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【学力1位2位を争う】IT先進国シンガポールの教育から日本が取り入れるべきこと

2021/7/19
【学力1位2位を争う】IT先進国シンガポールの教育から日本が取り入れるべきこと

はじめに

3年に1回世界各国で実施されているPISA(国際学力調査)において、シンガポールがトップクラスの成績であることが話題になり、近年ますますシンガポール教育への関心が高まりつつあります。この記事では、シンガポール教育システムや学力の秘密、シンガポールが力を入れているICT教育についてご紹介していきます。

【1位2位を争う】PISA上位のシンガポール






出典:OECD生徒の学習到達度調査(PISA)/国立教育政策研究所

シンガポールや中国をはじめとしたPISA上位の国々はOECDに加盟していないため、あくまでOECDの平均点は参考程度になってしまいますが、それでもOECDでは上位にランクインする日本と比較しても圧倒的な結果を残しています。

2015年の結果においてはPISAを受けた各国の中でも平均点1位、最新の2018年のPISAでも2位を記録し世界の中でも有数の教育国です。
OECD加盟国の中では日本がたびたび1位をマークする理系分野(数学的リテラシー・科学的リテラシー)においても、シンガポールの方が好成績であり、シンガポールの教育は日本だけでなく世界から注目を浴びています。

【最大の特徴】12歳で人生が決まるテストがくる

シンガポールにおいて子どもの進路を左右するPSLEテストとは?シンガポールの小学生が、小学校を卒業する際に受験する全国統一テスト(通称PSLE:Primary School Leaving Examination)のこと。
1960年から始まった、小学校卒業後の進路が決まる。
受験科目:第二言語・数学・英語・理科

シンガポールをはじめとした近年のPISA上位国である中国にも共通して言えるのが「超学歴社会」ということです。世界的に見れば日本も学歴社会と言える側面もありますが、経済成長著しい中国やシンガポールにおいては教育への関心が高いです。

学歴競争社会を勝ち抜くために国だけではなく家庭単位で勉強に打ち込みハイレベルな学校に入学する傾向が日本よりも高いと言えるでしょう。

シンガポールにおいては、子どもが学歴競争社会に身を投じる第一歩として小学校卒業における「PSLE」という関門を突破する必要があります。PSLEは日本で言うところの大学入学共通テスト(旧称:大学入試センター試験)の中学受験版のようなもので、全員受験するものです。ポイント制になっており、得点に応じて進学する中学校のランクが決まります。

参考元:【5分で徹底解説】学歴重視社会のシンガポールでの第一ステップ、"PSLE"とは?/REERACOEN

上記の図でわかる通り、シンガポールではPSLEで児童のレベルを振り分け、相応の学校に入学できる仕組みになっています。不合格ラインも設けられているため、基準点に満たなかった児童は小学校を留年することとなり、再受験する必要があります。

Expressクラスは4年で修了できるほか、大学入試のGCE-O試験(共通テスト)が免除されるという特典があり、良いで大学を狙うためには小学校のときから時間をかけてPSLEテスト対策をするこちが重要です。

ハイクラスな大学に進学することを目的に、シンガポールでは早期から学力の競争が始まっているため、PISAでも好成績を残す一因になっています。

PSLEの結果が悪かったら挽回できるのか

PSLEが不合格だった場合は再度受験するチャンスは訪れますが、結果が悪く特別教育校やNormalクラスに進学した場合、シンガポールのエリートコースに浮上するのは非常に困難だと言われています。そのため、小学生の段階でいかにPSLE対策に力を入れられるかが、将来エリートになるためのカギになってくるのです。

シンガポールの進学システムでは、大学受験資格がある生徒は、セカンダリー卒業時点で、全国レベルで、トップから35%までの成績の生徒のみです。
あとは、全て、大学受験すらもできません。そのステージに立てないのです。
(中略)
PSLEの結果は、将来的に、大学受験資格が手に入るか?入らないか?の目安になるのです。

引用元:シンガポールから発信、Bibakoのブログ/Bibako

PSLEの結果によって大学受験できる資格すら危うくなってしまう点において、日本の教育システムとの違いを感じさせられます。もちろん、シンガポールの教育システムにおいてPSLEだけが子どもの将来を決める絶対的なもの、とまで断言するほど、子どもの人生全てがPSLEで決まってしまうわけではありません。

しかし、日本の教育・進学システムと比較すると、小学校・中学・高校と第一志望に行けなかったとしてもいくらでも挽回できる点でシンガポールの教育との差が大きいです。

中国教育との共通点

シンガポール教育と中国教育の共通点

  • 早い段階で将来が決まる
  • 家庭の格差が教育へ影響しやすい
  • 勉強に向いてない子どもは職業訓練に特化させる


シンガポール教育は、2018年PISA全分野で1位に輝いた中国教育と多数の共通点があります。

  • 早い段階で将来が決まる

中国にはPSLEのような早期の共通テストがあるわけではありません。しかし、一人っ子政策によって教育にお金をかけてもらいエリートになった世代やその子どもたちが超学歴社会での競争を生き残るために多額のお金を幼稚園の段階からエリートコースになるために多額の教育費をかけて熱心に勉強しています。もちろんその分子どもへのプレッシャーも多く、緊張感を持って勉強に取り組んでいるわけです。

  • 家庭の格差が教育へ影響しやすい

中国の富裕層は我が子をエリートにするために多額の教育費を惜しみませんが、シンガポールにも同じことが言えます。シンガポールでは幼稚園就園前に既に受験戦争のための競争が始まっており、エリートコースからはみ出さないように教育資金を投じます。

PSLEも2年以上前から対策するため、サポートにお金をかけてExpressクラスに入学させようと必死です。各家庭がどれだけ教育費をかけられるかという点において、中国教育と似通っていると言えます。

  • 勉強に向いてない子どもは職業訓練に特化させる

中国では高校から、進学に特化した普通高校以外の職業訓練型の産業高校がたくさんあります。進学を志さない子どもは将来即戦力になるよう、ITや機械などの専門科目に特化して就職を目指すシステムです。

シンガポールでは大学進学しない場合の進学先のひとつとして、ITE(技能教育学院)に進学します。自動車関連、機械、調理の3つのコースから自分の興味のあるものを選び、6年かけて修了します。大学よりも長い時間をかけることによって専門に特化し、就職できるようなシステムです。中学校を卒業したおよそ25%の学生がITEへと進学します。
参考元:アジア視察報告<8> /川崎市

また、シンガポールの場合はPSLEの結果次第でNormalクラスのTechnicalコースに進学した場合は専門技術を学びます。日本では中学校は義務教育なので、生徒は学習指導要領に沿って一律の教育を受けますが、シンガポールにおいて中学校は義務教育ではなく、このNormal(T)コースに進学した子どもは進学することなく就職することになります。
参考元:シンガポールの教育制度と教育レベルについて/ヒューマンアカデミーこども教育総合研究所

このように、日本とは違って中国・シンガポールでは勉強に向いていない・進学を希望しない子どもに対しては就職に特化させ、個々の特性を活かして国に貢献するような教育を施しています。また、進学・就職特化の学校に分ける教育システムは中学・シンガポールに限った話ではなく、過去PISAで好成績を出しているフィンランドも同じです。

【参考】
フィンランド教育の特徴とは?世界一といわれる理由からデメリットまで解説/マナリンクTeachers

教育のデジタル化が進むIT先進国シンガポール


ICT教育とは?
ICT(Information and Communication Technology)は「情報伝達技術」を指す。
ICT教育は現在日本の文部科学省も推進しており、今後の教育の課題にもなっている。
ICT教育の詳細についてはこちらの記事をご覧ください:【今さら聞けない】3分でICT教育を導入できるようになる完全マニュアルとそのメリット


シンガポールでは都市国家として人が資源という考えを重要視しており、次世代の人材育成は常に国家の重要事項として最新の教育システムを導入しています。

日本において最近注目され始めた「ICT教育」も、シンガポールが早くから目を付け導入していた最新鋭の教育のひとつです。機械操作などの技術的側面だけではなく、ICTにおける重要な「コミュニケーション(伝達)」を重視して小学生のころからMS PowerPointを活用してプレゼンテーションや議論をするなど、ますます力を入れています。
【参考】
【先生向け】教育の情報化でなにが変わっているのか?/マナリンクTeachers

ICT教育の特徴:フューチャースクール@シンガポールとは

  • フューチャースクール@シンガポールとは?
  • ICT教育をより効果的・実践的なものにするための教育政策の一環で、学校をフューチャースクールとして指定し、より先進的なICT教育を行う。


【フューチャースクール】
小学校:1人1台コンピューター、低学年にはタブレットPCの使用。
中学校:1人1台MacBookを入学時に購入し、ほとんどの教科で教材として活用。


日本でもプログラミングの授業や技術科目で基本的なPC操作を学びますが、まだまだシンガポールの比ではありません。シンガポールにおいてはよりICT教育に特化した「フューチャースクール@シンガポール」に学校を指定することで、ITの授業だけではなく常にITに触れる環境を用意しています。

シンガポールにはエドテック(教育+テクノロジー)企業も多く、ICT教育が進む大きな要因でもあります。

シンガポールから学べること


日本のIT技術や家庭単位の教育の関心という点では、シンガポールに劣っていません。しかし、シンガポールの極端とも言える教育・進学システムやICT教育に関しては、日本が導入するとなるとコストや整備面で課題が多く、家庭ではどうしようもないです。

学校現場におけるデジタル教科書の完全な普及については、まだ課題が多いと思います。
紙媒体と違い、デジタル教科書は有料です。教師用と生徒用それぞれ費用がかかりますし、学校の通信環境を整えなければ快適には使えないと思いました。全国の学校への導入は相当な予算が必要です。

引用:教員から転職!経験やスキルを活かし新天地で縛られない自由な働き方を実現!/マナリンクTeachers

シンガポールの先進的な教育を見習うには、まずは国がICT教育導入にどれだけ力を入れられるかが鍵となります。家庭単位でもICTを意識し、タブレットやPCを使った遊びやツールに触れることが、将来に結びついていくでしょう。

まとめ

シンガポールの教育の特徴として「小学校卒業時に人生を左右する試験」「学歴競争社会」「最先端のICT教育」が挙げられました。国や家庭がそれぞれ教育に対して潤沢な資金を投じ、その結果早期から良質な教育を受けることができ、PISAの成績にも繋がっています。

オンライン家庭教師マナリンクでは、ITを活用した授業や反転授業等、さまざまな指導形式で授業を行えます。今後もマナリンクTeachersでさまざまな指導法を紹介していくので、是非チェックしてみてくださいね。

【各国の教育の特徴を紹介!】
フィンランド教育の特徴とは?世界一といわれる理由からデメリットまで解説/マナリンクTeachers
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