マナリンクTeachersオンライン家庭教師の働き方・採用を応援!

常勤講師のクビ問題!突然の解雇に備えてやるべきことも解説します

2021/9/30
常勤講師のクビ問題!突然の解雇に備えてやるべきことも解説します

国際教員指導環境調査(TALIS)では、教員1週間当たりの勤務時間数は、日本が53.9時間で最長でした。参加国の平均勤務時間は、38.3時間になっています。また現代では、児童の個別ニーズが多様化しており、教員に求められる役割が拡大しているのが現状です。

このような状況の中でも、常勤講師は正規職員に比べて低い給料の中、同等の働き方を求められます。常勤講師として働く中で、今の現状不安に思われている方もいらっしゃるでしょう。そこでこの記事では、常勤講師の現状と課題、不安に思われている方がやるべきことについてご紹介していきます。

常勤講師の現状と課題


教員免許を持ち、担任や部活の指導も当たるなど、正規職員と同じ働き方をする「常勤講師」。しかし、身分は臨時教師として扱われ、非正規職員に該当します。現代の教育現場では、常勤講師として働くことにおいてどのような課題があるのでしょうか。今からは、常勤講師の現状と課題についてご説明していきます。
常勤講師がいなければ学校が回らない理由
臨時教師は、かつては産休や病気で長期休暇をとる教師の穴埋め的な存在でした。しかし今は、フルタイムで働く常勤講師も増えてきています。2017年の文部科学省の調査では、全国の常勤講師の割合は平均で7.4%。沖縄、三重、長野では10%を超えるほど高い数値が出ました。

そもそも常勤講師が増加している理由は、財政の問題です。公立の小中学校の人件費は、以前は国と都道府県が2分の1ずつ負担する仕組みでした。しかし、2006年の「義務教育費国庫負担法」が改正されて、国の負担が3分の1とすることが定められたのです。

一方、少子化に悩む地方の学校を救済する目的も含み「業務標準法」が改正され、学級編成が国の標準を下回る生徒数でも可能になりました。学級数が増加すれば、必要な教員数も増加します。その増加分や、産休他に入った正規教員の欠員分を、常勤講師を含む非正規教員で補う方法が教育委員会で取られたのです。

同時にこの時期は、学力向上や個性や能力に応じた指導が始まりました。少人数指導やティーム・ティーチングを実行するにあたり、必要となる教員もほとんどが非正規として雇用されました。

文部科学省も当初は、非常勤教員数についての調査を行っており、その数は2005年には約8万4000人でしたが、2011年には約11万2000人となりました。この数字は、全職員の16%を占めています。この数字を見ると、現在も相当数の非常勤教員が存在すると推測できます。そしてこのような流れで、常勤講師がいなければ学校が回らない現場になっているのです。

参考書:朝日奈なを『教員という仕事 なぜ「ブラック化」したのか』

常勤講師の大変さ

常勤講師は、1年間ごとの任用。1時間1600〜3000円程度の時間給。教材研究、試験、成績処理などに費やした時間は対象にならず、実施授業分のみ支払われる労働条件で働くことになります。また、交通費が支払われない場合さえあります。

定年退職後に年金受給までの期間まで働く人もいます。ですが、常勤講師は現役講師と量的にも質的にもほぼ変わらない仕事をこなしながら、正規教員の半分強の給与所得です。

上述のような待遇のため、常勤講師の希望者は近年減少しています。朝日新聞の2019年8月5日付の記事では、2019年5月1日時点で、全国の公立小中学校で1241件の「教員の身配置があった」ことが判明しました。

参考書:朝日奈なを『教員という仕事 なぜ「ブラック化」したのか』


また、文部科学省の「チーム学校訓練資料」では、日本教育を取り巻く状況の変化が発表されました。不登校の子どもの割合は、小学生では平成5年から平成24年で、1,8倍増加。中学校では、2.1倍増加しています。学校指導要領の改定で授業数は、小学校で+300時間。中学校で+100時間になっています。



出典:文部科学省ー「チーム学校関連資料」

また、小学校で障害に応じた特別な指導(通級指導)を受ける子どもが増加しており、課題は複雑化していると言えます。さらに、大部分の教員が仕事量や保護者対応に負担を感じているデータも出ました。教員が行う仕事が多すぎると感じる教員は92%。保護者対応が増えたと感じる教員は、80%でした。


出典:文部科学省ー「チーム学校関連資料」

これらのデータからも読み取れるように、教員として勤務する常勤講師への負担は、さまざな面から年々増加しているのです。そして、増える続ける仕事の量の多さと、給料との釣り合いから、常勤講師の大変さが伺えます。
常勤講師の解雇・クビ問題
常勤講師の解雇・クビ問題で一番多いのが、次年度の入学者数が少ないため、教員が余ってしまうことです。

文部科学省の「文部科学統計要覧」によると中学生の生徒数は、大幅に減少しています。平成2年では「5,369,162人」だった生徒数も、平29年度では「3,333,334人」になっているのです。


参考:文部科学省ー「文部科学統計要覧」

このように少子高齢化による生徒数減少により、教員も減らされていく現状があります。

しかし、校長先生や市町村の教育委員会、市長には教員をクビ、懲役免職できる権限はありません。そのような人事権は、都道府県の教育委員会にあります。そのため、体罰、セクハラ、いじめなどの問題が起きた時も、問題を起こした教師を学校側の意思でクビにできない問題もあるのです。

ただ、生徒減少を含むやむをえない理由で教員を減らす時は、非正規雇用の常勤講師からクビになってしまうことは考えられます。

常勤講師を不安に思っている人がやるべきこと

まだクビにはなってはいないものの、常勤講師でい続けることに不安を抱いている。常勤以外の働き方も視野に入れたい。今からはこのようなお悩みをお持ちの方に向けて「常勤講師を不安に思っている人がやるべきこと」をご紹介していきます。
転職活動を始める
常勤講師をこのまま続けることに不安を持たれている方は、転職活動を始めると良いでしょう。ただ、教員生活は転職活動を行うほどの時間が取れません。

そこで転職エージェントを利用し、転職の知識やアドバイスを受けることをおすすめします。無料で登録できる上、履歴書添削や、面談指導など多くのメリットを教授できます。さらに、

今までの教員経験を活かして、教育現場に携わりたい人は「Education Career」を利用すると良いです。教育業界に特化した転職エージェントで、専門的なアドバイスを受けられます。

教員からの転職に成功し、新しい業界で働き始めている方もいらっしゃいます。以下のインタビュー記事では、転職の様子や、現在の仕事状況をお話しされています。ご興味ある方はぜひ「教員から転職!経験やスキルを活かし新天地で縛られない自由な働き方を実現!」をご覧ください。

無期転換ルールを視野に入れる


常勤講師は基本的に1年ごとの契約ですが、ほとんどの学校は1〜3年契約です。これは、常勤講師は私学共済等に加入してしまうため、非常勤講師以上に長い5年契約にしてしまうと、学校側は専任にしなければならないルールが揃っているからです。

そのため、常勤講師の場合3年以内の契約にするのが一番多いのです。

専任となれば、無期雇用になります。つまり、現在5年目を過ぎた常勤講師の方は、翌年の更新をしてもらえたなら、無期雇用になれる確率は高いのです。

この制度のことを「無期転換ルール」と言います。常勤講師の方は、無期転換ルールを視野に入れながら働くのも良いでしょう。

教員採用試験に合格して公務員になる
常勤講師を不安に思われている方は教員採用試験に合格して、正規の職員を目指す方法もあります。教員採用試験ための勉強時間の確保としては、非常勤講師となっても良いでしょう。非常勤講師となって、コマ数を減らし、勉強時間を確保しやすい環境を作るのです。

指導経験によって試験の一部が免除になる自治体も多いため、今までの経験が役立つでしょう。

参考記事:「試験免除・特別選考等」

突然の解雇に備えて

突然の解雇に備えて、収入源を増やしておくことは大切です。しかし、教員が副業することは可能なのでしょうか。今からは、常勤講師の副業についての注意点や、始めやすい副業についてご紹介していきます。

常勤講師をしながら副業を始める

教員は副業ができないと思われていらっしゃる方も多いと思います。ですが、教員も条件を満たせば副業を始めることができます。

常勤講師の場合、公立の学校では任命権者から許可を受けた場合は、副業を行うことができるのです。任命権者とは、市町村の教育委員会のことを指します。教育関連の講演会や、書物の発行手続きなどであれば、許可は受けやすい傾向です。

一方、私立学校の教師は、副業可能かどうかは学校の就業規定によって変わります。副業を検討する場合は、学校側の規定を読み、確認してみましょう。

副業に際しての注意点

公立学校の教師は、任命権者の許可を得られれば副業は可能です。ですが、地方公務員では以下のような規定があるため、把握しておく必要があります。

  • 地方公務員の信用を傷つけて、不名誉になる行為は禁止
  • 職務上知り得た情報の漏洩禁止
  • 職務に専念すること


副業を検討する場合は、これらに違反していない仕事をしなくてはいけません。副業の申請は市町村によって違いはあるものの、申請の流れは次のようになっています。営利企業等従事許可申請書に記入→所属の学校の校長先生に提出→校長先生が教育委員会に提出、です。

許可申請は校長先の同意を得ることが大切なので、副業の内容を理解してもらえるように努めましょう。
常勤講師が始められる副業
「小規模の農業」は、教師ができる副業の中で許可を得る必要がない副業です。小規模とは、収益を出すことが目的ではなく、主に自家消費が目的の農業です。

ただ、新規で農地を取得するのは、ある程度の規模が必要です。そのため「相続や遺贈などで、引き継いだもの」に限られています。

他にも、株式投資や小規模の不動産投資は許可がなくても始められます。また、先ほどご紹介したように教育関連の講演会や、教育関連の執筆活動は、副業の許可が下りやすい傾向にあります。副業を検討する際は、規定をしっかりと把握してトラブルのないように始めていきましょう。
参考記事:教師でもできる副業とは?雇用形態ごとに詳しく解説

まとめ

この記事では、常勤講師を不安に思われている方に向けて、常勤講師の現状と課題、不安に思われている方がやるべきことについてご紹介しました。突然の解雇に備えて副業を視野に入れたり、転職を考えてみても良いでしょう。教員の現状や課題を把握して、最適な手段をお考えください。