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日本語教師が国家資格になるとどう変わる?【現役の日本語教師必見!】

2021/9/9
日本語教師が国家資格になるとどう変わる?【現役の日本語教師必見!】

はじめに

現在、日本語教師は国家資格ではありません。それが近々国家資格になることが案として固まってきています。そもそもどうして国家資格になるのか、施行日の目安、経過措置、給料などについて、現時点(2021年9月)でわかっていることを詳しくご説明します。ぜひ、ご一読ください。

公認日本語教師とは


公認日本語教師とは、日本語教師の国家資格の名称です。資料によると、

日本語教育の専門家として求められる資質・能力を有する日本語教師の資格の名称は『公認日本語教師』とする。
となっています。

引用元:日本語教師の資格と在り方について(報告)2020年3月10日

公認日本語教師は「名称独占資格」なので、公認日本語教師の資格を持つ人は、もちろん公認日本語教師と名乗り、働くことが可能です。公認日本語教師の資格を持っていない人は、公認日本語教師と名乗ることはできませんが、日本語教師として「私は日本語教師です」と名乗り、働くことが可能です。

その公認日本語教師に求める基準について、文化庁で話し合いが行われ、概要が決定しました。今回は、今現在(2021年9月)の時点で決まっていることをお伝えします。
これから公認日本語教師を目指す方は、以下の記事も参考になさってください。
関連記事:従来の日本語教師と公認日本語教師の違いとは? 【これから公認日本語教師を目指す方へ】

施行日はいつ頃になるか

2021年1月25日の「第2回日本語教育の資格に関する調査研究協力者会議」では、「公認日本語教師制度」の実施は、2024年度以降であるという見通しが示されました。

大まかな概要は決定しましたが、詳細の決定、関連法案の整備がいまだ行われていません。あるいは、日本語教育能力の有無をはかるテストについても、まだ詳しいことは決まっていないのが現状です。それらを調整する時間を考慮に入れると、やはり公認日本語教師が施行されるまでに、まだまだ時間がかかりそうです。

日本語教師が国家資格になった背景


現在、日本語教師の仕事に対して、「ハードワーク」「きつい」「つらい」「給料が低い」というマイナスイメージを持っている人が多いようです。そういったイメージを払拭すべく、日本語教師は、国家資格に格上げされることとなりました。

格上げの背景には、在留外国人の増加により、日本語学習や日本語教師の需要が国内外で高まっているという現状があります。その高まりに伴い、日本語教育の量や質の確保について議論されるようになりました。外国人が日本で安心して過ごすためには、もちろん日本語が必須です。言うまでもなく、外国人に提供される日本語教育は、平等かつ適切なものでなければなりません。

そのため、「日本語教師の数」を増やすことが必要です。日本語教師を国家資格化することにより、日本語教師という職業をより多くの人に知ってもらい、日本語教師の養成教育を普及・推進することで、日本語教師の量の確保へとつなげます。

それと並行して、「日本語教師の能力」も磨くことが求められます。専門家としての資質・能力を持つ、質の高い日本語教師が現場に必要です。

しかしながら、現在の日本語教師ルートは、「日本語教育能力検定試験」「日本語教師養成講座」「大学で日本語教育専攻」の中から選べるので、正直足並みがそろっていないのが現状です。それが、公認日本語教師を導入することで、専門家としての資質・能力を持つ質の高い日本語教師が活躍することになり、日本語学習環境が整備されることが期待されます。

さらに、日本語教育が必要な分野・領域が拡大している現代においては、多様な背景を持つ日本語講師に注目が集まっています。国家資格化することにより、日本語教師の認知度が上がることで、日本語教師を目指す人が、社会人を含む幅広い世代にまで拡大すれば、日本語教育の幅がぐっと広がります。

このように、これからますます日本語教育が注目され発展していくためには、ある程度の基準を設けて、量と質、多様性を確保することが求められます。そこで、日本語教師を国家資格とする公認日本語教師が誕生したわけです。

すでに日本語教師の資格を持っている人について


経過措置として決められていたこと

2020年2月14日の議事録を載せてみます。

出入国在留管理庁が定める『日本語教育機関の告示基準』第1条第1項第13号の教員要件を現に満たす者の取扱いについては、新たな資格となる公認日本語教師の要件を満たす者として、十分な移行期間を設け、公認日本語教師として登録を行えるようにすることが適当である。

引用元:日本語教育能力の判定に関する報告(案) ー第 99 回日本語教育小委員会(R2.2.14)

これまでは、「経過措置」として国家資格化より以前に3つの要件(「日本語教育能力検定試験」「日本語教師養成講座」「大学で日本語教育専攻」)を満たしている人は、国家資格化後、そのまま「公認日本語教師」として登録できるとされてきました。つまり、指定登録機関から登録証明を発行してもらうことにより、今現在の資格を国家資格として移行できると言われていました。

2021年7月の有職者会議で決められたこと

それが、7月に行われた会議では、次のようにかわりました。
以下、2021年7月29日の資料の1部分です。

文部科学大臣は、文部科学大臣が指定する機関(指定日本語教師養成機関)における課程等を履修し修了した者については筆記試験 ①及び教育実習を免除することができるものとする。
筆記試験①…日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する試験
筆記試験②…現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定する試験

引用元:日本語教師の資格及び日本語教育機関評価制度(報告案)ー日本語教育小委員会

すなわち、文部科学省指定の日本語教師養成機関において、課程を修了した人は、公認日本語教師になる際必要な条件(「筆記試験①・②に合格する」「教育実習の履修」)のうち、筆記試験②のみ受験する必要があるということです。

ちなみに、この場合該当するのは、「大学等の日本語教育に関する教育課程26単位~」あるいは「専門学校等の日本語教師養成研修420単位~」を修了した人です。ここに、「日本語教育能力検定試験に合格した人」という文言はありません。

よって、検定試験に合格し日本語教師となった人に関しては、免除項目は今のところないと解釈できます。ただし、日本語検定試験に合格して告示校で長く働いている方に関しては、優遇処置がとられる可能性が高いです。

国家資格になって給料はかわるのか


現在の給料

日本語教師は、常勤か非常勤かによって、待遇や収入が大きくかわってきます。内訳としては、常勤で働く人が少なく、圧倒的に非常勤として働く人が多いです。3人のうち、2人は非常勤だと言えるでしょう。

非常勤の給料形態は、「コマ給」です。コマ給とは、1コマいくらと決まっていて、働いたコマ数によって給料が支払われる仕組みです。時間給が働いた時間に応じて給料が決まるのと同様、支払われる給料は働いたコマ数によって変わり、たくさん授業をすればするほど、給料が上がります。

国内で勤務する場合、コマ給は、1,500~2,000円が相場です。フルタイムの仕事はあまりなく、午前か午後のいずれか半日のみ、週に2~3日のペースで勤務する人が多いです。勤務時間があまり長くないため、当然もらえる給料は少なく、年収は約150万~300万円ほどです。

正社員なら、月20万円以上が相場です。月給20万円というのは最低賃金であり、通常これに年齢や経験が考慮された額が加えられます。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査や口コミ情報などによると、日本語教師の平均年収は、およそ380万円です。これは、月給に月給の約3か月分のボーナスを加算した額です。地域差などを考慮に入れると、平均年収の範囲はおよそ280万~450万円となります。

海外勤務の場合、勤務地の物価などによって、もらえる給料に差があるものの、働く国の給与水準と同じくらいか、少し高いくらいの給料であることが多いです。

現在、日本語学習に興味を持つ外国人は、増加傾向にあります。日本語教師に有利な売りて市場であるため、給料は上がりつつあります。例えば、東京近郊の1コマあたり(1コマ45分)の平均単価で比べると、2013年は約1,500円でしたが、2020年には、約2,000円まで増えています。

つまり、20数年間上がらなかった給料が、ここ数年でぐっと上がってきています。それに伴い、待遇もかなり変わってきました。講師の仕事以外に、事務の仕事をすることもあるのですが、その場合、コマ給とは別に事務給などの手当が出る場合もあります。

参考元:日本語教師の給料・収入・年収は?キャリアアップの方法や実情について解説! (brush-up.jp)

日本語教師の給料とは?給料アップの方法や日本語教師の実情も紹介|コラム|日本語教師養成|資格取得なら生涯学習のユーキャン (u-can.co.jp)


現在、日本の平均年収と、日本語教師の平均年収はどれくらいの差があるのか、グラフにしてみます。

参考元:日本語教師の給料・年収 | 日本語教師の仕事・なり方・年収・資格を解説 | キャリアガーデン (careergarden.jp)



それぞれの会社が出した日本語教師の年収を見ると、まだ日本の平均年収より若干少ないですが、これまでに比べると随分よくなりました。

国家資格になった場合の給料

現在日本語教師は、売り手市場で、徐々に給料はあがりつつあります。それでもまだ、国の平均年収に比べると低いのが現状です。それが国家資格となれば、給料が驚くほど急にあがることはないにしろ、国による需給のバランス調整がなされ、労基法は民間に比べると遵守されることはありそうです。

国家資格になることで、注目されることが増え、さらに売り手市場に拍車がかかり、改善が期待できます。

まとめ

在留外国人の増加により、日本語学習や日本語教育の需要は国内外で高まっています。それに伴って、日本語教師が2024年以降、国家資格になる可能性が出てきました。国家資格になることで、注目を浴び、労働条件が改善されることが望まれます。

気になるのが、国家資格化により、現職の教師はどのようになるのかということです。これまでの話し合いの中では、3つの要件(「日本語教育能力検定試験」・「日本語教師養成講座」・「大学で日本語教育専攻」)を満たして告示校で働いている人は、国家資格化後、公認日本語教師としてスライドできるとなっていました。

それが、7月に行われた会議で、文部科学省指定の日本語教師養成機関において、課程を修了した人は、公認日本語教師になる際必要な条件のうち、検定試験の一部を受験する必要があると方向転換されました。

公認日本語教師の施行まではまだ時間があるので、内容が変わる可能性はまだまだ十分あります。今後の動きに注目です。