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ポスドクはつらいを解決!専門分野ではじめるキャリア形成

2021/11/1
ポスドクはつらいを解決!専門分野ではじめるキャリア形成

はじめに


ポストドクター(ポスドク)とは、博士課程修了後に期限付きで研究員として雇用契約を結び大学に残る人を指します。ポストが空けばそのまま准教授、教授へとキャリアアップできますが、近年では運悪くポストが空かず、ポスドクとして大学に残り続ける人も増えてきています。

大学教員の終身雇用枠は絞られつつあり、ポスドクや特任助教などの期限付きのまま不安を抱える人が増え、問題視されるようになっています。この記事では、つらいと言われてしまうポスドクのキャリアアップについてや転職事情についてご紹介します。

ポスドクの立場


出典:ポストドクター等の雇用・進路に関する調査/文部科学省 科学技術・学術政策局 人材政策課

上記のグラフを見てもわかる通り、ポスドクの任期として6割超を占めているのが「2年未満」、そして「任期1年」だけでも半数以上を占めています。多くのポスドクが短い任期で働いていることがわかる数値です。

ポスドクが准教授や教授へとキャリアアップするには、研究員として研究分野にて何かしらの成果を上げたり、研究室を独立させしっかりと運営できることを示す必要があります。しかし研究員としての実績が十分だとしても、ポストが空いていないとなかなか難しく、実力だけで正規の教員になれるとは限りません

契約延長があるにしろ、いつ契約を切られるかわからない不安のなか、空くかわからないポストに向けて研究を続ける必要があるのです。以上より、ポスドクがつらいと言われる理由がわかります。

任期付きの大学教員に転職しても不安定

もし仮にポスドクの転職先として特任助教等任期付きの大学教員に転職したとしても、多くの場合は福利厚生の点で正規職員に劣ってしまいます。任期付きの大学教員の場合でもポスドクと扱いはほぼ同じです。ポスドクが待遇・収入を安定させるには、やはり任期のないポストを狙う必要があります。

【参考】ポスドクの勤務実態
ポスドクの雇用形態は大きく分けて2つあり、パートタイムとフルタイムに分かれます。パートタイムの場合は時給ではなく1コマあたりの単価で給与計算され、社会保険等は適用されません。公立学校の非常勤講師と同じような扱いになり、複数校掛け持ちするケースも多く見られます。掛け持ちする学校にもよりますが、平均年収は100~300万円ほどです。

一方フルタイムのポスドクの場合は社会保険もあります。任期に限りがあることは変わりませんが、フルタイムの雇用であれば年収400~600万円が可能です。しかし、フルタイムポスドクにも任期があり、期間内に大学の正規職員のポストが空くとは限らず、不安定であることは変わりません。
参考元:ポスドク問題とは?仕事内容や給与・課題/アカリク

【参考】ポスドク社会保険適用の割合

参考元:ポスドク問題とは?仕事内容や給与・課題/アカリク

以上のグラフより、ポスドクの3割超が社会保険を受けられていないことがわかります。社会保険が適用されない場合、国民年金や国民健康保険を自ら負担しなければならず、月々あたりの出費がかさんでしまいます。

社会保険が適用されない収入ということは、生活のためにはポスドク以外での収入源がないと心もとなく、仕事を掛け持ちして生活費や国民年金・国民健康保険を支払うことになります。大学院を出ても、安定した収入が得られているとは言えません。

ポスドクが正規雇用される見込みは低い


出典:ポストドクター等の雇用・進路に関する調査/文部科学省 科学技術・学術政策局 人材政策課

では、ポスドクはどれくらいの人がポスドク以外の教員としてキャリアアップできるのでしょうか?上記グラフは2018年のポスドクの進路をまとめたものです。7割超の人がポスドクを継続し、教員(ポスト不明)になれたのは1割弱という結果でした。ほとんどの人がポスドクを継続することを考えると、やはり優秀であるだけでは教員になれないことがわかります。また、ポスドクの数に対して教員のポストがいかに少ないかも見えてきます

少ない席を狙ってポスドクを継続するには、研究へのモチベーションや大学内でのコネクションも必要になります。いつまで経っても教員になれず、研究の熱が冷めてしまって大学を離れる人も少なくない、というのがポスドクの現状です。

ポスドクから准教授や教授になれた割合


出典:ポストドクター等の雇用・進路に関する調査/文部科学省 科学技術・学術政策局 人材政策課

上記グラフの正規職員とは教員に限ってはいませんが、この図から見てもポスドクは一番学歴が高いにもかかわらず、正規職員への移行率が顕著に低いです。教員を目指す場合は学歴が高いことにこしたことはなく、博士号を持っている点で有利ですが、他の職と違って大学教員自体がコンスタントにポストが空いて募集がかけられるポジションではないため、上記グラフのような結果になっていると推測されます。

転職する場合の注意点


出典:ポストドクターの正規職への移行に関する研究ー報告文全文(文部科学省)

前述のポスドクの進路と比較すると、他大学機関に移動する場合の方が大学教員になっているポスドクが多いことが上記グラフからわかります。しかし、他機関に移動・転職をしたとしても依然ポスドクのままという割合も多く、教員ではない研究職の方が正規職員になっている人が多いです。

出典:ポストドクター等の雇用・進路に関する調査/文部科学省 科学技術・学術政策局 人材政策課

ポスドクが研究職以外に転職する場合、大学以外の教育職・知識を要する職・その他に大きく分かれます。割合的にはその他の職が多く、大学院・ポスドク時代とは関係のない職種に就いている人が多いです。頑張っても芽が出ない・教員のポストが空かずに全く別の進路に進む人が3割以上いるという、ポスドクのつらい現実を表しています。

医学・薬学系の博士号を持っている人は医師として活躍できるため、転職後の収入がある程度安定することは見込めますが、研究している分野によっては潰しが利かない・就職先がないということも起こりえるため、大学以外の教員や塾・予備校講師に転職する人も多いです。

ポスドクからの転職を考える際、まずは博士号を活かせる(または博士号が有利に働く)職を考え、転職先がない場合は大学以外の教員職を検討すると良いでしょう。転職後も研究職のキャリアを見据える場合は非正規職員になるのも手ですが、できるだけ正規職員として雇用されるよう入念なリサーチが必要です。

【参考】ポスドク・大学教員の転職に関する記事はこちら↓
研究職から異業種への転職を成功させるコツを大公開/マナリンク
【研究職の転職は難しい】転職を成功させる戦術を身につけよう/マナリンク
スムーズに進む!大学教員の異動のタイミングとは?/マナリンク
【大学教員を辞めたい方必見】すぐ実践できる転職を成功させるコツ/マナリンク

ポスドク・大学教員に限らず言えることですが、現在日本において転職しやすい年齢のラインはおよそ35歳前後と言われています。転職を考える場合は、上述のポスドク継続率の高さや大学教員のポストの少なさを考慮しながらある程度「何歳まで」と決めて研究をしながら転職先を探すのも手のひとつです。

このまま教授を目指し続けるためにしておくこと


民間企業との共同・受託研究契約を有している研究室に所属するポストドクター等は全体のおよそ4割程度です。教授になることを最終目標に掲げる場合は、執筆する論文の質や量・研究実績・学会での評価・研究テーマの需要・コミュニケーション能力等のさまざまな資質が問われます。教授になれるということは、必ずしも研究者として優秀であるとは限らないのが現実です。

教授になるためには助手や助教というステップを踏むことが多く、ポスドクから助教になる過程においても狭き門になっています。
優秀なポスドクの中から一握りが助教になり、また助教の中から講師や准教授を経て、教授としての素質・実績を兼ね備えた人が教授になれるのです。つまり、最終目標が教授であっても、狭き門をいくつも潜り抜ける必要があり、結果的に教授になれるのはほんの一握りです。

大学教員を経ることなく教授になれる人もいますが、権威ある受賞歴・肩書がある人や世界的に活躍し認知度のある人物が該当します。
客員教授の場合は正規職員とは言えませんが、教授を名乗れる稀なケースです。
参考元:大学教授になるには? 仕事内容・なる方法・魅力・年収・将来性を解説/タウンワークマガジン

しかし、教授は権威・信用の高い職業のひとつで、教授になることで安定した収入が望めることもあり、教授になることを目標にモチベーションを保って研究に打ち込めます。ポスドクという不安定な職を続けながらも教授を目指す場合は、研究に没頭し論文をたくさん執筆する等の努力をしなければなりません。

収入面での不安を抱える場合、少しでも研究に時間を割けるようなるべくコスパの良い掛け持ちの仕事を見つける必要があります。

【専門分野を活かせる】研究を両立しやすいコスパの良い仕事


知識・学歴が活かせ、特に準備や仕事を覚える期間を必要としない高単価な仕事こそポスドク向けの職だと言えます。ポスドクに向いているお仕事のひとつとして、オンライン家庭教師が挙げられます。ポスドク+オンライン家庭教師で副収入源を確保しておけば、研究を続けられて教授への道も諦める必要もありません。

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