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【夏休みを無給にしない!】働きながら採用試験合格を目指す非常勤講師のためのスキルアップ兼業とは
はじめに
非常勤講師は夏休みなどの長期休暇では仕事がなく、お金の面で不安がありますよね。給料がない期間はバイトや別の仕事をしないといけないですが、教員採用試験もあるためスキルアップもしないといけません。そのため生活費を稼ぎながら教採試験の対策を両立させたいですよね。そんなあなたに、非常勤講師にぴったりのスキルアップできる兼業について紹介します。お金とスキルの両方を獲得しながら、正規の教員を目指す参考にしてください。
非常勤講師とは
非常勤講師とは学校に常駐せず、授業の1コマ単位で給料が発生する講師のことです。副業も認められていて、複数の学校で先生をしている人もいます。アルバイトに近い雇用形態というイメージが一番近いでしょう。また常勤講師という非常勤講師とは異なる講師もいます。
常勤講師とは通常の採用試験に通った教員と同じように働きますが、学校との年単位での契約になります。また副業も原則禁止です。
非常勤講師の平均時給
非常勤講師の平均時給は公立と私立を合わせて約2500円です。自治体にもよりますが年数を重ねていけば時給は上がり3000円ほどになります。フルタイムで働けるわけではなく、週に多くとも20時間程度なので、月収も20万円程度になるでしょう。
非常勤講師の問題
非常勤講師は正規の職員とは異なるため、待遇面で2つ大きな問題があります。
インセンティブバランス問題
非常勤講師も教員免許は持っているため、指導能力は正規教員に劣りません。ですが年収や昇給、社会的信用など正規教員との待遇の格差があります。時間は違えど同じ仕事内容で待遇が違うことは大きな問題です。
長期休暇は無給の場合がある
長期休暇中は授業がないため無給になることがあります。補講などがある場合は別ですが、基本的には仕事はないため給料は出ません。常勤の先生であれば資料作成や会議や研修などがあるため学校に通うのですが、非常勤講師の場合はそうではありません。そのため長期休暇は給料がなく他の仕事をする人が多いのが現状です。
非常勤講師になる理由
非常勤講師は働き方や雇用形態が問題視されていますが、実際に勤めている先生には明確な理由があります。ここでは非常勤講師として働く理由を4つ紹介します。
教員採用試験合格を目指しているため
定年退職の講師以外は非常勤講師のほとんどが教員採用試験に通っていません。そのため正規教員を目指して教採合格のために勉強をしつつ講師として授業をしています。また非常勤講師を経て採用試験をうけると、新卒受験者より有利になります。なぜなら実務経験がある人には試験の免除制度があるからです。たとえば静岡県浜松市では3年以上の実務経験がある場合1次試験が一部免除になります。
教採合格ための経験と優遇措置のために講師をすることは役立ちます。
参照:浜松市立小・中学校教員採用募集要項2021
兼業ができるため
非常勤講師は他の仕事と兼業ができます。兼業ができるのは常勤の教員ではできないため、大きなメリットの1つです。兼業で講師を本業にしつつ家庭教師をする人もいれば、講師をしながら家業をしている人もいます。また講師を複数の学校で兼任することもでき、比較的自由に働くことができるのも理由の1つです。本業があるけれど他の仕事もしてみたい人や、他にやりたい仕事があるけど教員も捨てがたいという人には、兼業ができる非常勤講師がおすすめです。
家事や育児との両立ができるため
家事や育児に力を入れたい、そうしないと厳しいという人もいます。そこで正規雇用でフルタイムで働けなくなった場合に、非常勤講師として先生を続ける人がいます。仕事は夕方までに終わるため、仕事終わりに子供を迎えに行き、そのあとに家事をできます。大変ではありつつも公私を両立したいという人には非常勤講師も選択肢の1つですね。
扶養内で働きたいため
扶養内で計画的に働きたいという理由もあります。親や配偶者の扶養の制度にもよりますが、非常勤であれば扶養内で働くことは充分に可能です。扶養内で働きつつ、自分の好きなことややりたいことに時間を使いたいという人にはおすすめです。
非常勤講師の特徴に合わせて働いている
非常勤講師の特徴として兼業することができ、時間の余裕があります。そういった特徴を活かして、自分にあったワークライフバランスを目指して働けます。実際にお金の理由やスキルアップの目的など働く理由は様々です。
正規採用を目指しつつ生活費を稼ぐ必要がある非常勤講師にはデメリット
教員の正規採用を目指しながら実際に講師として働くのは非常に大変です。生徒のための授業準備と試験対策の勉強を両立させるのは時間管理の問題で苦労するでしょう。また実際の採用試験のハードルも高いため、何年も受からず講師を続けている先生もいます。そこで実際の採用試験について、どれだけ対策する必要があるか、具体的な試験の内容についてみていきましょう。
採用試験の対策時間の確保
教員採用試験に合格するためには平均500時間以上が必要と言われています。500時間と言われてもイメージが難しいと思います。1日あたりだと1~2時間は必要です。そのため仕事をしながら毎日1~2時間は最低でも確保しなければなりません。「1、2時間なら簡単そう」にも思いますが、授業準備をして授業を実際にしてという日々の中で毎日継続するのは大変です。他の仕事と掛け持ち出する場合はなおさら厳しいでしょう。教採の対策時間を取りながら働くのは大変だと覚悟が必要です。
採用試験内容とは
教員採用試験は大きく4つの試験に分かれます。
- 筆記試験
- 面接試験
- 実技試験
- 適性検査
採用試験の免除制度で参考にした静岡県浜松市を例にすると筆記試験は「教職・一般教養試験」と「課題作文」、「教科専門試験」があります。教職の試験は教育原理や教育心理や法律などの基本的な問題が出され、大学などで教職課程で学んだことが中心です。一般教養は人文・社会。自然科学など幅広い知識が求められ、ひっかけ要素のある難しい問題も出題されます。課題作文では教育に関わる幅広いテーマについて論述します。たとえば、「教育実践に基づくテーマ」「国際貢献活動経験に関するテーマ」などさまざまです。面接試験は個人面接や集団でのディスカッション形式の面接があります。
面接で聞かれることは志望動機や自己PRはもちろん、いじめ問題や教育者としてどうありたいかなど、考えていないと即答できないような難しい質問もされます。また面接試験の配点が高い傾向があり、対策が難しいですがとても重要です。実技試験は「音楽、体育、家庭科、美術、英語」などの科目で実施されます。音楽では演奏、美術ではデッサン、英語ではスピーチなどです。座学や考えることというよりも手を動かすことで対策するしかないため事前の準備がとても大切です。適性検査は就活で実施される一般的なSPI試験のようなもので、教員の資質として必要な特性を客観的に判断します。このような4つの試験で教員採用試験は構成されています。
採用試験の倍率
教員採用試験の倍率は小・中・高で異なります。
令和元年のデータでは、
- 小学校:2.8倍
- 中学校:5.7倍
- 高等学校:6.9倍
と高校がもっとも倍率が高い傾向にありました。
出典元:文部科学省ー令和元年度公立学校教員採用選考試験実施状況
長期休暇の無給問題
非常勤講師の大きなデメリットとして給料がない期間があることです。それ以外にも無給期間は社会保険から国民健康保険に切り替える必要があります。また保険の切り替え時に保険証がない期間が発生するという問題もあります。
スキルアップする方法
非常勤講師として働き、いち早く教採に合格して正規の職員になりたいですよね。そこで、働きながらスキルアップする方法について3つ紹介します。
夏休みに教員の更新講習に参加する
教員には10年ごとに免許更新講習があります。講習では教科指導や生徒指導について学んだり、最新の教育事情について学んだりします。教育政策や教育実践についての講習時間は合計で30時間です。自分一人ではなく周りにはベテランの先生などもいるため、お互い学び合いながらスキルアップをすることができます。しかし現状講習は自己負担で受けること必要があるため注意が必要です。
非常勤講師として働ける他の学校を探す
非常勤講師として複数の学校を兼任することも一つの方法です。理由としては学校によって生徒の特徴が異なるからです。勉強に力を入れている学校もあれば、工業や商業など実技に力を入れているような学校もあります。そのため学校によって生徒の意欲や授業のレベルもさまざまです。異なる学校で働くことで生徒の対応や授業の設計を変えるなど多くの学びがあります。非常勤講師ならではの複数の学校を同時に体験するということを活かせば、短期で集中的に経験を積むことができます。
教育関係の副業を探す
教育関係の副業でスキルアップを目指すこともできます。非常勤講師として学校の生徒に関わる以外にも、たとえば塾講師や家庭教師で勉強を教えることや、学童スタッフとして小学生の保育に関わる仕事もあります。副業選びで大切なのは時給がよく、勤務時間に融通が効く仕事であるということです。非常勤講師としての授業準備や採用試験対策の時間を確保できるような時給と時間を調整しないと本末転倒です。お金や楽しさ以外にもスキルアップという点で有効に時間を使えるという観点で教育関係の副業を選びましょう。
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