主婦が正社員として働くのはきつい?パートと正社員の比較から見る主婦の安定
はじめに
家事・育児と並行して、正社員として会社に勤務するのは、とても大変なことです。今回は、正社員とパートを徹底比較します。正社員として勤務するのがきついと感じたら、パートや専業主婦という選択肢もあります。どれを選択すれば一番幸せになれるか、この記事を参考に、是非一度考えてみて下さい。
子どもを持つ主婦が選んでいるのは、正社員?パート?
出典元:子どもを持つ女性の就業率は52% 正社員率はたったの◯% 【なぜ?】 | ハフポスト (huffingtonpost.jp)
このグラフから、子どもを持つ女性の52%が仕事をしていることがわかります。さらに、仕事をしている方の雇用形態は何か、次のグラフを参考にしてください。
出典元:子どもを持つ女性の就業率は52% 正社員率はたったの◯% 【なぜ?】 | ハフポスト (huffingtonpost.jp)
このグラフから、パート・アルバイトを選択している人が、半数以上を占めていることが見てとれます。
正社員とパートの比較
正社員とパートをいくつかの項目に分けて、徹底比較してみます。どちらを選択するかの参考にしてみてください。
労働時間
労働基準法において、パートも正社員も同じ「労働者」としてよばれ、「使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。」と定められています。
その中でも正社員とは、一般的に雇用期間の取り決めがなく、会社が決めた所定労働時間の勤務をする労働者のことを指します。平日の5日間、朝から晩まで働くことを強いられるケースが多いです。それに対して会社の正規労働時間よりも短い時間で働く場合には、パートタイムの雇用形態になります。時間のみならず、勤務日数も正社員の方が多いです。
正社員の労働時間が会社によって決められるのに対して、パートの労働時間は自分自身で決められるので、自身の都合に合わせて働きやすく、比較的シフトの自由度は高めだと言えるでしょう。中には、週に3日以上はたらけばOKという仕事もあります。
給与と福利厚生
正社員の給料は、業績に応じて支払われる給料が高くなる歩合制を採用している会社もありますが、基本的に固定給で安定しています。それに対してパートの給料は、働いた時間×時給で支払われるので、安定面では正社員より劣ります。
また、企業にもよりますが、正社員には昇給や賞与のチャンスが何回かあり、長期的に比較的安定した収入を得られます。パートにボーナスが支給されることもありますが、正社員に比べると少ない場合が多いです。昇給もパートは少額であるケースが多く、大幅な給与アップは見込めません。
さらに、福利厚生においても、正社員とパートには大きな差があります。福利厚生は、「法定福利」と「法定外福利」に分けられます。
法定福利厚生は、企業が費用を分担して従業員に提供しなければならないと法律が定めているものであり、いわゆる社会保険(雇用保険、健康保険、介護保険、労災保険、厚生年金保険)と子ども・子育て拠出金が該当する。
引用元:そもそも「福利厚生」とは何か? 種類や6つのメリット、企業事例を解説 | 人事のプロを支援するHRプロ (hrpro.co.jp)
現在日本において、どの企業で働いても福利厚生が受けられるのは、従業員が受けられる福利厚生に「法定福利」と呼ばれるものがあるからです。これは、要件を満たせば、パートでも利用可能です。
それに対して「法定外福利」とは、ほとんどの会社が法定福利にプラスして提供している福利厚生を指します。これは、会社によって違います。例として、住宅手当、通勤にかかる交通費、育児支援、資格手当、家族手当、健康診断や人間ドックの受診料、退職金、企業型確定拠出年金(401k)などがあげられます。このほか、保養所の利用、スポーツクラブの利用割引、飲み物飲み放題、オフィス内のマッサージ利用、無料の社員食堂など、独自の福利厚生をもうけている会社もあります。
近年、給与と合わせて福利厚生を入社の判断基準とする人も多いようです。正社員なら会社によっては、こういった手厚い福利厚生が受けられるケースがあります。それに対して、パートのような短時間労働の場合、正社員ほど充実した福利厚生を受けられないのが現状です。
やりがい
正社員とパートでは、仕事にかかる責任が違います。パートの場合、比較的他の人でもかわりがきくような仕事を任されることが多いです。
それに対して正社員は、一つ一つの仕事に責任を負う必要があります。日々失敗するわけにはいかないという緊張感を感じながら仕事をするため、正社員の精神的負担は相当なものです。1つのプロジェクトの中で考えるなら、正社員はチームのリーダーで、パートはその一員といった関係性になります。
しかしながら、大変な苦労とプレッシャーを背負いながら仕事を遂行し、結果を残したときの達成感や喜びは何にもかえがたいものです。「やりがい」という意味では、正社員の方に軍配が上がるかもしれません。
キャリア
先に「パートの場合、比較的他の人でもかわりがきくような仕事を任されることが多い」と述べました。経験がなくても入社しやすく、同じ業務を続けていくパターンが目立ちます。
それに対して正社員の場合、キャリアアップのチャンスは常に転がっています。結果を残すことで、昇給、昇進することも可能です。会社側も、長期的に働いてくれることを前提に、正社員に対する教育支援制度、研修制度の充実をはかっているところが多くあります。キャリアアップしたい、スキルを身に着けて成長したいという人には、正社員をおすすめします。
ここまで正社員とパートを比較してきましたが、中にはパートでも正社員と全く同じ仕事内容で、責任の重い仕事を任されることがあります。同じ内容なのに、パートであるがゆえあらゆる手当が含まれず、正社員よりも給与が低くなってしまうという困った事態が生じます。
それを解決するため、「パートタイム・有期雇用労働法」が制定され、2020年4月から施行されています。働き方改革の推進に伴って、徐々に雇用形態の見直しが図られているのです。
正社員と比較したときのパートのメリット・デメリット
正社員と比較したとき、パートの一番のメリットは、時短、週4などの仕事が選べる点です。まだ子どもが小さいうちは、体調不良のため急に仕事を休まなければならないことも出てくるでしょう。
そんな時、少ない日数・短時間であれば、欠勤のリスクが減ります。病気でなくても、育児や家事と正社員との両立はハードルが高いため、子どもがある程度大きくなるまでは、パートとして働くことを選ぶ人が多いです。
また、正社員と比べて求人数自体が多く、未経験者OKの仕事が豊富である点もメリットです。そのため、社会とつながっていたいという理由で仕事を探す人にとっては、いいこと尽くしだと言えるでしょう。あるいは、今後正社員として働きたいと思っている人の入り口としても、パートはぴったりです。
逆にデメリットとしては、時給・日給制で給与が安定しないこと、また賞与・退職金がないこと、福利厚生や有給など正社員と比較すると不利を感じる場合があることなどが挙げられます。責任ある仕事を任されないことは、休みやすくストレスを感じにくい点ではメリットになり得ますが、やりがいという面ではデメリットにもなります。
仕事を辞めて専業主婦になるメリット・デメリット
専業主婦になれば、家事や育児に充てる時間をたっぷりとることが可能になります。保育園に子どもを預ける必要がなく、子どもの成長をリアルタイムで見守れるのは、大きなメリットだと言えるでしょう。仕事によって生じるストレスからも解放されることで、時間のみならず心に余裕ができ、主人の話をゆっくり聞いたり、子どもの勉強をみれるようになったという声も聞かれます。
その反面、誰からも評価されない家事・育児をルーティンワークに感じてしまう、社会との繋がりがなくなり焦りを覚える、職場での人間関係の悩みはなくなったけれどママ友との人間関係がストレスである、といったデメリットが考えられます。
【40代女性にスポット】幸せなのは、正社員かパートか専業主婦か
その答えは、もちろん人によりけりです。自分にとって一番ベストな回答は、自分の中にあります。40歳といえば、社会人ならば20年のベテラン選手です。これまでの20年をまず振り返ってみて、今までの20年は現実としてどうだったか、思いつくままに書き出してみて下さい。
次に、その中で気に入っている部分は残し、変えたい部分は変更・削除して、これからの20年はどうありたいか理想を書き出します。その時、現実的に達成できなさそうなことは省き、あくまで実現可能なことに絞ることが重要です。さらに、仕事のみを実生活から切り離して考えるのではなく、自分にとって大切なパートナーや家族とどう過ごしたいか書き入れることを忘れないでください。
迷ったり、悩んだりしたら、パートナーや家族に相談しながら書き進めると良いでしょう。その結果、専業主婦から正社員になりたいなどと大きく進路変更する場合、肉体的にもリスクは高くなるので、失敗しないよう情報収集に努めることをおすすめします。調べた結果、資格を取っておいた方が就職に有利なら、急いで職を探すより、先に資格を取る方が長い目で見るといいかもしれません。
ちなみに、一番最初に載せた円グラフによると、結果半数以上の女性が仕事をしており、その中でさらに半数以上の人がパート・アルバイトを選択しています。違うデータによると、理想の就業形態もまた、「パートタイム形態」がトップとなっています。
参考元:40・50代主婦層で最も人気が高い働き方とは? - 働き方を選ぶ - ミドルシニアマガジン | マイナビミドルシニア (mynavi-ms.jp)
その中の1人は、「家事、子育てに支障がない範囲での就業形態を希望するため」と答えています。これはあくまで参考ですが、40代女性は子育て中の主婦が多く、トータルバランスを考えたときに、正社員として働くのはきつい一方、専業主婦ではもの足りないので、パートが一番しっくりくるという意見が多いのが事実です。実際パート勤務を選択したら、どのようなスケジュールになるか、以下の記事を参考にしてください。
兼業主婦の1日のスケジュール例【スケジュール作成のコツも解説】 | マナリンクTeachers (manalink.jp)
まとめ
今回は、正社員とパートをさまざまな観点から徹底比較してみました。ご自分にとって優先順位の高いものは何なのかよく考え、どういった働き方をするのがベストか、一度立ち止まって再考されることをおすすめします。
免責事項
こちらの情報は執筆段階でのリサーチ・状況において執筆されたものであり、随時内容のメンテナンスを行っておりますが、 現時点での正確性を保証するものではございませんのでご了承いただけますと幸いです。