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教員の育休は3年でも手当金は1年!収入別の受給額、延長方法〜復帰の流れも解説

2022/8/12
教員の育休は3年でも手当金は1年!収入別の受給額、延長方法〜復帰の流れも解説

はじめに

教員は、育休を3年間も取れるので、民間企業より随分優遇されていると思われがちです。しかしながら、現実はどうなのでしょう。今回は、教員の子育て事情についてリサーチしてみたいと思います。後半、その対策についても言及しますのでぜひ、ご一読ください。
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【教員】育休中に給料は出る?


給料は出ませんが、教員も民間企業に勤めている場合と同様、育休手当がもらえます。育休とは、育児に専念できる良い制度です。しかしながら、色々といりような時期に、お給料がでないのは困ります。そこで、働くママやパパが安心して育休を取れるように、仕事を休んでいる間に経済的支援が受けられる「育児休業手当金」というものがあるのです。

育児休業手当金とは

育児休業手当金とは、民間企業でいう「育児休業給付金」のことです。公立学校共済組合から支給されます。育児休業の承認を受けて学校等を休むときに、子が1歳に達するまでの育児休業期間中の所得を保証するための給付です。配偶者が育児休業をしている場合は1歳2カ月まで、保育所に入所できない場合など特別な場合は、2年まで受給可能となります。
出典元:育児休業手当金:公立学校共済組合 (kouritu.or.jp)

受給の条件

育児休業の承認を受けて勤務に服さなかった場合、育児休業手当金を受けられます。教員がこの手当金を受け取るためには、共済組合の組合員であることが条件です。ただし、育休前に退職したり、育休の途中で退職したりすると、手当金受給の対象外となってしまうので、注意が必要です。あくまで、教員として復帰する意志がある場合に支給される手当金だということを覚えておいてください。

いつまでに申請が必要?

育児休業手当金は、2カ月ごとに申請する必要があり、初回2カ月分の申請期限は、育休を開始した日から4カ月を経過する月の月末までです。

必要書類とは?

「辞令の写」または、「育児休業が承認されたことがわかる書類(育児休業承認請求書の写等)」が必要となります。加えて、後で述べる「パパママ育休プラス」の場合、「住民票の写し(組合員の配偶者であることを確認できる書類)」と配偶者の「育児休業取り扱い通知の写し(配偶者が育児休業を取得していることが確認できる書類)」の添付が求められます。

また、請求期間に変更が生じたときは、「育児休業手当金変更請求書」を提出しましょう。例えば、子どもが1歳になった後も育児休業の取得を予定していたけれど、子どもが1歳に達するより早く育休から復帰した、といった場合に必要となります。

所得税はかかるのか

所得税とは、所得にかかる税金です。もらっている給料によって、5~45%と幅があります。給料・ボーナスから毎月天引きされます。育休中は無給扱いなので、もちろん所得税はかかりません。

年末調整は必要か

育児休業手当金は、勤め先から給付されるものではないので、年末調整には関係しません。

保険料はかかるのか

社会保険料とは、健康保険と年金、雇用保険をあわせたものです。教員の場合、40歳までは給料の14.25%、40歳以降は給料の15%を毎月支払わなければなりません。所得税と同じく、毎月の給料・ボーナスから自動的に天引きされます。これが、産休中・育休中は免除になります。もちろん、免除になるだけで、健康保険は使えます。

育児休業手当金の支給額

育児休業手当金1カ月当たりの金額は、以下の計算式を用いて算出されます。
『受給額』
育児休業開始から180日

  • 【休業開始時賃金日額×支給日数(通常30日)】×67%

育児休業開始から181日目以降

  • 【育児開始時賃金日額×支給日数(通常30日)】×50%

※休業開始時賃金日額は、育休開始前の6カ月間の賃金を、180で割った金額。
この休業開始賃金日額は、税金や健康保険料をひかれる前の金額から算出します。また、残業手当や通勤手当、住宅手当などを差し引かず計算します。

〈休業前の月収が20万の場合〉
1,200,000÷180×30×0.67=134,000(開始~180日)
1,200,000÷180×30×0.5=100,000(181日~ )

〈休業前の月収が25万の場合〉
1,500,000÷180×30×0.67=167,500(開始~180日)
1,500,000÷180×30×0.5=125,000(181日~ )

〈休業前の月収が30万の場合〉
1,800,000÷180×30×0.67=201,000(開始~180日)
1,800,000÷180×30×0.5=150,000(181日~ )

〈休業前の月収が40万の場合〉
2,400,000÷180×30×0.67=268,000(開始~180日)
2,400,000÷180×30×0.5=200,000(181~ )

手当金の上限

  • 育児休業開始から180日:304,314円/月
  • 育児休業開始から181日目以降:227,100/月(2020年8月現在)

いつ支給されるのか

初回の育児休業手当金の支給開始は、出産日から3カ月ほどかかります。かなりかかるように思いますが、これは出産翌日~8週間は産後休業期間となり、育児休業手当金の対象にならないためです。そのため、制度の対象は、出産から2カ月後です。申請後、約2週間ほど審査に時間を要します。問題なければ、ハローワークから自宅に通知が届き、1週間後に指定口座に振り込まれます。すなわち、支給までは3カ月ほどかかると言えるでしょう。

支給期間と期間延長の方法

原則1年となります。支給期間は、「原則1年」ですが、その期間をのばす方法があります。以下にご説明します。

パパ・ママ育休プラス制度を利用

パパ・ママ育休プラスは、ママだけでなくパパも育休を取得する場合に、1年間の育休を2カ月延長できるという制度です。配偶者が子どもの1歳の誕生日の前日までに育児休業を取得している場合、こどもが1歳2カ月になるまでの間に、最大1年まで育児休業手当金が給付されます。パパ・ママ育休プラス制度を利用する場合も、1人当たりの育休取得可能最大日数は、産後休業含め1年間から変わりません。

特別な事情がある

特別な事情がある場合、支給期間は最大2年になりますが、子どもが1歳、1歳6カ月の時に申請が必要です。特別な事情とは、具体的にどんな場合を指すのか、箇条書きにしてみます。

  1. 保育園に入園希望をだしているものの、入れる見込みがない場合
  2. 子どもが1歳になった後、面倒をみるはずだった配偶者が次のいずれかに該当した場合

ア 死亡したとき
イ 負傷、疾病またはその他の理由により、養育が難しくなったとき
ウ 離婚やその他の事情から配偶者が子どもと同居しないとなったとき
エ 6週間(多胎児妊娠の場合14週間)以内に出産する予定か、あるいは産後8週間を経過しないとき

民間企業と公務員の違いとは

チェックリスト
民間企業と公務員の違いについてご説明します。

男性公務員も産休が取得できる

男性公務員も、配偶者出産休暇(2日)と、育児参加のための休暇(5日)をあわせた合計7日間の有給休暇をとれます。男性公務員の産休取得率は3割ほどですが、増加傾向にあります。

育休は最大3年取得できる

公務員は、民間企業が2年しか育休を取得できないのに対して、3年間育休を取得できます。女性はもちろん、男性も3年間の育児休暇が認められています。ただし、育児休業手当金の支給期間は変わらず子どもが1歳になるまでです。そのため、育児休暇を3年取得した場合、3年間のうち2年間は無収入になります。支給期間をのばす方法は、上記を参照してください。

延長と再取得ができる

民間企業では原則できませんが、公務員の場合1回まで延長や再所得が許可されています。上に書いたように、その場合、手当金の支給期間はのびません。

公務員の育休中の問題点

公務員の育休中の問題点についてあげてみます。

2年目から無給

公務員は育休面において、民間企業と比べると恵まれていると言えるでしょう。しかしながら、手当金は変わらず基本は1年間です。給料は発生しませんが、公務員には育休中も副業をしてはいけないという縛りがあります。よって、2年目からは完全に無給となります。

育休の取得率

令和元年度の地方公務員の勤務状況に関する調査結果によると、男性の育児休業取得率は前年度比2.4ポイント増の8.0%となり、比較可能な03年度以降で最高となりました。女性に関しては、ほぼ100%の人が育休を取得しています。

出典元:令和元年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果ー総務省

育休復帰率

H29「地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果(総務省)」の統計によると、育児休業取得者が46,207人に対して、育児短時間勤労者+部分休業取得者は17,365人しかおらず、これは育児休業取得者の47%にあたります。時短勤務と部分休業について、以下にご説明します。

時短勤務

時短勤務とは、1日の勤務時間を通常より短縮した働き方です。子育てなどを理由に、フルタイムで働くことが難しくなった人たちをサポートするために考えられました。

部分休業

養育する子が小学校就学の始期に達するまでの間で、勤務時間のはじめまたは終わりに、1日につき30分単位で2時間を超えない範囲内で必要な時間について、勤務しないことができます。ただし、非常勤として勤務している場合、育児短時間勤務をしている人は利用できません。

教員の育休制度は子どもとの時間が確保できるが無給期間が長い

教員は、最大3年間育休を取得することができるので、確かにより子どもとの時間を確保できると言えるでしょう。ただ、育休を3年間取ることができても、先にご説明した通り手当をもらえるのは1年間です。

育休中の過ごし方のモデルケースをご紹介!

育休の過ごし方のモデルケースをご紹介します。

【パターン①】育休中は子どもとの時間を最優先『正規の教員で時短勤務』

子どもとの時間を確保するために、時短勤務や部分休業を選択肢の1つに加えるのはどうでしょう。メリットは、当然子どもとの時間が取れることです。対してデメリットとしてまず、給料が減ることが考えられます。しかしながら、正規の教員は、下がった給料分を補填するために副業することを許されていません。それ以外に、担任を持てないことで周りの先生への負担が増えること、児童・保護者の信頼が低下すること、結局持ち帰りの仕事が増えることが予測できます。

【パターン②】講師になって昼間は学校勤務、夜が在宅でオンライン家庭教師

思い切って正規の教員をやめるのも1つです。講師になって昼間は学校勤務、夜は在宅で仕事をするというのもアリですね。この働き方のメリットは、何といっても仕事と子育てを両立しやすい点です。その上、給料が下がるという心配はありません。現状維持、あるいは今までよりアップする場合もあります。デメリットは、正規の教員を辞めることにより、児童や保護者との関係が希薄になることです。講師だからと割り切って仕事をする必要が多少出てきます。
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