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【反転授業とは】学習効果UPだけではない!知られざる反転授業のメリットと失敗しないやり方
はじめに
現在のコロナ禍においてオンライン授業が推進され、オンラインと対面授業を併用する「ハイブリッド授業」において「反転授業」が注目を集めています。この記事では、反転授業とは何なのか、反転授業の学習効果や準備するもの、活用例についてご紹介します。
反転授業とは
日本の授業スタイルとしては「授業で教科書をなぞりながら知識をインプットする」→「授業でインプットした知識を自主学習(宿題)でアウトプットする」流れが一般的です。
対して反転授業は通常の流れの逆で「オンライン学習等で知識のインプット作業を自主的に行う」→「自主学習で仕入れた知識のアウトプット作業を授業で行う」流れです。
コロナ禍で急激に推進された「ハイブリッド授業」ですが、実は反転授業もハイブリッド授業のひとつとして挙げられます。ハイブリッド授業とは「対面形式」+「オンライン形式」を組み合わせた授業を指し、反転授業はハイブリッド授業の「教室代替モデル」に分類されます。
ハイブリッド授業の詳しい解説はこちら↓
【希望者が急増】今推進されているハイブリッド授業の流行に乗り遅れない個人塾運営法/マナリンクteachers
学習効果UPだけでない!反転授業の知られざるメリット
反転授業のメリット
- 個々の学習ペースに合わせられる
- 授業の時間をアウトプットする時間にできる
- 生徒と先生の負担を減らせる
- 生徒の興味やモチベーションを向上させられる
通常の授業・自主学習形式の流れを反転させた反転授業ですが、インプット→アウトプットの手法を変えることでどのようなメリットが生じるのでしょうか?学習効果やその他のメリットを見ていきましょう。
①個々の学習ペースに合わせられる
通常通り、知識のインプットを授業で行うと、それぞれの得手不得手や集中力によって取り残される生徒が出てきてしまいます。しかしインプット作業を目的として授業では生徒の理解度の確認やフィードバックまで細かに行うことは難しく、全員が授業についてこられるか的確に把握しフォローしきれない部分があります。
反転授業ではインプット作業を生徒に任せ、各々理解するまでインプット時間を自由に調節してもらい、アウトプットを教師のいる元授業を行うことで、教師が生徒それぞれの習熟度を把握し、インプット時点で理解の足りていない生徒に対して適切なフォローをできます。
②授業の時間をアウトプットする時間にできる
前述の通り、授業時間をアウトプットに充てることでさまざまな効果が見られます。実際に反転授業を取り入れている先生のインタビューでは、
反転授業を取り入れるメリットとしては、まずは授業の質をより上げることができる点ですね。基礎的な部分を映像で事前に学習しておけば、授業では演習ができます。やりとりができる授業の時間は生徒が疑問を持ちやすい演習ができる状態にしておくことで授業の質を上げられるように意識しています。
引用元:個人塾経営者だからこそオンライン家庭教師をする理由先輩インタビュー/マナリンクteachers
ただ授業で先生の話を聞いているよりも、演習を通して生徒が先生にいつでも質問できる状況を作ることによって生徒自身が思考する機会が多くなります。
また、自然と先生と生徒のコミュニケーションする機会も多くなり、教師が生徒の考えるクセや得手不得手、性格を知って学習計画やアプローチ法を臨機応変に変えられます。
③生徒と先生の負担を減らせる
また、反転授業を採用している先生は次のようにも述べています。
前職の大手塾講師時代のことですが、集団授業の場合、中途入塾の生徒さんが授業に追いつけない可能性がありましたので、途中からでも授業に追いつけるように授業映像を撮りDVDにして対策をしていました。現在の個人塾では映像授業を用いる場面はあまりないのですが、授業映像を撮り溜めておけばいつでも使うことができるので、指導における「財産」のようなイメージですね。
引用元:個人塾経営者だからこそオンライン家庭教師をする理由先輩インタビュー/マナリンクteachers
インプット中心の授業の場合、特に集団指導の学校・塾等では途中で転校・入塾した生徒が追いつけない可能性があります。インプットできない以上アウトプットもできず、宿題ではフォローしきれないため個別にインプットの機会(授業)を設ける必要が出てきます。
反転授業の場合は生徒自らが自分のペースでインプットできるため、先生のフォローの手間をかけることなく授業に追いつけるようになるのです。
また、通常授業では知識インプットのためのテキストや資料を多く活用し、授業の組み立てのための準備に時間がかかりますが、反転授業においては生徒が主体となり先生がフォローする形になるため授業準備の負担が軽減される傾向にあります。
④生徒の興味やモチベーションを向上させられる
それから子どもたちは映像に興味を持ちやすく、映像を見ることで集中して学習している様子を確認できたのでそういった面でも良さを感じています。
引用元:個人塾経営者だからこそオンライン家庭教師をする理由先輩インタビュー/マナリンクteachers
実際に通常授業を行う際にも生徒の興味を引いたり授業にメリハリをつけるため映像を用いることは多くありますが、反転授業のインプットを映像を活用することで生徒の集中力を持続できます。また、アウトプット授業も先生が生徒に細かくフィードバックしながら褒めることにより生徒自身が自分の実力を知ってモチベーションを向上させられるのです。
反転授業のデメリットとは
良いところばかりなような反転授業ですが、通常授業と比較したデメリットは以下の通りです。
- 生徒側の設備環境を整える必要がある
- 負担に感じる生徒もいる
- 生徒の学習意欲に依存する
- 保護者によるサポートが必要になる
①生徒側の設備環境を整える必要がある
特に動画等を使ってオンラインでのインプットを行う場合、生徒の自宅にPCやタブレット、十分な通信環境が整えられている前提になります。PCやタブレットは高額な場合は多く、初期投資がかさんでしまうため、生徒全員の設備環境を整えられない場合は反転授業に向きません。
②負担に感じる生徒もいる
通常の公立学校授業とは違う手順を踏むことになるため、慣れていない生徒には負担に感じます。十分な時間を確保しないと知識のインプットができないため、忙しく時間が取れなかった生徒はそもそも授業に来ても無意味な時間を過ごすことになりかねません。
③生徒の学習意欲に依存する
反転授業は性質上「予習が必須」なので、学習意欲の低い生徒はそもそも取り組まない可能性が考えられます。継続して予習時間を取りある程度内容をインプットできていないとアウトプットの授業が成り立たず、予習してきた生徒が損に感じてしまったり、予習して来ない生徒のフォローで授業が進まなくなりかねません。
④保護者によるサポートが必要になる
先生だけの力では反転授業が成り立たないこともネックです。反転授業のための設備投資や自宅における予習の呼びかけ等、ある程度保護者の力添えも大切になってきます。
反転授業に必要なもの
反転授業に必要な道具・環境を先生側・生徒側に分けて解説していきます。
①先生側
- 撮影のためのカメラ(スマホ、パソコンでも機種によっては可能)
- ホワイトボードや書画カメラなど解説のために必要なもの
- 動画編集用のパソコン
- 必要な場合は録画用のDVD
②生徒側
- 動画を視聴できるデバイス(スマホ・タブレット・パソコン)
- 通信環境
- 家庭の学習環境に応じてイヤホンやヘッドホン
【失敗しない】反転授業の導入方法
反転授業を導入する際、以下のことを意識しましょう。
- 動画の平均時間は5分に
- 質の高い動画を作る
- 生徒に反転授業のおける予習の重要性を理解してもらう
- 予習にかかる時間をあらかじめ伝えておく
- 確認問題を用意しておく
①動画の平均時間は5分に
予習の動画時間があまりにも長すぎると、生徒は飽きてしまい集中できないばかりか、予習すらしなくなってしまう可能性も考えられます。特に反転授業における予習は動画→生徒への一方通行な上単調になってしまいがちなので、予習用の動画は5分で終わらせるよう試行錯誤しましょう。
参考例として、宝仙学園が取り入れた反転授業の動画モデルが挙げられます。生徒が動画予習に集中できないことを防ぐため、動画は教師の手元のみを映して動画内における余計な情報を入れず生徒の気が散るのを防止し、5分以内の動画にすることで生徒の予習実施率100%を達成しています。
参考元:日本初事例「ZOOM 授業と『ハイブリッド手元動画』を使ったオンライン反転授業」/PR TIMES
②質の高い動画を作る
冗長な動画にならないよう、密度の高い動画を作るよう心がけましょう。前述の通り、動画時間はなるべく短い方が効果が上がります。短い動画内にどれだけの情報を詰め込めるかで、生徒の理解度や授業におけるフィードバックのしやすさも変わってきます。
③生徒に反転授業のおける予習の重要性を理解してもらう
そもそも予習がないと反転学習は成り立ちません。自宅学習の重要性が通常授業よりも高いため、生徒の協力が必要不可欠になります。
事前に生徒・保護者それぞれに予習の重要性を説き、必要に応じて保護者にも呼びかけしてもらうようにしましょう。
④予習にかかる時間をあらかじめ伝えておく
予習の時間をなるべく短くすると同時に、予め予習にかかるおおよその時間を生徒に伝えておきましょう。生徒が習い事や部活動等で忙しい場合、事前に予習時間を伝えることで学習の予定が立てやすいです。確実に予習してもらうための工夫をしましょう。
⑤確認問題を用意しておく
動画でのインプットが確実に行われているか生徒自身が把握するために、確認問題と併せて予習を行わせるようにしましょう。継続した動画視聴は飽きやすく、流し見をしてしまったり視聴中に寝てしまった場合は知識のインプットが正確に行われません。確認問題を設けることで取りこぼした単元の動画を見直す機会も設けられ、より確実な知識の定着を図れます。実際に確認問題と併用した実験において、予習実施率は95.8%でした。
参考元:反転授業における予習率と予習の質を高めるための実践報告/橋本拓郎, ハーバード大学
集団指導における具体例
集団授業においては生徒の予習率を100%に近づけることが大切です。予習をして来ない生徒がいるだけでアウトプット授業に遅れが出てしまう可能性があります。予習のしやすさを意識した動画作りや、保護者への呼びかけを積極的に行いましょう。集団授業における反転授業のモデルとして宝仙学園が挙げられるため、下記を参考に予習実施率を意識した動画作りを意識してください。
参考元:日本初事例「ZOOM 授業と『ハイブリッド手元動画』を使ったオンライン反転授業」/PR TIMES
個別指導における具体例
個別指導においてはアウトプット授業をより密になるように意識しましょう。集団授業の場合は授業時間が限られているためどうしてもケアしきれない部分が出てきてしまいます。個別指導は授業時間を全て一人のために使えるため、予習内容よりも踏み込んだ知識や応用的な演習を増やし、実践レベルを上げていきましょう。
反転授業と相性が良いオンライン家庭教師の働き方
上記までの内容から、反転授業はオンラインを使用した授業方式と相性が良いです。生徒のやる気やモチベーションを保つ工夫をすることで高い学習効果が期待できます。手元動画で予習実施率100%を達成した宝仙学園の例及び実績からも、オンライン授業との親和性の高さが窺えます。
参考元:日本初事例「ZOOM 授業と『ハイブリッド手元動画』を使ったオンライン反転授業」/PR TIMES
オンライン授業時間が限られているなかで、授業内容をより学びのあるものにするために生徒に事前に基礎部分を学習してもらい授業では先生がいなければできないことを進めていくことが、限られた時間の中で効率よく理解していく方法です。
しかしながら学校や塾といった組織に所属している場合、自分だけがオンラインを使った反転授業を取り入れるのには難しい部分があります。オンライン授業を簡単に活用できる仕事として、オンライン家庭教師が挙げられます。
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