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大学教授になれる確率は?平均年齢・給与・将来性を解説

2022/6/21
大学教授になれる確率は?平均年齢・給与・将来性を解説

近年、大学に進学する人が増加した中、将来の選択肢のひとつに大学教授を考えている人もいるでしょう。しかし、大学教授になれる確率は高いのでしょうか。大学教授になるまでの方法も気になりますね。そこでこの記事では、大学教授になるための方法や大学教授の平均年齢、将来性まで解説します。

大学教授になるには?


大学生活を送る中で、専攻する学問の研究をより深めたい。今後さらに研究に徹して、大学教授を目指したい。この記事をお読みの方の中には、このような思いをお持ちの大学院生やポストグの方がいらっしゃるのではないでしょうか。

ここからは、大学教授になるための具体的な方法を紹介します。

まずは博士号を取得する

大学教授になるには、大学を卒業して「学士」を取得する必要があります。その後、大学院に進み2年間で「修士号」を取得します。そして、次の3年間で「博士号」を取らなくてはいけません。

大学院の課程分類は、運営母体によってさまざまですが、期間は修士と博士の計5年間としているところが一般的です。

次に就職活動をする

大学教授になるには、博士号の取得の後に就職活動をします。求人の見つけ方は、大学の公式サイトに掲載された採用情報や、大学教員専門の求人サイトから探します。

求人サイトにはさまざまな職階が掲載されていますが、博士号取得の後応募できるのは、助手・助教の職階がほとんどです。助手・助教として地道に研究を続け、優れた成果を出せれば、研究室を主催する教授の推薦が得られます。推薦を受けれたら、大学教授へのランクアップができる仕組みです。

ランクアップの流れは、助手・助教→講師→准教授→教授が一般的です。

大学教授の平均年齢・年齢分布


大学教授はなるまでが難しいものの、社会人になってから目指すことも可能です。では、大学教授の平均年齢は高いのでしょうか。そして、年齢分布はどうなっているのでしょうか。

これから、大学教授として働くことを考えているのであれば、同じ職場でどのくらいの年齢層の人と関わるのか知っておくことは重要です。ここからは、大学教授の平均年齢と年齢分布について紹介します。

平均年齢はいくつ?


2017年の厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、大学教授の平均年齢は57.6歳であることがわかりました。

ただし、大学教授の平均年齢は上昇傾向にあるとを覚えておきましょう。文部科学省の令和元年度学校教員統計調査によると、1986年には43,1歳だった平均年齢が、2016年には49.1歳になってます。

その後、2017年には57.6歳になりました。このデータからわかるように、約30年で10歳以上平均年齢が上がっています。

将来の大学教授の平均年齢の動向を考察してみると、今後も平均年齢は上昇し続けることが推測できるでしょう。

出典元:厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」
参考元:大学教授になるのは難しい?条件や給与を解説

年齢分布は?


大学教授の年齢分布は、内閣府平成28年度の独立行政法人等の科学技術関係活動に関する調査で理解できます。調査によると、60代以上が28.9%。50代が53.8%。40代が17.2%でした。

准教授の割合は、同調査によると60代以上が4%、50代が22%、40代が54%になっています。

大学教授の割合では、50代が圧倒的に多い構成になっていますが、准教授の割合は40代が多いです。准教授の60代の割合が4%と少ないことから、准教授になれた人はいずれは大学教授に昇格できることが推測できます。

出典元:内閣府 平成28年度の独立行政法人等の科学技術関係活動に関する調査

大学教授になれる難易度


大学教授はになるまで、助手、准教授、ポストグなどさまざまなポジションを経験しなくてはいけません。では、大学教授にになるまでの難易度は高いと言えるのでしょうか。

助手、准教授、ポストグのポジションの期間や、どういった経緯で大学教授になれるのか気になりますよね。そこでここからは、大学教授になるまでの難易度やポストグ、将来性についても解説します。

大学教授になるのは難しい


大学教授になるのは難しいと言えます。大学教授になるための博士号取得後の道が、狭き門だからです。

まず、博士号を取得するには前述した通り2年間の博士前期(修士)過程と、3年間の博士後期過程を修了しなくてはいけません。その後、博士論文が審査に通り、博士号を得られる仕組みになっています。

博士号を取得できたら、大学教員のポスト(助手・助教)になるのが一般的です。大学教員のポストとして長年実績を積み、ステップアップして大学教授になるルートになっています。

以下に、大学教員の種類をまとめました。

教授
教育機関や研究機関で、指導的立場を担う人

准教授
教授に次ぐ教員

講師
教授・准教授に次ぐ教員

助教授
講師に次ぐ教員、研究室や講義を受け持つ

助手
助教授に次ぐ教員、研究などの補助を行う

名誉教授
大学に勤務して功績を残した人に授与される称号

客員教授
非常勤で研究や講義を受け持つ

特任教授
特定のプロジェクトのために任期付きで採用される人

しかし、大学教授のポストは非常に狭き門です。欠員が出ないと、募集がかからないため、多くの人が40代、50代まで待つ状態になっています。そのため大学教授の年齢構成は、40代以上で99.9%を占めているのです。

参考元:大学教授になるには? 難易度は高い? 【教授になる方法を徹底解説】


ポストグの状態が長く続く


ポストグ(ポストドクター)とは、大学院博士後期課程の修了後に就く任期付きの研究ポジションです。ポストグ研究員もしくは、博士研究員とも呼ばれています。

ポストグは、期限付き雇用で将来が不安定という点で問題視されています。大学教授や准教授は、任期の定めのないパーマネントであるのに対し、ポストグは1年〜長くても数年程度の任期でしかないからです。

まれに任期が延長されることがありますが、延長された任期期間に成果を上げることが求められます。任期終了後には、大学や研究機関のパーマネント職や他のポストグを探すことが必須のため、延長が決まっても将来に見込みがあるとは言えません。

このようにポストグは、不安定な職として社会的問題になっているのです。しかし、そもそもポストグ問題は、いつから起こったのでしょうか。

原因は、1990年代の大学院重点化とされています。博士修了者の増加に対して、パーマネント職のポジションの供給が追いつかなかったようです。

さらにポストグ問題の深刻さは、文部科学省の「ポストグ等の雇用・進路に関する調査」でも明らかになっています。「ポストドクター等の延べ人数」の調査では、2008年度に17,945人と最多人数になりました。ここ数年で減少傾向になっているものの、ポストグ問題が解決しているとは言えません。

出典元:文部科学省「ポストグ等の雇用・進路に関する調査」

ポスドクの任期の割合は同調査では1年未満、もしくは1年のポスドクは全体の61.5%を占めていることがわかりました。半数以上が、来年の職が決まっていない状態です。

さらに、2019年の同調査ではポスドク15,591名のうち、ポストグ後の進路先として、大学教員などへ転出した人は、1,360名でした。大学以外の研究・開発職へ転出した人は435名となっています。

このデータから多くのポストグが、ポストグは不安定な職であることを認識し、転出しているのだと推測できます。

参考元:ポストグ問題とは?仕事内容や給与・課題

まとめるとポストグは、「一定の成果をあげることが求められる」「パーマネント職を含めた職探しも並行する必要がある」のです。そのため、ストレスを抱えながらの研究となり、ポストグの生活がつらいとの声が挙がっています。

ポストグ問題の解決策については以下の記事で説明しているので、ご興味ある方は、ご参考ください。

ポストグ問題はつらいを解決!専門分野ではじめるキャリア形成

大学教授の将来性


大学教授の将来性を平均給与から見てみましょう。厚生労働省の平成29年の賃金構造基本統計調査では、男性大学教授の平均月収は65.6万円でした。年間ボーナスは、283.3万円。これらを合計した平均年収は1070.5万円です。

平成29年度の国民生活調査によると、国民の取得の中央値が442万円であるため、大学教授は高収入の職業と言えます。このデータを元に将来性を考えると、大学教授に将来性はあると見込めるでしょう。

出典元:厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」

しかし、働く大学によって収入の差があるのは事実です。同じ大学教授でも、大学の規模によって年収差が生まれてしまうのです。年収が最も高い大学は1000人以上の大学で、平均年収は812.6万円。年間ボーナスは309,4万円でした。

次に、100〜999人の規模の大学が平均年収738万円。年間ボーナスは、238.7万円です。最後に、10〜99人の規模の大学の年収が619.9万円。年間ボーナスが124.5万円でした。大学の規模別で見ると、大学の規模が大きい方が将来性があると判断することができます。


この2つのデータから、大学教授の平均給与は高く安定性が見込めるものの、大学の規模によって差異が生まれてしまうと言えます。

出典元:厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」

また、少子化の観点から大学教授の将来性を考えてみましょう。現代は、誰もが知っている少子化時代です。少子化の影響で学生の定員が割れ、存続が危ぶまれている大学もあります。
そのため、ますます小規模の大学が増加し、中には倒産の危機に追い込まれる大学も出てくることが予想できます。以上の観点から見ると、大学教授の将来性は決して明るいとは言えないでしょう。

まとめ

この記事では、大学教授になるための方法や大学教授の平均年齢、将来性まで解説しました。大学教授になるのは難易度が高く、ポストグの期間も長くなることが予想されます。
そのため大学教授になるには「どうしてもこの学問を研究したい、指導したい」という強い信念が必要となるでしょう。

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こちらの情報は執筆段階でのリサーチ・状況において執筆されたものであり、随時内容のメンテナンスを行っておりますが、 現時点での正確性を保証するものではございませんのでご了承いただけますと幸いです。