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学振に採用されるためには?申請方法から採用スケジュールまで解説!

2024/10/4
学振に採用されるためには?申請方法から採用スケジュールまで解説!

学振とは、日本学術振興会の特別研究員制度のことを指します。博士課程の在学者は、研究費をもらうことで自分の研究に集中できます。今回は、学振の申請方法や採用までの流れについて解説します。
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学振とは

学振とは、日本学術振興会の特別研究員制度のこと。
学振の特別研究員に採用されると、研究奨励金や科学研究費を受け取ることができます。
奨励金や研究費をもらえる期間や金額は、特別研究員の区分によって異なります。

学振特別研究員の区分と応募できる条件

学振特別研究員は、DC1、DC2、PD、RPD、CPDの5つに区分されます。
ここからは、それぞれの採用期間や研究費の金額について解説していきます。

DC1(大学院博士課程在学者)

DCは、優れた研究能力を持ち、大学やその他の研究機関で研究に専念する人が受けられる制度です。
DC1の採用期間は3年間。研究奨励金として月額20万円、研究費(科学研究費助成事業)として毎年度150万円以内の金額が提供されます。
特別研究員(DC,PD,SPD)に採用されたことがある者は申請できないという制限があります。

DC2(大学院博士課程在学者)

DC2の採用期間は2年間。研究奨励金として月額20万円、研究費(科学研究費助成事業)として毎年度150万円以内の金額が提供されます。
特別研究員(DC,PD,SPD)に採用されたことがある者は申請できないという制限があります。

PD(博士の学位取得者)

PDは、優秀な研究能力があり、研究に専念する博士の学位取得者が受けられる制度です。
PDの採用期間は3年間。研究奨励金として月額36万2,000円、研究費(科学研究費助成事業)として毎年度150万円が提供されます。
PDを申請する前に特別研究員に採用されたことがある者は、「特別研究員採用経験者の申請資格」も満たす必要があります。必ず募集要項を参照しておきましょう。

RPD(博士の学位取得者)

RPDは、優れた若手研究者が、出産・育児によって研究が中断された後も現場復帰できる制度です。子育て支援や男女共同参画の観点から、平成18年度に創設されました。
RPDの採用期間は3年間。研究奨励金として月額36万2,000円、研究費(科学研究費助成事業) として毎年度150万円が提供されます。
特別研究員-RPD採用経験者は、前回の特別研究員-RPD採用開始後に新たに出産した場合(配偶者の出産を含む)のみ、申請資格が必要です。

CPD(国際競争力強化研究員)

CPDは、優れた若手研究者が、海外で長期間研究に専念できる制度です。令和元年度に創設されました。
CPDは、研究奨励金として月額44万6,000円、研究費(科学研究費助成事業)として特別研究員奨励費が提供されます。

DC1、DC2、PD、RPDの研究費(科学研究費助成事業)は150万円を満額受け取れるわけではないので、注意が必要です。

学振特別研究員の採用までの流れ

令和5年度の学振特別研究員の選考日程を表にまとめました。
出典:日本学術振興会「特別研究員 申請手続 選考日程」

DC1・DC2・PDの採用スケジュール

RPDの採用スケジュール

CPDの採用スケジュール

学振特別研究員に応募するの際の注意点

ここからは、学振特別研究員に応募する際に、確認しておきたい3つの注意点について説明します。

  • 副業が禁止されている場合が多い

令和3年度以降、学振特別研究員も労働で収入を得ることが可能となりました。しかし、以下の条件を満たしている場合のみに限ります。

>①特別研究員の研究課題の研究遂行に支障が生じないこと
②常勤職及びそれに準ずる職ではないこと※
③従事する前に受入研究者に「報酬受給報告書<様式 5-3>」の内容を報告し、受入研究者が①~②に該当すると認めていること

※②における常勤職に準ずる職とは国内外を問わず、雇用保険や社会保険等への加入条件に該当するような勤務形態を想定しています。例えば、雇用期間が 1 か月以上であり、週当たりの労働時間が 20 時間以上になる場合(80 時間以上/月)
は、研究専念義務を全うできないと判断できることから、常勤職に準ずる職と取扱います。
引用:日本学術振興会「日本学術振興会特別研究員 遵守事項および諸手続の手引」

  • 奨学金と併用できない場合がある

一部ではありますが、学振と併用できない奨学金があります。大学や各機関から奨学金をもらっている場合、学振との併用が認められているかを必ず確認しておきましょう。

  • 国民健康保険への加入が必要

学振特別研究員になると、国民健康保険に加入しなければなりません。なぜなら、学振特別研究員となって研究費の提供を受けると、一定額の収入があるとみなされるからです。
もし今まで親の扶養に入っていた方は、手続きが必要な場合もあるので注意が必要です。

学振特別研究員になるメリット

学振特別研究員になると、さまざまなメリットがあります。その中でも主な2つのメリットについて紹介していきます。

  • 生活費や研究費の負担が減る

学振特別研究員になる最大のメリットは、金銭的な余裕が生まれることです。
毎月一定額の収入が得られるため、生活費や研究費の心配をせずに研究に集中できます。

  • 研究者としてのキャリア形成となる

学振特別研究員の経験者は、将来的な研究者職への就職率が高くなります。
PD経験者の「常勤の研究職」への就職状況は、卒業5年経過後で84.2%。
DC経験者の「常勤の研究職」への就職状況は、卒業5年経過後で75.4%。
上記の結果から、学振特別研究員制度は、日本の研究者の養成・確保の中核的な役割を果たしていると言われています。
出典:日本学術振興会「特別研究員 就職状況調査」2021年4月1日

研究者の学振以外の選択肢は?

ここまで、学振の各区分やメリットについて解説してきました。
学振に採用されると研究費の提供があり、自分の研究に集中できます。しかし、実際に学振を申請した人の採用率はどのくらいなのでしょうか?
直近5年間の特別研究員採用状況について表にまとめました。

出典:日本学術振興会「特別研究員採用状況について」2022年10月1日

PDの採用率は若干増加、その他はおおむね横ばいとなっています。
どの区分においても、学振特別研究員に採用される難易度は高いといえます。
すなわち、学振を申請しても8割程度の人が不採用となり、研究費の提供を受けられない状況なのです。
大学院生が博士課程を断念する理由の多くは、金銭的な事情によるものです。自分の研究を最後まで続けるために、安定した収入は不可欠です。
ここからは、もし学振申請で不採用になってしまった場合や、学振以外の収入について検討している方へ向けて、学振以外の選択肢を2つ紹介します。

奨学金・助成金を申請する

学振で不採用となった場合、学振以外の奨学金や助成金に申し込むことができます。学振申請した際の申請書を振り返り、ブラッシュアップして申し込みましょう。
大学の奨学金制度のほかにも、民間機関による奨学金制度もあります。
たとえば、本庄国際奨学財団では、「日本人大学院生奨学金」という制度があります。
日本の大学院で学ぶ日本人学生に対する奨学金で、学位取得を目指して日本の大学院へ在籍中または入学試験に合格している人が応募可能です。
書類選考・面接選考に合格すると、月額20万円(1~2年間)が支給されます。
出典:公益財団法人 本庄国際奨学財団「日本人大学院生奨学金」

また、大学を通じて募集している奨学金制度もあります。
三菱UFJ信託奨学財団では、指定大学に在籍している学生に対して、返済義務のない奨学金を給付しています。
出願資格として、健康で、学業成績、人物ともに優れており、在学する学校長等の推薦する者や財団主催行事への出席を優先できる者などの制限があります。
奨学金の金額は、大学院生で月額55,000円、留学生大学院生で100,000円となります。
出典:公益財団法人 三菱UFJ信託奨学財団「奨学事業 募集について」

このように、返済義務のない奨学金もあるので、募集要項を確認して応募してみるのもいいでしょう。

アルバイトをする

研究費・生活費を得るために、アルバイトをするのも1つの方法です。しかし、研究に勤しみながらアルバイトをする場合、一般的な大学生・大学院生とは異なる基準でアルバイトを選ぶ必要があります。
アルバイトを選ぶ上で、重要なポイントは以下の通りです。

  • 通勤時間が少ない
  • 時給が高い


研究の時間を削らずにアルバイトをするためには、上記の2点を満たすことが重要です。
たとえば、リモートでできるアルバイトは、通勤時間が不要となるので効率的に収入が得られます。また、スキルを身に付けて高単価のアルバイトをすると、短時間でも安定して稼ぐことができます。
オンライン講座でプログラミングのスキルを身に付けて、クラウドソーシングで案件を受注する、研究の経験を活かしたデータ解析のアルバイトなどが人気です。
また、塾講師や家庭教師など、教育関係のアルバイトもおすすめです。教育関係のアルバイトは1コマ単位の給料が高く設定されていることが多いからです。最近では、オンラインでの授業も増えているので、家で効率的に働けます。

まとめ

今回は、学振の申請方法や採用までの流れについて解説しました。
学振特別研究員になると、生活費や研究費の負担が少なくなるので、研究に集中できます。また、研究者としての評価につながるというメリットがあります。
その一方、学振特別研究員の採用率は低い傾向にあります。
学振特別研究員になる以外で生活費・研究費を稼ぐ場合、助成金を申請する、効率のいいアルバイトを選ぶなどの方法があります。
中でも、おすすめのアルバイトはオンライン家庭教師。
研究の傍ら、在宅で自身の知識を活かした副業ができるため研究者にぴったり。
マナリンクでは、時給2,500円以上なので安定した収入が得られます。ご家庭からの口コミ「感謝の声」が蓄積することで、さらに時給が上がる事ができる嬉しい仕組み。
また、指導科目を選べるので、自分の研究内容や得意科目で指導できます。
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