修士から文系の研究職に就く方法と注意点
研究職と言えば世間的には理系をイメージしますが、文系の大学院の方で卒業したら学んだことを活かして研究職に就きたいと考えている方もいるでしょう。
そこで今回は
「文系の研究職ってそもそもどんなものがあるの?」
「どうすれば研究職に就けるのか?」
「年収はどのぐらいになるのか気になる?」
など文系の研究職に対する疑問や不安について解説していきます。
文系で研究職を考えている方は就活や今後のキャリアの参考としてご覧ください。
修士卒で文系研究者になる方法
修士卒から文系の研究者になる方法は大きく分けて3つあります。1つ目は大学の教授、2つ目は公的機関の研究者、3つ目は民間の企業の研究者として働く方法です。
どの方法も簡単ではなく非常に厳しい狭き門となりますが、研究者として働くことができる職業です。
それぞれの職に就くにはどうすればいいのか、また研究者に向いている人はどんな人なのか説明していきます。
大学教員になる
研究者としての大学教員とはすなわち教授です。大学教授には「教授」「准教授」「助教授」「ポストドクター」などのポジションがあります。
大学教授は大学内で学生に講義をするという教育者としての仕事もありますが、一方で自分自身の専門分野の研究や発表など研究者としての仕事も行います。
大学や大学院で学んだことを活かしやすく、研究者としては人気の職業です。
大学教授になるためにはまず修士・博士の学位を取り、その上で大学職員として採用されなければなりません。
また、職員として採用されたとしてもすぐに教授として研究ができるわけではなく、助手や助教授などのポジションを経て教授へと進んでいくことができます。
公的機関の研究所に就職する
文系で研究職に就く方法として研究所に勤めることで研究者になれる場合があります。
独立行政法人や省庁に属する研究機関では言語や歴史、社会科系の研究を行っている組織があり、文系でも研究者として働くことが可能です。
公的機関の研究所で働く方法としては募集状況を見てエントリーし、採用試験を経て採用される必要があります。
そもそも文系の研究職の募集が多いわけではないためかなり厳しい採用試験を突破していかなければなりません。
したがってしっかりとした採用試験対策が必要になってきます。
民間企業の研究職に就く
最後に紹介するのは民間の企業に就職するという方法です。
民間企業の研究職と聞くと多くは理系出身者が対象となりますが、中には文系でも応募可能な企業や職種があります。
例えば様々な分野に対して政策の立案や提言をする研究機関・組織であるシンクタンクなどは文系理系問わず募集をしています。
その他にも銀行や保険など金融業界では研究や調査をするポジションがあるため文系でも研究職に就ける場合があります。
シンクタンクや金融業界は給与面や福利厚生が充実している企業が多く、新卒採用としては倍率が高くなる傾向にあるため採用試験突破に向けた準備が不可欠です。
文系の研究者に向いているのはどんな人?
文系として研究職に就く方法を3つ紹介していきましたが、そもそも研究職に向いている人はどのような人物なのでしょうか。
例えばこんな要素が挙げられます。
・探究心のある人
・根気強い人
・論理的に物事を考えられる人
・デジタルに強い人
・好きなことを突き詰められる
研究職はまだわかっていないことや調べるべき内容を解明していく仕事なので当然ながら探究心が求められます。
また、研究は一朝一夕で完了するものではありません。場合によっては結果が出るまで何日もかけて調査する必要もあります。したがって根気強く最後まで研究できる人が向いています。
さらに研究者はただ研究だけをしているわけではありません。研究結果を発表したりわかりやすくまとめたりして社会に活かしていかなければなりません。
最近では研究したことをデータとしてまとめることや今のIT化した社会にどのように活かしたらいいのかを考えることもあります。
論理的な思考で研究結果をまとめたりデジタルデバイスを活用するスキルが求められることもあるので、それらの力がある程度あれば研究者として向いていると言えます。
研究者には様々なスキルが必要となりますが、なんと言っても一番大事なことは好きなことを突き詰められるかどうかです。
自分の好きなことや得意なことをとことん極めていきたいという人は研究職に就いても苦にならず楽しみながら働けるでしょう。
文系研究職の気になる年収はどのぐらい?
文系の人が研究職に就く場合の年収は気になりますよね。一般的なサラリーマンの平均年収は約440万円と言われていますが、研究職に就くとどのぐらいの年収が見込めるのでしょうか。
大学教員は1000万円超え
大学職員の年収は役職によって変わってきますが、教授ともなれば年収1000万円以上となります。
賃金構造基本統計調査によると大学教授の平均年収は1070.5万円というデータがあります。
一般的なサラリーマンの年収は平均すると約440万円なのでそれと比べると高い年収と言えます。
公的機関の研究所の場合は800万円前後
公的機関の研究所に勤める場合は公務員となります。公務員には国家公務員と地方公務員がありそれぞれで年収は異なっています。
国家公務員の研究職の年収は約920万円となり、研究職以外の国家公務員の平均よりも2〜300万円ほど高くなっています。
一方で地方公務員の研究職の場合は約620万円の年収となります。国家公務員と比べると低く感じてしまいますが、公務員の他の職種や一般サラリーマンと比べると高い年収となります。
民間の企業の研究職の場合は1000万円超え?
民間企業の研究職の場合は会社ごとに年収は大きく異なります。しかし、シンクタンクや金融業界は一般的には年収が高い業界のため平均的に見ても高い年収が期待できます。
例えばシンクタンクなどの研究職でキャリアを積むことで30代〜40代で年収1000万円を超えるとも言われています。
実際にシンクタンク業界でもトップクラスの売上を記録する野村総合研究所の平均年収は1200万円を超えており他業種と比べても高くなっています。
文系研究職のハードルは高い?研究職を目指す注意点
文系の研究職の種類はあるの?
文系の研究職は理系と比べると種類は少なくなってしまいますが、全く無いというわけではありません。
例えば大学教員の中にも文学や社会学、地理学や史学、他にも言語領域や経済系など各分野で研究を行っている人がいます。
またシンクタンクの企業では様々な分野における調査・研究を行っているので自分自身の専門分野を活かして働くことも不可能ではありません。
自分の勉強している分野や好きな分野にも研究者としてのポジションがないかどうか一度確認してみると意外と見つかるかもしれません。
文系開発職は採用枠って多いの?
文系の研究職の種類はいくつかあったとしても採用枠はどのぐらいあるのでしょうか。
これに関しては正直多いとは言えません。
研究職は給与面や福利面が充実している場合が多く、人気の職種でもあるためなかなか募集がされない現状があります。
また、分野によってはかなりの専門知識が必要となるので気軽に誰でも挑戦できるものでもありません。
ポスドクは収入が安定してるのか?
大学教授を目指す場合、ほとんどの人がポスドクや助手、助教授などのポジションを経験します。
タイミングよく准教授や教授へとキャリアアップできればいいですが、場合によっては何年もポジションが空かないことも考えられます。
そうなってくるとポスドクや助手といった役職のまま生活をしていかなければなりません。ポスドクの年収は大学の規模などにもよりますが、2〜300万円の人もいて十分な収入が確保できているとは言えない現状です。
大学教授を目指すならこのあたりの対策もしっかりと考えておく必要があります。
文系研究者になるために意識しておくべきことは何か?
実績やアピールポイントを作る方法
文系理系に限らず研究職は非常に倍率が高い人気の職業です。つまり厳しい採用試験を突破していく必要があります。
採用の可能性を広げるためには専門分野での実績を上げるなど何かアピールできるポイントがあると効果的です。
研究テーマに関連する実績やインターンシップへの参加、海外留学経験、学内外での活動など就活でアピールできることを経験しておくと評価につながる可能性が出てきます。
倍率の高い研究職だからこそ他の人より光るものを磨き上げてアピールできると印象が良くなります。
社会人から文系の研究職へ転職するメリット
修士卒から研究職に就くのはハードルが高い。その解決策として一度社会人を経験してから研究職に転職するという方法もあります。
研究職は決して転職がしやすい業種ではありませんが、社会人として実績や経験を積み、自身の経験が研究に活かせるような状況が作れれば挑戦する価値は大いにあります。
中途採用は即戦力が求められますが、新卒と違って社会人としての実績を大いに活かせるのでそれが企業とマッチすれば採用の可能性は出てきます。
研究職に転職することを前提に、経験が活かせるような企業や働き方を考えて取り組み、実績やアピール材料を作った上で研究職の転職に臨んでみてはいかがでしょうか。
複業として収入源を確保するためにできること
文系の研究職は種類の少なさや採用の厳しさ、また収入の不安定さが問題となります。
収入が不安で研究職を諦めざるを得ないとならないようにするために複業として別の収入源を確保しておくこともおすすめです。
とはいえ研究職を目指しているため使える時間も限られています。そんな方には「オンライン家庭教師」がおすすめです。
「オンライン家庭教師」は自分の空いている時間で授業を組むことができたりパソコンがあれば働く場所も限られないため時間を有効的に使うことができます。
また自分の研究していることや今まで勉強してきた内容を活かしやすく研究職を目指す人にとって相性がとてもいいのも特徴です。
このような「オンライン家庭教師」などの複業で収入源を作っておくことでお金の問題を気にせずに研究職を目指していくことができます。
「オンライン家庭教師」に興味がある方は、オンライン家庭教師のマナリンクが提供する「オンライン家庭教師の働き方ガイド」を参考にしてみてください。
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こちらの情報は執筆段階でのリサーチ・状況において執筆されたものであり、随時内容のメンテナンスを行っておりますが、 現時点での正確性を保証するものではございませんのでご了承いただけますと幸いです。