塾講師のキャリアの積み方!指導業界で話題になる方法
はじめに
どの職業にも言えることですが、せっかく仕事を頑張るのなら能力や実績を評価されてキャリアアップに繋げたいものです。塾講師をしていると、他業種とはまた違ったキャリアアップの仕組みに疑問を感じる方も多いでしょう。この記事では、塾講師のキャリア形成や、キャリアアップの仕方、人気講師のなり方についてご紹介します。
塾講師のキャリアはどこまで?
- 塾講師の昇進
講師
(平均年収300万~)
↓
主任
↓
教室長
(平均年収400万~)
↓
ブロック長
↓
エリアマネージャー
↓
経営陣へ
(平均年収500万円~)
参考元:学校経営【塾、進学予備校】などの求人/リクナビNEXT
教室長の年収はどのくらいで仕事内容は?気になる離職率は高い?/Educational Career
塾講師としてキャリアを積むためには、まずは講師として正社員登用される必要があります。大手の塾の場合は一般職と総合職で分かれているので、転勤等はつきものですが総合職として雇用される方がのちのちステップアップしやすいです。
塾講師の就活は塾運営企業に応募し通常の就職活動のステップを踏むほか、アルバイト(大学生含む)として講師の経験を積みながら教室長等に内部で推薦してもらうやり方もあります。現在アルバイトで講師をしている方で、アルバイト先の塾で正社員として頑張りたい人は近くの社員に相談すると、内部の事情ややり方を教えてもらえるかもしれません。
講師として正社員登用されると、研修を経たのちにやがて授業現場に立てます。塾によっては、特に個別指導塾など教室数が多く、少ない正社員で回しているような会社の場合、研修後にいきなり教室長の元でサポートすることも少なくありません。
一定期間教室で正社員の立ち回りを覚えたあと、すぐに教室長として配属されることも珍しくないです。しかし、大手集団指導塾の規模の大きい校舎のように、正社員が教室に複数人いる場合は序列が細かく、着実に実績を出さないと昇進できません。
昇進するごとに現場に立つ(授業をする)ことから遠ざかるため、あくまで授業をしたい人はキャリアップする必要性が薄いことも念頭に入れておきましょう。
塾経営に興味がなく、現場に立ちながら評価されたい場合は、予備校の名物講師のようになるのもよいでしょう。小規模な塾や正社員が一人しか配属されないような個別指導塾は、教室長までなら非正規講師の穴埋めとして授業をすることもあります。
もしキャリアップしながらも現場に立ちたい思いがある人は、まずは会社に所属しながらある程度の経験と実績を積み、個人塾を経営して独立するのも手です。大手の塾で着実に昇進していくと、やがて現場を離れて運営専門の本社に移動するようになります。
同じ塾でキャリアアップのために努力しても、塾の規模やポストが空き、経営の方針によってなかなか昇進しないこともあり得ます。
キャリアアップを目指す多くの講師は、同じ塾で頑張るのではなく、より良い待遇、給与を目指して他の塾に移っていく人も多いです。
塾講師の将来性
塾講師の需要
出典:第5回サービス産業×生産性研究会事務局説明資料/経済産業省
上記グラフを見てわかる通り、学習塾の売上は年々増加しています。また、2020年からコロナウィルスが流行し各業界ダメージを受けましたが、塾業界は他業種と比べてコロナウィルスの影響は低い傾向にあります。
コロナウィルスが流行した2020年では、非常事態宣言にともなう学校閉鎖もあり、塾等の補助学習を利用する家庭も多く見られました。
以上からも、塾業界の需要は低くはないことがわかります。
塾講師の今後
直近の2018年国際学習到達度調査(PISA)にて全分野で参加国中1位を記録した中国が、なぜ近年好成績を出しているのか?という問いに「一人っ子政策が関係している」と分析する人もいます。
つまり、子供の数が少ないほどに、学歴社会を生き抜くため親がひとりの子供に教育費を集中させた結果中国全体の学力が上がった、という見方があるのです。
中国の例を日本に当てはめてみると、日本も少子化が進み、子供ひとりあたりに高い補助学習費を投じる傾向が強くなっており、中国と同じ現象が起きています。実際に、日本の子供ひとりあたりの年間教育費は1971年の2.4万円から2015年の37.1万円にまで推移し、44年間で1445%も増加しています。
ゆとり教育も終わり、教科書で習う単元のレベルが高くなっているのも、塾を利用する十分な要因として挙げられます。コロナ禍もあいまって、恐らく日本の少子化は今後さらに加速すると考えられており、今後ますます子供ひとりあたりの補助教育費が増えるのではないでしょうか。
近い未来に塾業界が衰退してしまう、ということはあまり考えなくてよいでしょう。
出典:子どもの減少と相反する一人あたり教育費の増加/参議院
転職をしてキャリアアップは可能
前述の通り、塾の規模やポストの空き具合によってはどれだけ努力をしてもキャリアアップできない、ということもあり得ます。そのため、塾講師としてキャリアアップを図る場合、他の塾に移る人が多いです。
元々在籍していた塾での、担当生徒の進学先や営業成績などの実績を転職先の塾でアピールし、認められれば最初からそこそこのポストを任せてもらえる可能性があります。
作成した教材を持ち込んだり、自分の授業のスタイル・進学に関する知識・保護者対応などを積極的にアピールし、転職先の塾に「塾講師としてのノウハウを持っているか」「即戦力になりえるか」「人気講師として生徒を獲得できるか」等をアピールするとより効果的です。
人気講師になれば収入は一気に上がる
人気講師と言われると、大手予備校講師を思い浮かべる人も多いでしょう。予備校をはじめとして、難関レベルの学校への進学に特化したハイレベルな塾では、人気講師になるだけで年収が上がることもあります。
- 【参考】人気講師の年収の例
- 一般的な塾講師(正社員)の平均年収:358万円
- 大手予備校人気講師の年収の例:1,000万~5,000万円
参考元:塾講師の仕事の年収・時給・給料情報/求人ボックス
塾講師の年収はどれくらい?仕事内容から年収アップの方法まで徹底解説/マンパワーグループ
もちろん上記は極端な例ではありますが、人気講師として有名になれば大手の塾や予備校から声がかかりヘッドハンティングされる例もあるため、人気講師になることがキャリアアップに繋がると言えるでしょう。
人気講師になる方法
では、どのようにすれば人気講師になれるのでしょうか?
- 塾で話題の先生になる
- テレビやインターネットの動画CMを出しているような大手の塾に転職
- メディアに出るか、本を出す
- 教材作成に携わる
- 塾で話題の先生になる
人気講師の授業風景の動画等を見ればわかりますが、人気講師になるには進学実績だけではなく、求心力のあるオリジナリティに富んだ授業を展開する必要があります。
「あの先生の授業はわかりやすい!」「あの先生の授業を受けたらその教科が好きになった!」「あの先生の授業は面白いから聞いているだけで知識が頭に入ってくる!」のように、自身の授業に自分ならではの特徴付けを心がけましょう。
人気講師の授業のポイント
- 授業内での話し方(口調)のオリジナリティ
- 授業内に挿入するエピソードの選び方・入れ方
- 板書の仕方
- 例を挙げる際のわかりやすさ・オリジナリティ
- 声量や抑揚のつけ方
- 授業後のフォロー態勢
- 魅力的な人間性
- 進学先別の受験対策の知識
- 適切な演習問題の選定
- 生徒の習熟度に合わせた柔軟な対応
- 生徒の興味のある話題を常に模索する姿勢
- 幅広い話題提供能力
- 教科の壁を超えた知識と他教科への応用能力
- 生徒が質問しやすい環境作り
- 生徒に合わせた勉強方法の提示
- 生徒の細かな変化に気づける観察眼 など
上記は一例に過ぎません。
テレビにも出演するような大手予備校の看板講師になるにはある程度尖った個性が必要です。動画サイトにもアップロードされているような人気講師の有名な授業を参考に全てをトレースしようとしても、二番煎じのようになってしまったり、場が白けてしまう恐れもあります。
動画サイトなどはあくまで「印象に残る授業をすることが大切なんだな」と参考程度にとどめ、自分の個性やホスピタリティを重視した授業を心がけましょう。
人気講師になれる要素はたくさんありますが、全部を押さえる必要はありません。まずは自身の授業を振り返り、改善できそうなポイントを探りましょう。
改善点が見つかったら、少しずつ試していって生徒の反応を観察することが大切です。改善してみたはいいものの手応えを感じずに「自分のスタイルに合わないな」「生徒の反応が良くないな」と思ったら、また少しずつ元に戻していきましょう。
長い目で見ながら対照実験的に試行錯誤をしていくのがおすすめです。
- テレビやインターネットの動画CMを出しているような大手の塾に転職
テレビやインターネットに広告を打ち出せるような大手の塾に転職するのが一番の人気講師への近道だとも言えます。ですが、CMを出せるほどの大手の塾ともなると、自身に大きな武器がないと転職が厳しいです。
大手の塾への転職を考える場合は、自分にどのような指導実績があり、大手塾がターゲットとしている層の生徒が希望する進学先の指導に長けているのかを強くアピールしましょう。大手塾は資金力があるため、転職後に成果を挙げれば給与アップだけではなく、CM出演等になり更なる人気獲得に繋がる可能性があります。
- メディアに出るか、本を出す
テレビやインターネット上のコンテンツに出演するか、本を出せば有名人になれます。テレビ出演、本の出版をしたということは周りから「実力のある講師」として認めてもらいやすいです。
しかし、そもそもメディアに出演したり本を出すこと自体、無名の講師にはハードルが高いです。メディア出演はチャンスを見計らって応募するか、塾に許可を取って動画サイトで勉強や塾関連の動画を出しながら声をかけられるのを待つのが現実的でしょう。本も出版社から持ちかけられない限りは難しいため、自身のある内容を自費出版し自ら売り込むのも手です。
- 教材作成に携わる
周りに教材制作会社の人や、教材作成に携わっている講師の人にアプローチし、教材に自分の名前が載ることで、講師としての自分の存在をアピールすることもできます。大手の塾などは教材制作会社の人が出入りすることも多いので、大手の塾に転職して教材制作にアプローチするのも手です。
教材作成が得意な講師の方は、オリジナリティ溢れる教材を制作して塾に売り込むことで、塾が「〇〇先生の教材」として塾内で使用してくれる可能性もあります。作成した教材の評判が良ければ、人気講師として扱われるかもしれません。
キャリア形成におすすめのプラットフォーム
インターネットや書籍等の各種媒体を利用することで、講師としてキャリアアップできるきっかけを作れます。講師としてキャリアアップするためには自分を売り込むことが大切になるため、オンライン家庭教師として全国の生徒相手に実力を試し、自己アピールの力を磨くのも手です。
オンライン家庭教師マナリンクは事前に自己紹介動画を作成し、生徒が自己紹介動画を参考に指導方針や雰囲気を気に入った先生に直接ご家庭がお問い合わせをする仕組みです。そのため、自分の良さを売り込みやすい・共感してもらいやすいというメリットがあります。
また、ご家庭からの感謝の声(口コミ)での評判が直接先生の人気に結びつき、給与にも繋がる仕組みであるため、キャリアアップをより実感しやすいです。感謝の声が集まれば集まるほど、人気講師として活躍することになり、生徒もつきやすく収入を上げやすい強みがあります。
まとめ
塾講師には教室長になる以外にも、転職や人気講師になるなどさまざまなキャリアアップの仕方が存在します。授業の現場に立ち続けて評価されたいのか、塾の経営に携われるようになりたいのかによって、努力の方法や目指す場所が違うため、まずは自分がどうしたいのかを考えましょう。
また、キャリア形成の途中で行き詰ったり、働いている塾の仕組みに疑問感じたら転職を視野に入れるようにしましょう。
キャリアアップのためには講師としての個性や実力が問われることも多いため、転職やオンライン家庭教師などの選択肢を十分に吟味し、自分にとって最善の道を探ることが大切です。
免責事項
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