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j-shineは本当に役に立たない?j-shine取得のメリットや需要を解説
文部科学省の平成30年度「英語教育実施状況調査」では、CEFR A1レベル(英検3級)相当以上を達成している中学生の割合が明らかになりました。結果は以下の通りです。
出典元:文部科学省「英語教育実施状況調査」
上記のグラフから分かる通り、CEFR A1レベル(英検3級)相当以上を達成している中学生は年々上昇しています。
英検3級では、中1〜中3までの学習内容が幅広く出題されます。また、語彙は約2,100語が必要です。
そのため、英検3級相当のレベルを中学生で取得するのは、決して簡単ではありません。リスニングからリーディング、そしてスピーキングまで網羅する必要があります。
このように考えると年々中学生の英語レベルは上がっており、それにともなって英語講師に求められるレベルも上がっていると推測できるでしょう。
英語講師に求められるレベルが上がれば、スキルやキャリアアップのため、資格取得を考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、英語講師の方に向けて、j-shineの資格取得のメリットや需要、またj-shineが役に立たないと言われる理由まで紹介します。
この記事を読んでいただければ、j-shine以外のおすすめの英語の資格まで理解できます。
j-shineが役に立たないと言われる主な理由
j-shineが役に立たないと言われる主な理由は、以下の3つです。
- 求人で重要視される資格ではない
- j-shineの資格だけでは学校や塾では働けない
- 資格取得までの前提条件が厳しい
j-shineは、履歴書や面接では優遇されますが、重要視される資格ではありません。あくまで英語のレベルを測る材料として見られるだけです。
また、j-shineの資格だけでは学校教員にも塾講師にもなれません。j-shineは民間資格のため、国家資格に比べると就職や転職の際の効力が弱いです。
以下、公式ホームページに記載されているj-shineの規定内容です。
J-SHINE とは、小学校英語指導者認定協議会の略称で、日本における「小学校での英語教育の普及・発展を支援する」という趣旨のもと、2003年に「特定非営利活動法人」としての申請を行い、民間主導で設立された英語教育指導者の資格認定を行うNPOです。
引用元:トップページ- J-SHINE-NPO法人小学校指導者認定協議会
さらに、j-shineの資格を取得するには「50時間以上の指導経験」が必要な前提条件をご存知でしょうか。そのため、資格取得までの前提条件が厳しいと感じ、「そこまで時間や労力をかけて取得するべき資格なのか…」と思われてしまう人もいるのです。
50時間以上の指導経験については、「j-shine 特定非営利活動法人 小学校指導者認定協議会」の公式ホームページで以下の内容が定められています。
50 時間の指導経験について(詳細は指導者資格認定規約第8条参照のこと)
- 英語を使用した指導経験であること(日本語を母語としない幼児、児童に対しての英語を使っての 指導も含む)。
- 小学校の通常授業(オンラインを含む)での指導経験が 35 時間(見学の時間は含まない)以上ある場合 は、50 時間相当とみなす。
- 小学校での指導経験以外の、幼稚園・保育園、英会話スクール、学習塾、自宅教室、公民館、家庭教師などの指導経験(オンラインを含む)をすべて含め、合計 50 時間以上の指導経験があること。
- 指導の対象は、満3歳から小学校6年生まで。
- 50時間の中には見学の時間を含めることを可能とする。その場合、小学校での通常授業(オンライン含む)の見学に限る。また、含められるのは 20 時間以内。
- 小学校での指導経験については 1 コマ45分の授業を 1 時間としてカウント。
- 学校で指導する際の「打合せの時間等」は指導経験に含めない。
- 対象年齢に関わらず、添削のみの指導は指導経験に含めない。
引用元:指導者認定の流れ-J-SHINE 特定非営利活動法人小学校指導者認定協議会
このように、50時間の指導経験と言っても対象年齢や指導範囲などの規定が細かくあります。もともと塾講師や家庭教師などを行っていた方であれば問題ありませんが、指導自体初めての方はハードルが高い資格になってしまうのかもしれません。
j-shineを取得するメリットとは
j-shineを取得するメリットは、資格取得後「NPO 小学校英語導者認定協議会」のサイトに登録されるため、仕事のオファーが来る可能性がある点です。
また、求人で重視される資格ではないものの、英会話スクールや英語専門塾などでは認知度が高いため、優遇される可能性があるメリットもあります。
j-shine(児童英語教師)の需要はある?
j-shine(児童英語教師)の需要はあります。
2020年に予定していた東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、日本国では小・中・高等学校に新たな英語教育を導入できるように「英語改革」が行われたからです。
文部科学省は、英語教育の重要性を以下のように定義しています。
グローバル化の進展の中で、国際共通語である英語力の向上は日本の将来にとって極めて重要である。アジアの中でトップクラスの英語力を目指すべき。今後の英語教育改革においては、その基礎的・基本的な知識・技能とそれらを活用して主体的に課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等の育成は重要な課題。
引用元:文部科学省 今後の英語教育の改善・充実方策について 報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~
国全体の大きな英語改革により、4技能のバランスの良いスキル獲得への指導はもちろんのこと、教科書改訂や入試改革が行われています。
そのため、質が高く十分に英語力を兼ね備えているj-shineを取得した英語講師は、資格だけでは講師になれないものの、学校だけでなく学習塾や英会話スクールなど、さまざまな場面で必要とされていると言えるでしょう。
j-shineは取得後メンテナンスが必要?
ここからは、j-shine取得後メンテナンスが必要かを解説します。
- j-shineは失効期間がある資格
- j-shine資格の更新期間
- j-shineの資格の種類の変更は可能
それぞれ詳しく見ていきましょう。
j-shineは失効期間がある資格
j-shineは失効期間がある資格です。資格の失効期間は4年。更新するためには、規定の更新手続きを行わなければなりません。
j-shine資格の更新期間
j-shine資格の更新期間は、有効期限から3か月後の月の末日 23:59です。
更新はインターネットのマイページから行えるため、誰でもスムーズに手続きが行えます。
更新期間内であれば、更新と同時に資格種別の変更もできます。
また、j-shinenの資格は、有効期限から1年以内に限り、更新期間を過ぎた場合でも更新可能です。
j-shineの資格の種類の変更は可能
j-shineの資格の種類は、資格の更新時期以外でも、変更できます。ただし、資格の種類を変更したからと言って更新期間が伸びるわけではありません。
資格種類の変更手続きは、下記の申込フォームに従って進めます。
・小学校英語指導者資格
・小学校英語指導者⁺(プラス)資格
・小学校英語上級指導者資格
・小学校英語上級指導者⁺(プラス)資格
それぞれ資格の種類の切り替え手数料が異なるので、確認しておきましょう。
j-shineの資格取得をおすすめする方/しない方
j-shineの資格取得をおすすめする方は、今後の仕事やキャリアでj-shineの資格が活かせる方です。ここからは、j-shineの資格を活かしやすい職業を紹介しますので、ぜひご参考ください。
j-shineを活かせる仕事
j-shineを活かせる仕事は主に、英会話スクールの講師とオンライン家庭教師の2つです。それぞれ詳しく解説します。
英会話スクールの講師
英会話スクール講師に必要な「十分な英語力と適切な指導プランを立てるスキル」は、j-shine資格取得の段階で必要になるため、資格取得後もお仕事で十分に活かせます。
j-shineの資格を取得するための講座を受講する際、英語の指導法や英語に関する専門的な事項などが講座に含まれているからです。
j-shineの資格取得勉強で学んだことを十分に活かすには、英会話スクール講師はおすすめです。
オンライン家庭教師
「オンライン家庭教師」も、j-shineを取得して働ける職種です。
j-shineを取得しても小・中・高等学校では募集が少ないのが現状。しかし、教育者としてスキルアップしたいのであれば、指導経験や副業としてオンライン家庭教師を始めるのもひとつの手段ではないでしょうか。
ただし、教員として働きながら副業するのは、各行政・学校の規則により異なるため、確認しておきましょう。
オンライン家庭教師の働き方は、「オンライン家庭教師の働き方ガイド」で詳しく解説しております。ご興味ある方は、ぜひご参考ください。
j-shine以外のおすすめの英語の資格
j-shine以外のおすすめの英語の資格は以下の通りです。
- TESOL
- 公認英会話講師資格
- 実用英語技能検定
- TOEIC
TESOLは、実用英語検定やTOEICのように試験ではなく、英語教授法を学ぶコースです。資格ではありませんが、修士号や博士号取得にもつながるため、さらなるキャリアアップを考えている方におすすめです。
また、公認英会話講師資格は、英会話講師の公的資格です。英語の基本的知識を学習後、指導方法やカリキュラム作成方法を学び、レッスンの実践トレーニングがあります。修了試験まで2日間、自宅学習は10時間で済むため、忙しくて資格勉強になかなか打ち込めそうにない方にもおすすめです。
更にJ-shineのより上位のプラスの資格を取る場合、指導時間に加えてCEFR B2以上の英語力を証明する必要があります。CEFRは先程挙げた資格で証明することができます。
CEFR B2以上を証明するためには、英検なら準1級以上、TOEICなら1560以上が必要です。
今回は教育分野に活かせる資格について解説されたガイドブックをご用意しました!
J-shine以外にも資格取得を検討されている人必見です!
まとめ
今回は、英語講師の方に向けて、j-shineの資格取得メリットやj-shineが役に立たないと言われる理由まで紹介しました。
j-shineは、民間資格で学校の教員にはなれなかったり、取得までの前提条件が厳しかったりして、「役に立たない」と言われることもあります。しかし、資格の活かし方次第でスキルやキャリアアップにつながります。
j-shine取得後のキャリアを考えて、資格取得すると良いでしょう。
免責事項
こちらの情報は執筆段階でのリサーチ・状況において執筆されたものであり、随時内容のメンテナンスを行っておりますが、 現時点での正確性を保証するものではございませんのでご了承いただけますと幸いです。