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ICT支援員の資格とは?ICT支援員認定試験の対策や勉強法までご紹介

2021/9/16
ICT支援員の資格とは?ICT支援員認定試験の対策や勉強法までご紹介

文部科学省による「ICT支援員の配置促進に関する調査研究」では、学校のICT活用に関する主な課題として「教員のICT活用指導力の向上」「授業におけるICT活用」が大半を占めていました。まだまだ情報通信教育に追いついていない学校を含む教育機関では、教師の方のICTの知識や情報が足りていないのです。

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出典:文部科学省「ICT支援員の配置促進に関する調査研究」

そのため、ICT支援員の需要は拡大し続けていることがわかります。そして、ICT支援員の資格を取得することは、社会に求められるスキルを身につけられることにつながるのです。そこで今回は、ICT支援員を目指す方に向けて、ICT支援員に必要な資格や、資格取得の対策までご紹介していきます。

ICT支援員認定試験とは?

そもそもICT教育とは、1人1台の端末配布や、高速ネットワーク整備、プログラミング教育などを指します。文部科学省は「 GIGAスクール構想」により、ICT教育(情報通信教育)を全国の小中学校に急速に拡大しようと試みています。そのために現在、ICT機器を活用したさまざまな授業を提供する「ICT支援員」の需要が高まってきてるのです。そこで今からは、ICT支援員に関するICT支援員認定試験についてご説明していきます。

ICT支援員認定試験の出題内容


ICT支援員認定試験とは、教育機関の情報化に向けて、ICT機器に関するサポートやICT機器などを設置しコーディネートできる人材を認定するための試験です。試験内容は、コンピューターやネットワークに関する知識。ICT機器を使った教育現場への理解やサポート、問題解決能力、コミュニケーション能力などさまざまな実践的能力が問われます。

A領域とB領域について

ICT支援員認定試験は2つの試験に分けられています。A領域と、B領域です。それぞれ出題内容や試験傾向が異なるので、以下でご紹介していきます。

  • A領域

A領域は、知識や判断力が問われる試験です。学校におけるICTに関する筆記試験では、65点が合格点となっています。ICT支援員能力認定試験公式サイトでは、以下の内容が出題されると書かれています。

教育現場や情報技術などでの基本的用語
教育現場で利用されるアプリケーションのソフトやファイルの操作
現場で生じる問題に対する状況判断や対応
教育現場で利用されるハードウェアやソフトウェアの設定
学校特有の問題に関する理解(職務、子どもの扱いなど)
情報モラルの指導・セキュリティに関する知識


引用元:ICT支援員能力認定試験公式サイト

  • B領域

A領域試験終了した1週間後に個人専用サイトにて、A領域の合否と共に試験課題を確認できます。B領域は説明力と、コミュニケーション能力が問われる試験です。

事前に伝えられる「学校現場で起こりうるICT機器等のトラブルについてどのように返答するか」を動画撮影しての課題提出します。試験内容は、日常的に起こりやすい問題の課題解決から、技術的な内容までさまざまです。

評価として見られるポイントは「状況把握が的確かどうか」と「わかりやすい説明かどうか」です。
難易度と合格率
A領域の試験は、比較的易しいと言われており、試験結果は非公開ですが合格率は60
〜70%ほどに想定されています。表計算、著作権に関する問題以外は、全般的に「情報化コーディネーター3級の過去問」を対策すれば合格できると言われています。

参考記事:ICT支援員能力試験ー資格の難易度

開催場所(会場)/実施期間/受験料

開催場所は、A領域とB領域で分かれます。

  • A領域:CBT-Solutionsが運営するテストセンター(全国30箇所以上)
  • B領域:自宅や勤務先にて実施


実施期間は、年2回です。前期は6月頃、後期は11月頃となっています。申し込みは、ICT支援員認定試験ページから行えます。
受験料:13,800円(税込)

ICT支援員認定試験の対策方法


ICT支援員の認定試験の受験は決めたものの、試験対策については何をやれば良いのかわからない。そう思われている方向けて、ICT支援員認定試験の対策方法をご紹介します。ICT支援員認定試験は過去問が存在しないため、試験内容を掴みにくいですが、以下の対策を押さえていただければ合格に近づくでしょう。

A領域の対策方法

A領域の試験に合格するには、以下の3ステップを踏むことが大切です。

  • 文部科学省推奨のテキストで勉強する
  • ICT支援員ハンドブックをダウンロードする
  • 教育コーディネータ3級の過去問を解く


ICT支援員のハンドブックは、無料でダウンロードできるので、早めに読んでおくと良いでしょう。ICT支援員のハンドブックは、ICT支援員の心構えや業務内容、教育現場の実態などがまとめられています。

B領域の対策方法

B領域の試験内容は大まかに言うと「ICTにあまり詳しくない人に向けてのICT機器の説明」です。プリンターが上手くつながらない時の対処法や、プロジェクターに映像が映らない時の解決案などが問題として挙げられます。このような問題に対してどのような返答をするかを、動画で撮影し4日ほどで提出します。

そのため、B領域の試験対策としては「筆記試験の対策を行いながら、機械の扱い方をどう説明するか言語化しておくこと」です。実際に試験内容を確認できた時は、問題文をよく読み、リサーチを入れ、何度も言語化して練習することが効率的な対策と言えます。

おすすめのハンドブック

試験対策の方法は理解できたが、具体性が掴めず不安を抱いている方もいらっしゃるでしょう。そのようなお悩みをお持ちの向けて「ICT支援員認定試験におすすめのハンドブック」をご紹介します。以下の3冊は、詳しく事例を踏まえて具体的に解説されているので、初めて試験を受ける方でも安心して勉強できます。

学校で頻発するICTトラブルについて、初歩的な疑問から、トラブルを予防するための方法が解説されています。Q&A方式で進められているので、試験の想定がしやすく、わかりやすいです。

三重県松阪市立三雲中学校でのICTの活用事例が具体的に説明されています。先生が抱きやすいICTの10の不安について、項目ごとに解説されているので、初歩的な部分から理解を深めることができます。

ICT支援員試験に向けて必要な知識が網羅された一冊です。学校のICTのあるべき姿、今の現状が体系的に説明されています。

ただし、GIGAスクール以降の内容が多いため、その場での思考力が問われる問題が多いです。そのため、出題問題の参考程度に、使うと良いでしょう。

ICT支援員と教育情報化コーディネーターの違い


ICT支援員を目指されている方の中には、教育情報化コーディネーターの名称も聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。ICT支援員と混同されやすい教育情報化コーディネーターですが、仕事内容や役割は異なります。以下に両者の違いをご紹介するので、ご参考ください。

教育情報化コーディネーターとは

ICT支援員は、学校や教育の現場において、ICT機器の利用を支援する役割を持っています。一方、教育情報化コーディネーターは「学校や教育の現場において、教育の情報をコーディネートする人」です。仕事内容は、学校におけるハードやソフトの整備。組織を作り、どうように情報化を進めるかを考える、などが挙げられるでしょう。

教育情報化コーディネーターは、ICT支援員に比べICT機器の整備が仕事内容の中心になります。人にアドバイスするよりも、ICT機器そのもに興味があり、教育の現場に活かしたい人は教育情報化コーディネーターが向いています。

ICT支援員の仕事内容

ICT支援員の仕事は、ICT機器の利用支援ですが、もう少し具体的に仕事内容を掘り下げたいと思います。以下に具体的な仕事内容をまとめましたので、ご覧ください。

  • タブレットの充電
  • ソフトやアプリのインストール
  • 授業前の機器操作チェック
  • 授業中生徒へのタブレット操作の指導支援
  • 授業後の情報分析
  • 使用アプリのアカウント管理
  • ICT活用提案
  • ICT機器不具合発生時の対応


ICT支援員は、教員免許を持っていないため直接授業を行う事はありませんが、教育情報化コーディネーターに比べて生徒と関わる機会が多いです。コミュニケーションに重きを置き、ICT教育に関わりたい方は、ICT支援員が向いていると言えるでしょう。

ICT支援員として働くメリット

ICT支援員として働く最大のメリットは「社会や時代に求められるスキルを身に付けられること」です。文部科学省は、2022年までに4校に1人のICT支援員を配属する計画を立てており、国全体としてICT支援員の需要が拡大しています。

社会全体としても、業務のIT化は急速に進んでおり、どの業界においてもITの知識は必要不可欠と言えるでしょう。そしてIT化が進むにつれて、人間のコミュニケーション能力も問われてきています。

AIやコンピューターでは表現できない、人間の柔軟なコミュニケーション能力を備えておくことは、今の時代に求められるスキルです。その2つの能力を兼ね備えたICT支援員は、社会や時代のニーズに合っており、ICT支援員として働くことで生き抜くために必要なスキルを手に入れることができるのです。

また、ICT支援員の将来性については、「ICT支援員に将来性はあるのか?働き方、雇用形態まで解説します」でもご紹介しておりますので、ぜひご参考ください。

まとめ

今回は、ICT支援員を目指す方に向けて資格の取得方法や、試験対策」についてご紹介しました。情報通信教育が進む現代の時代において、ICT支援員の資格を取得することは有益であると言えるでしょう。まずは、試験開催時期を把握して、試験取得に向けてハンドブックを集めてみてください。

免責事項

こちらの情報は執筆段階でのリサーチ・状況において執筆されたものであり、随時内容のメンテナンスを行っておりますが、 現時点での正確性を保証するものではございませんのでご了承いただけますと幸いです。