心の在り方で勉強姿勢を変える!脱落組だった先生が教える”学びの面白さ”
化学講師の山口先生にインタビュー!勉強嫌いだった先生が今オンライン家庭教師として指導を行う理由をお伺いしました。
まずは自己紹介をお願いします!
初めまして!
マナリンク講師の山口と申します。
普段は工学系の大学で、非常勤講師として化学を教えています。
学生時代のアルバイトから始めた家庭教師がきっかけでこの仕事の面白さに魅了され、その後もプロ家庭教師としてやっています。大好きな仕事の一つです。
大学では多くの学生に対して教えるわけですから、どの学生がどこまで理解出来ているのか?を正確に把握することはなかなか難しいですが、家庭教師ではとことん分かるまで向き合えるので、「学生はどういう点に躓きやすいのか」がよく分かり、大学の講義に対しても参考になります。
また、大学で生き生きとキャンパスライフを楽しんでいる学生と対峙することは、まさに今、大学入学を目指して頑張っている生徒さんや、引きこもり等で「楽しい毎日」とは言い難い日々を過ごしている生徒さんに対して「力になりたい!」という気持ちを強くすることに繋がっています。
私は、子ども達の「がんばる姿」が大好きです。
それは、誰から見ても分かるような、れっきとした「がんばり」でなくても、本人の心の中にある「勉強やだなー…」という気持ちに少しばかり打ち勝って、何とか勉強に向き合うような、一見するとそれほど頑張っていないようにすら見えてしまう小さなものであっても構いません。
本人の中では大きな葛藤があり、子どもなりに頑張って闘っている、そうした姿をしっかりと拾い上げ、褒めてあげたいし、励ましたいし、一緒に頑張りたい、こうした思いが私のベースになっています。
私自身は、高校時代に勉強脱落組になった経験があります。
中学時代は学年トップ組に入っていたものの、少し分からないが放置されると、分からないの連鎖が始まり、気がつけば脱落、すっかり勉強も嫌いになってしまっていました。しかも、「化学の道で生きる」と決めて工学系の高校を選んだのに、その化学が嫌いになったのですから、「今更、文系には行けないし…」と頭を悩ませました。とは言え、やはり工学系の人間は大学には行っておかないと…ということで、とりあえず大学へ。学ぶ楽しさに再び気がつき始めたのは、研究生活に入ってからです。
研究生活の中で学ぶものは単なる「勉強」ではなく、すぐに研究に反映される「有益な知識」です。
”知識を身につけることが、こんなにも役に立つんだ。これは身につけないと、絶対に損だ!”
そこからは必要に迫られて、ほぼ独学で一から化学を学び直しました。
「あ~、これって何か授業でやった気がするな~」
と思うものも多々ありました。
学び直して、化学が分かるようになって、化学の楽しさにも気がつけて…そこで思ったことは、「あの時、こんな風に簡単に理解出来るように教えてくれていたら、私も落ちこぼれないで済んだかもしれないなー…。」ということ。
もちろん、あの時の先生に文句があるわけではありませんが(先生も普通に教えて下さっていました)、でもきっと、もっともっと分かりやすい教え方や、学生が面白いと感じられるような教え方って、絶対ある!と思いました。
私が分かるようになったのですから、皆だって絶対に分かるはずです。
でも教え方一つで、子ども達は良い方にも悪い方にも転がります。
「一人でも多くの子ども達を、良い方に転がせるような先生になりたい」
その為に、分かりやすい教え方をすることだけでなく、心に寄り添うことを大切としています。なぜなら、心の在り方は、勉強に向き合う姿勢に良くも悪くも影響を与えるからです。
オンライン家庭教師を始めようと思ったきっかけを教えてください!
COVID-19の大流行で、大学の講義が一斉にオンラインへと切り替わった時期がありました。
それまでオンラインで授業なんてやったことがなかったんですが、「如何にオンラインでも対面と変わらないレベルで教えるか?」ということを一番の課題として試行錯誤しながらこなすうちに、オンライン授業のスキルもある程度は身につきました。丁度その頃、以前受け持っていたご家庭から家庭教師のご依頼を頂いたのが、オンライン家庭教師を始めたきっかけです。
オンライン家庭教師のメリットや始めて良かったことはありますか?
やはりエリアを限定することなく、市・県・国に縛られることなく多くの生徒さんと繋がれることです。
教えるのが上手な先生は多くいらっしゃいますが、生徒さんにとっては、そうした先生に巡り合えるかどうかは重要なポイントです。オンライン家庭教師でしたら、その機会が多くなりますので、これは大きなメリットだと思います。
また、通勤時間を丸ごと割愛出来るのは、先生にとっての大きなメリットです。
対面では往復で2時間以上の通勤時間を要することもありますが、その時間を他の生徒さんとの勉強時間に割くことが出来ますので嬉しいです。それから、先生がご家庭に訪問する場合、どうしてもご家庭の方にもお気遣いさせてしまう面があると思いますが、そのご負担を減らせることもホッとする部分ではあります。
オンライン指導をする上で工夫されている点や気を付けている点などを教えてください!
指導自体は、機材を駆使すれば幾らでも便利に教えることが出来るのですが、”隣にいないと分からないこと”があると思います。
例えば、「あれ?今日は少し疲れているかな?」とか、「あまり集中出来ていない感じかも?」というような、いわば”雰囲気”のようなものですね。私は、その時の生徒さんの様子に応じて、勉強のスピードや難易度に緩急をつけて教えるようにしているので、雰囲気を感じとるのを大切にしているのですが、画面を通すと分かりにくい部分でもあります。ですから、顔の表情だけでなく、声のトーンや応答の様子、しぐさ等、なるべく多くの情報を画面からキャッチするように気を付けています。
印象に残っている生徒さんとのエピソードを教えてください!
私は不登校の生徒さんとの付き合いが多いので、印象に残っている生徒さんは大勢います。
中学・高校時代を完全に引きこもったまま過ごし、それでも一念発起で大学受験を目指した生徒さん、中学受験を軽くこなし、有名私立校に入ったものの、勉強が簡単すぎて行く気を失い、登校拒否をしている生徒さんなど、印象深い生徒さんが多いのですが、特にターニングポイントとなった二人について、ご紹介させて下さい。
一人目は、私が家庭教師を始めてすぐの、私自身がまだ学生だった頃に受け持った中学生の女の子です。
私にとっては三人目の生徒さんだったのですが、反抗期真っ盛りでご両親は取り付く島もない…という状況でした。学校が少し荒れていたことから(昔で言う、「ヤンキー」が多い学校…と言えば様子が分かるかと思います)、本人もややそういう感じになり始めている頃で、勉強もあまりしないので成績も悪く、かと言ってご両親から注意しようにも反抗期で…という様子。手に余り、困って家庭教師を依頼したようでした。
体験授業でご訪問した日、チャイムを鳴らして玄関ドアの前で待っていると、中から「何で勝手に頼むんだよ!」と本人の怒鳴り声&階段を駆け上がる足音に続き、部屋のドアが「バーン!!」と閉められる音が…。とにかく穏やかでない状況だけは分かりましたので、まだ経験が少ない私は「…えぇ??」とビビりました。
ご両親から「とにかく本人の部屋へ」と促され、私一人でお部屋へ行きましたが、ドアをノックして「入るねー」と開けると同時に、教科書がブーン!!と目の前を飛んでいく始末。勝手に家庭教師なんかつけて怒っているわけですから、授業の導入でよくするような何気ない会話、なんてものも出来ません。「これは、最初から真っ向勝負で当たるしかない!」と腹を括り、初っ端から、「人は何故勉強するのか?」とか、「これからの人生をどう考えているのか?」等の道徳のような内容の話をしました。そんな風に向き合っているうちに、あんなに反抗的だった彼女が、数回後にはすっかり心を開いてくれるようになりまして…本当は、笑顔が可愛くて、気持ちの優しい素直な女の子でした。ビビりながらお伺いしていた私の心には、「子どもって、きっとどんな子でもこんなに可愛いんだ!」と大きな喜びが生まれ、一気に家庭教師という仕事の奥深さにハマることになりました。
二人目は、もうプロとして家庭教師をやっていた頃に出会った、中学生の男の子です。
4年間イギリスに行っていまして、帰国して間もなくでした。日本の私立中学校に入ったのですが、英語は問題ないものの他の教科がさっぱり。しかもプロ家庭教師が交代に次ぐ交代。実は彼、障害を抱えているようで、お母様は精神科でのチェックを受けさせたいと思っているのですが、お父様が認めず、という状況でした。お父様はご自身が精神科医でいらっしゃいまして、お母様が相談されても「まさか俺の子がそんなわけない!」の否定一点張りだったようです。お母様も悩んでおられました。
彼自身は、普段は数学の計算も問題無く出来ますが、症状が出てくると「2+3=」も出来ないレベルになります。勉強を教えても教えても、一進一退を繰り返す。そんな状況に、これまで受け持った先生は苛つきから叩いてしまうことがあったそうです。こうした背景から、先生に対する恐怖心や猜疑心を抱えてしまい、先生が何人も交代する事態になっていました。私は、こうした彼の不安定な現状に対応することが最重要と考えました。
彼は不安定になってくると、現実とは異なる別の世界が目の前に広がるようで、大変流ちょうな英語で誰かと会話を始めることも度々でしたし、「自分を連れ去る誰か」が家に入ってきた!と部屋の中に隠れて(私も一緒に隠れさせられました)やり過ごす、という時もありました。しばらくその状況に付き合ってから、「〇〇君、そろそろ大丈夫?」と声かけすると、スッと現実に戻る、というパターンが見出されてからは、現実に戻っている合間に勉強するようにしました。
こうした試行錯誤の末、何とか勉強出来るようになりましたが、彼との付き合いは、「障害を抱えている子や困っている子の助けになりたい!」という思いを強くするきっかけになりました。
これから先取り組みたいこと、挑戦したいことなどはありますか?
目新しいことではないのですが、不登校の生徒さんともっと多く繋がりたいと思っています。
不登校な時期があっても、そのまま低迷した人生を送るのではなく、幾らでも返り咲ける時代です。
オンライン家庭教師は、その浮上のきっかけになれると思っています。他人と直接会うのがストレスに感じるようなお子さんでも、オンラインでしたら少しだけ気が楽なこともあるでしょう。
全ての子ども達に、のびのびと、笑顔で過ごす権利があります。でも不登校になっているお子さんは、多くの困りごとを抱え、悩んでいます。一人でも多くの、困っているお子さん・ご家庭に寄り添い、好転への足掛かりになることが私の目標です。
マナリンクへのご感想やご意見などがあれば教えてください!
オンラインのプロ家庭教師として登録できる企業は幾つもありますが、マナリンクさんは特に自由度が高いと感じています。企業側から先生を紹介されるスタイルではなく、生徒さん側が自主的に先生を探せる自由、先生が積極的に情報を発信することで、先生の個性を伝える自由があります。先生がコースを決めて提案していくスタイルは、他の企業ではあまり見ないやり方で、これも面白味を感じます。こうした独自のやり方で、生徒さんと先生の幅広い繋がりを築いていけると期待していますし、私も”個性的な先生たち”の仲間入りが出来るよう、尽力していきたいです。
最後にオンライン家庭教師を始めようと検討している方へメッセージやアドバイスがあればお願いします!
100人いれば100通りの個性がありますが、先生も然り。100通りの個性的な先生がいるはずです。訪問スタイルの家庭教師ではどうしても出会いの場が限られますが、オンラインでは制限なし!です。先生の個性がヒットする生徒さんと出会う機会はオンラインの方が格段に多いと思います。きっと待っている生徒さんがいますから、是非スタートしてみて欲しいです!
山口先生
https://manalink.jp/teacher/13496
【学歴】
1997年3月 国立 長岡工業高等専門学校 工業化学化 卒業
1997年4月 国立 新潟大学 工学部 機能材料工学科 編入学
1999年3月 国立 新潟大学 工学部 機能材料工学科 卒業
1999年4月 国立 新潟大学大学院 自然科学研究科 博士前期課程 生産システム専攻 入学
1999年10月 マグデブルグ大学(ドイツ)工学部物理化学科 交換留学
2000年1月 マグデブルグ大学(ドイツ)工学部物理化学科 交換留学終了
2001年3月 国立 新潟大学大学院 自然科学研究科 博士前期課程 生産システム専攻 修了
2001年4月 国立 新潟大学大学院 自然科学研究科 博士後期課程 材料生産開発科学専攻 入学
2004年3月 国立 新潟大学大学院 自然科学研究科 博士後期課程 材料生産開発科学専攻 修了(工学博士号取得)
【職歴】
2004年4月 独立行政法人 放射線医学総合研究所 放射線安全研究センター入所
2007年4月~2008年11月 同研究所 緊急被ばく医療研究センターへ転属 定年制常勤研究員
2009年4月 芝浦工業大学 工学部 特別任用講師(化学)
2014年4月 芝浦工業大学 工学部 非常勤講師(化学)
2023年4月 神奈川工科大学 工学部 非常勤講師(化学)
【指導年数】
アマチュアとして・・・8年間
プロとして・・・12年間
【合格実績】
・北海道大学 1名
・北里大学 1名
・東京理科大学 2名
・東京医科歯科大学 2名
・東京女子医科大学 1名
・日本歯科大学 1名
・昭和大学 1名
・国士舘大学 1名
・東京都立大学 1名
・帝京平成大学 1名 等
免責事項
こちらの情報は執筆段階でのリサーチ・状況において執筆されたものであり、随時内容のメンテナンスを行っておりますが、 現時点での正確性を保証するものではございませんのでご了承いただけますと幸いです。