通信制高校の教員は大変?通信制高校の教員の声や教員免許取得の必要性をご紹介
令和2年度に行われた文部科学省の「高等学校通信教育の現場について」の調査では、通信制過程の生徒数が明らかになりました。
以下のデータからわかるように、通信制課程の生徒は15歳、16歳と共に年々上昇しています。
出典:文部科学省「高等学校通信教育の現場について」
このような通信制課程の生徒数上昇に伴い、通信制高校で教員を目指し始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、通信制高校での仕事内容や通信制高校での教員免許の有無について解説していきます。この記事を読んでいただければ、通信制高校の教員として働く上で知っておくべき情報を理解できます。
通信制高校はどんな学校?
高校には、通信制・全日制・定時制と3つの教育家庭があるわけですが、通信制高校はどのような高校なのでしょうか。通信制高校で働くには、通信制高校の概要を理解しておくことが大切です。ここからは、通信制高校の仕組みや仕事内容についてご紹介します。
通信制高校とは
通信制高校は、通信による教育を行う高校です。登校日数が全日制や定時制と異なりますが、卒業資格は同じです。
また、通信制高校は、2種類に分けられることをご存知でしょうか。通学できる範囲の違いで、広域と狭域の2つに分かれます。
以下に、狭域通信制高校と広域通信制高校の違いをまとめました。
引用:通信制高校の広域と狭域の違い
狭域通信制高校の多くは、公立高校です。狭域通信制高校は、面接指導(スクーリング)できる施設が本校だけなのが一般的です。学校によっては、近隣の協力校などで面接指導(スクーリング)を行うことがあります。
広域通信制高校は基本的に私立高校です。広域通信制高校は、地域によって校舎がない場合もありますが、校舎がない地域でも面接指導(スクーリング)が行えるように協力校や学習センターなどの外部の教育機関と連携して環境を整えています。
通信制高校では、学年制よりも単位制を採用している高校が多いです。そのため、単位制であれば個人のペースで進めることができます。卒業条件は、74単位取得できていることです。単位は、レポート、面接指導(スクーリング)、試験などで取得していきます。
卒業期間は、最短で3年、最長で在籍期間を利用すれば10年以上かけることもできます。
通信制高校の入学時期は、4月と10月に分けている学校がほとんどです。単位制や2学期制の学校が多いためです。
なお、2学期制の学校の多くは、3月か9月に卒業を設けます。
通信制高校はどんな人が通うの?
通信制高校には、さまざまな人が通います。令和2年度に行われた文部科学省の「高等学校通信教育の現場について」の調査の、「在籍生徒の実態例」でどのような人が通っているのか見てみましょう。
出典:文部科学省「高等学校通信教育の現場について」
データからわかるように、さまざまなバックグラウンドや生活状況を抱えた生徒が通います。同調査の在籍生徒の就業状況を見ても、生活状況がさまざまです。狭域通信制高校では、正社員が8.3%、パート等が37%でした。広域通信高校では、正社員が6.3%、パート等が23.4%です。
また、社会人の方も年齢を問わず通います。同調査では令和1年の30〜39歳の生徒は、4,429人。40〜49歳は、1,366人。50〜59歳は、511人。60歳以上は、401人でした。
さらに、最近では不登校や発達障害で悩む生徒も通信制高校を選んでいます。中には、芸能人やアスリートなど、生活と学業を両立させるために通信制高校を選ぶ人もいます。
参考:文部科学省「高等学校通信教育の現場について」
通信制高校の仕事内容
通信制高校の仕事内容は、主に2つに分けられます。課題(レポート)の添削、面接指導(スクーリング)です。
課題(レポート)の添削では、送られてきた課題の丸つけや指導を行います。課題(レポート)と言っても、穴埋め問題が多いです。
面接指導(スクーリング)では、毎日の自宅自習で生徒がわからない点に答えてあげる指導です。
スクーリングは一般的に登校日を指し、学校により特色があります。月2回程度登校する学校もあれば、全日制のように毎日登校型から年5回程の合宿形式のスクーリングまであります。
通信制高校に教員免許は必要?
通信制高校に教員免許は必要なのでしょうか。一般的には、公立・私立の通信制高校問わず、教員免許が必要とされています。しかし、中には教員免許がなくても働ける学校もあります。
ここからは、教員免許がなくても働ける通信制高校について解説していきます。
教員免許がなくても働ける学校もある
教員免許がなくても、通信制高校で働ける場合があります。通信制高校の教員採用基準は、学校によって異なるためです。
中には、教員免許は不要だが、塾や予備校で指導経験の有無を重視している学校もあります。全日制や定時制の高校に比べ、生徒との距離が近いのが通信制高校。そのため、子ども達との接し方を重視している高校が多いわけです。
教員免許不要の通信制高校をご紹介
ここからは、教員免許不要の通信制高校をご紹介します。
- 【千葉県】JASDAQが運営する通信制高校
未経験から教育業界にチャレンジしたい方に向けて、教員免許不要の通信制高校の教員が募集されています。
仕事内容は、ICTを活用した個別指導や協働学習をファシリテートした指導、集団指導などがあります。
その他にも、友達作りや登校サポート、地域連携活動、電話受付、来客対応など教育業務全般に携わることができるようです。
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【教員免許なしOK】年400万~*土日休み*賞与2回*通信制高校教員@千葉
- 【契約社員】大手教育企業の通信制高校の教員
マイナビ転職エージェントでは、大手教育企業の通信制高校の教員募集情報が掲載されています。
教師経験不問/教員免許不要/生徒に寄り添う教育に携わりたい方におすすめの求人です。仕事内容は、オンラインとオフラインを併用した学習指導、カウンセリング、友達サポート、広報活動、事務などがあります。
学校は、 茨城県高萩市と兵庫県養父市に広域通信・単位制高校として教育事業に従事しています。 各キャンパスのネットワークを生かした、多彩な通信・通学カリキュラムを実施しています。生徒の進学や就職のゴールに向かう前向きな気持ちを育む「自他肯定感教育」を重視した高校です。
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通信制高校や教員から転職された方の声
ここからは、通信制高校や教員から転職された方の声をご紹介します。通信制高校の教員を目指すのは良いものの、実際に働くとつらいことや大変なことがあるかもしれません。
現場で働いたことのある方々のエピソードを参考にすることで、転職後のギャップをなくすことができます。
通信制高校に転職された方
前職はコンサルタントで、人間関係に悩み通信制高校の教員に転職された方がいます。通信制高校に転職して、情熱を持って仕事に取り組んでいる他の職員の方から刺激をもらっているとのことです。
何より、職員が5名のアットホームな環境が魅力的で、すぐに職場環境に溶け込めたとお話しされています。
勤務時間は、8時30分~17時30分。残表は、1年間の平均で18時間で、短いと月1時間しかないそうです。
前職と比べると、プライベートとの充実の面でも働きやすいとお話しされていました。
参考:コンサルから、通信制高校の職員に転職【インタビュー】
教員から転職された方
五十嵐先生は、体調を崩してしまったことをきっかけに、教員から転職を決意されました。
教員専門の転職を支援してくれる方とインターネットで出会い、VR旅行サービスを扱う会社に転職しました。
教員時代は、平日朝7時に家を出て夜は21時に帰宅する生活でしたが、現在はテレワークのため9時開始の仕事に合わせて8時半までゆっくりできるとのことです。
退勤時間も、定時の18時に終わることがほとんどのため、1日の中で仕事に割く時間が変化したとお話しされています。
また、五十嵐先生は18時から時間が空いたことをきっかけに、オンライン家庭教師を始められました。民間企業に転職したものの、引き続き教育関係の仕事に携わっていたい思いが実現したそうです。
オンライン家庭教師は「自分のやりたい指導が自由にできる」点がメリットで、これからも続けていきたいとお話しされています。
参考:教員から転職!経験やスキルを活かして新天地で縛られない自由な働き方を実現!
まとめ
この記事では、通信制高校での仕事内容や通信制高校での教員免許の有無、通信制高校から転職された方の声について解説しました。
通信制高校の生徒数は、どの年代も年々上昇しているため、教員の需要は高いと言えます。しかし、通信制高校は学校によって制度や働き方が異なるため、応募時に細かい部分まで把握しておくことが重要と言えます。
通信制高校の教員を目指したい方は、まずは教員募集があるのか確認して、必要に応じて教員免許を取得しましょう。
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