノートの取り方を解説するので、自分の生徒や自分自身に活用していきましょう。
中学生向けコーネル式ノートの取り方
中学生向けコーネル式ノートは、授業・復習・予習の3段階で活用できます。
授業中は、ノート欄のメモ。復習としてキーワード・サマリー欄へのメモで、学習定着率が上がります。
また、予習としてコーネル式ノートを1ページ提出の宿題を出すと良いでしょう。例えば、生徒は事前に授業動画を見て、ノート欄にメモを記入。キーワード・サマリー欄には、自分で追加で調べた内容を加えれば、かなり効率の良い予習ができるでしょう。
社会人向けコーネル式ノートは読書がおすすめ
社会人がコーネル式ノートを活用するなら、読書がおすすめ。
もちろん資格の勉強や会議のメモにも活用できますが、記憶力を定着させやすいコーネル式ノートは、せっかく読んでも内容を忘れがちな読書に最適だからです。
まずノートの上には本のタイトルや本を読む目的を記入。ノート欄には各章で気になった言葉やエピソードを記入し、メモ欄にはなぜ著者がそう思ったのかの疑問点や主張・データ・論理から自分の経験談を踏まえながら話をまとめていきます。
最後に全体の要約をサマリー欄に自分の言葉でまとめれば、読みっぱなしで終わっていた読書の内容もしっかり定着します。
参考元:【コーネル式ノート】必ず読書メモを取ろう。しかも手書きで。
【教科別】コーネル式ノートの使い方
ここからは、教科別に数学と英語のコーネル式ノートの使い方をご紹介します。コーネル式ノートは必ず決められた3つの欄にメモをしていくのではなく、教科や目的に応じてやり方をアレンジすることが大切です。
数学でのコーネル式ノートの使い方
問題を解くだけで終わってしまうことが多い数学は、コーネル式ノートを活用することで解消できます。
まず、ノート欄にメモを取ります。そして、間違えた問題に対しての解説をキーワード欄に書き込むようにするのです。
最後にサマリー欄に授業のまとめやポイントを記入すれば、ノートを見直した時にただ問題が羅列している状態ではなく、復習ができるノートになるわけです。
英語でのコーネル式ノートの使い方
英語でのコーネル式ノートの使い方は、大阪府堺市の事例を拝借して、ご説明します。
まず、ノートの上には今回の授業のタイトル・日付・ページ数を記入。ノート欄には、教科書本文の英語を1行置きに書きます。授業で説明されるポイントを本文の下に記入できるようにするためです。
次にキーワード欄には、授業中に気づいたことや疑問に思ったことを書き出しましょう。最後にサマリー欄には、セクションの文法の重要ポイントをまとめたり、本文内容の要約や日本語訳を書いたりすると良いでしょう。
今まで本文、文法、日本語訳と別々にまとまっていて情報の整理がつかなかったことも、1ページのノートにまとまり重要なポイントを把握しやすくなります。
参考元:CARPE DIEM 月州中学校 第3学年通信70期生
100均・コクヨで人気のコーネル式ノートをご紹介
「ノート・キーワード・サマリーを書くだけと言っても、毎回ノートを仕切るのが面倒...」「自分の生徒達がコーネル式ノートを作れるとは思えないから、もともと仕切られているノートがあれば活用したい」ここからは、このような不安をお持ちの方に向けて、100均やコクヨで購入できるコーネル式ノートをご紹介します。
100均のコーネル式ノート
100均でコーネル式ノートを代用するなら、「マトリクスノート」がおすすめ。
マトリクスノートは、最初からノートが4分割されていてノート上にはタイトル記入欄、ノート下には要約が書けるスペースがある優れ物。
今回ご紹介した3タイプで学習を進めたいなら、右か左半分のスペースをノート欄、残りをキーワード欄とメモ欄で活用しても良いでしょう。
また、100均にはマトリクスノートと同じ系列で「アイデアノート」も販売されています。アイデアノートは、ノート左側に9つに分かれたスペースと右側に下線が引かれたメモ欄があります。
自分の目的に合わせて、マトリクスノートかアイデアノートか使い分けると良いでしょう。
コクヨのコーネル式ノート
残念ながらコクヨでは専用の「コーネルノート」は販売されていません。
しかし、コクヨの方眼式ノートを使えば、わざわざ定規を出して線を引く必要がありません。コクヨの方眼式ノートは、罫線にとらわれず、自由に書き込められる利便性を兼ね備えています。
実際、方眼のマス目は、横罫に比べると主張しないため、文字の大きさを変える時も気になりません。また、方眼は文字だけでなく図表やイラストを書き込みやすいのもメリット。
特に、コーネル式ノートのように自分の考えや疑問点を整理したり、サマリーをまとめたりするときには活用できます。
まとめ
今回は、コーネル式ノートの世代別・教科別の使い方やおすすめのコクヨのコーネル式ノートをご紹介しました。
コーネル式ノートは活用の仕方次第で、生徒の成績アップや、社会人になってからのメモの取り方の効率アップにつながるメリットがあります。
また、オンライン授業が浸透し講師が直接生徒のノートの取り方を指導できない現代だからこそ、コーネル式ノートを生徒に伝授するのも良いでしょう。
コーネル式ノートを効果的に取り入れて、学習効率を上げていきましょう。
免責事項
こちらの情報は執筆段階でのリサーチ・状況において執筆されたものであり、随時内容のメンテナンスを行っておりますが、 現時点での正確性を保証するものではございませんのでご了承いただけますと幸いです。