校正の仕事はなくなる?AI発達に影響されない似ている仕事をご紹介
校正の仕事は少なくなる可能性がある
まず、校正の仕事についてご紹介します。
校正は、
元の原稿と照らし合わせて、作成中のコンテンツに誤植や色彩の違いがないかを確認します。また、誤字脱字などのミスの発見、修正も行います。
引用元:校正、校閲とは何か?その違いや役割と重要性を解説 - 図書印刷株式会社 (tosho.co.jp)
文章執筆と校正の仕事は、きっても切り離せない関係にあります。せっかくわかりやすく完成度の高い内容の文章を書いても、誤字脱字が多かったり表現の仕方などのミスが多くては、読みにくいばかりか内容の信憑性まで問われかねません。そう考えると、校正の仕事はなくてはならないものだと理解できるでしょう。
その校正の仕事を担うのが、最近人間からAIへととってかわられる動きがあります。実際に自動校正ソフトなどがすでに利用されつつあり、開発が進んでいます。例えばどんなソフトがあるのかご紹介します。
「MS Word」
文章全体の誤字脱字、言い回しなどをチェックしてくれます。例えば「らぬき」文章や、「~ったり~ったり」のどちらかがぬけてしまった場合など、確実に指摘してくれるので便利です。また、語句を設定することにより表記統一のチェックも可能です。さらに、翻訳機能や英和、和英など各種辞書機能がついているので、英文もチェックできます。
文末を統一できなかったり、最新の単語に反応してくれないといった弱点はあるものの、文章を書きながら校正できるという大きなメリットがあります。これはマイクロソフト社の文章作成ソフトWordに付帯している機能なので、使用に関してセットソフトOfficeの導入が必要です。実質的に無料とは言えませんが、パソコンにもともと組み込まれているものがほとんどなので、安価に使用できます。
「Enno」
Ennoは、インターネットを通じて使用できる無料校正ツールです。コピペするだけで、誤字脱字、変換ミスなどをチェックしてくれます。一つひとつのチェックに対して詳しい解説があり、また下方で一覧にもなっているので、非常にわかりやすいです。表記統一や文末の言い回し統一などの機能はありませんが、簡単なチェック機能として使用するには、とても便利なツールです。
「文献」
文章内の誤字脱字のチェックはもちろんのこと、校閲や推敲までしてくれる便利なツールです。作成した文章を画面に入力すると、100を超える文献独自のチェック機能で的確なチェックプラスアドバイスをくれます。
言葉や言葉遣いの誤りを正してくれる校閲支援機能、「たとえ表現」のサポート機能、接続詞や助詞の使い方などをチェックしてくれる推敲支援機能、作成した文章へのアドバイスなどが基本機能として備わっています。
このように、校正ソフトは無料から有料まで数多くあります。すでに校正ソフトを導入している企業がいくつかあります。また、校正の仕事が減少する理由は、AIによる影響を受けるためだけではありません。現在、校正・校閲をコスト削減のため省力化している出版社もあります。校正の回数を減らしたり、書籍や雑誌などの原稿を著者が自ら校正することを意味する「著者校正」だけですまそうとしたりする場合もあります。
しかしながら、念入りに文章をチェックしても、必ず問題は見つかります。そしてそのちょっとの誤字脱字が、重大な不祥事を引き起こすこともあるのです。こういった理由から、業界のAIの介入やコスト削減の動きに即して校正の仕事が少なくなる可能性も示唆しつつ、やはり専門の校正者による校正・校閲作業の必要性を説く声も健在です。
業界によって状況が変わる
新聞は表現が統一されているため、この業界においては、校正の自動ソフトを導入することにメリットがあります。例えば株式会社朝日新聞は、人工知能を利用した自動校正システムを開発しました。本システムでは、人工知能が文中の各単語をチェックし、文脈を読み取ったうえで、最適な置き換え候補を出力できます。今まで朝日新聞社が記事化に要した実際の校正内容を、大量に人工知能に読み込ませパターンを学習させることで、新しい文でも単語単位なら複数の置き換え候補がある中から、文脈に応じて最適候補を絞り込めるようになりました。
それに対して著者の表現を重んじる出版業界では、校正の自動ソフトを導入することに無理があります。例えば文芸作品には、その作家独特の文章の書き方、言葉遣いの特徴や個性が如実に表れます。それらのサンプルをAIにすべて記憶させるのは不可能に近いです。言葉の正誤を判断する際も、前後の文脈から判断する必要があります。
この「文脈を読む」という作業は、AIにとっては簡単なことではありません。また、日本語は他の言語と違い、単語ごとに区切られていません。これも出版業界において、人工知能を取り入れることが難しい理由の一つだと言えるでしょう。その中でも、原稿のルビ(ひらがな)付けや、同一作品内での表記のゆれの検出など、機械ができることに注目し、開発途中です。
※「表記のゆれ」
表記ゆれとは、ある言語の文字表記において、ある単語が2通り以上の書き方をされることにより、表記にばらつきが生じることを指す。表記揺れとも称す。
引用元:表記ゆれ - Wikipedia
校閲の仕事も少なくなるのか
次に校閲とは、どのような仕事なのでしょうか。
校閲は
誤記はもちろん、表記の揺れ、事実関係の誤り、差別表現や不快表現などの不適切表現の有無まで、幅広くチェックし訂正していく仕事です。また、同じコンテンツ内で論理構成や内容に矛盾が起きていないかも確認します。
引用元:校正、校閲とは何か?その違いや役割と重要性を解説 - 図書印刷株式会社 (tosho.co.jp)
校閲という仕事は、単純な文字の誤りを正すことがすべてではありません。コンテンツの内容まで踏み込み、徹底した事実確認のもと、著者でも気付かないような間違い、表現上の矛盾点などを発見し修正することが求められます。さらに、校閲は文章の流れや表現を読み取って、著者の特徴を活かしながら修正する仕事なので、AIで自動化することは非常に難しいです。開発は進んでいますが、すぐに校閲の仕事がなくなるということはないでしょう。
校閲の仕事は狭き門
企業内において、校閲のみの採用は非常に少ないのが実情です。大手の出版社や新聞社には専門の校閲者がいますが、現在ライターや記者が校閲を兼ねているケースも多いようです。
また、不況の影響もあって、正社員を雇う代わりにフリーランスの校正・校閲者に作業のほとんどを外注しているケースもあるようです。一年を通して本の刊行期には波があります。それに伴って校閲の仕事も繁閑の差が出やすくなります。このムラに効率よく対応するため、特に出版社にとってはフリーランスの校閲は不可欠です。
また、最近ではWEB記事を校閲する仕事の需要も高まっています。報酬は、一記事いくら、文字単価〇円という形で支払われます。決して高いとはいえませんが、企業内で校閲者として働くのは非常に難しいので、校閲にこだわるならこういった働き方を考えてみるのも良いでしょう。
将来的に安定な校正職に似ている仕事
校正職に似た仕事でありながら、校正より安定している二つの仕事をご紹介します。
校閲
まず校閲を目指すなら、文章や文字を読むことに抵抗がないことが最低条件です。もちろん、単純に「読書が好き」というだけでは勤まりません。さらに、細かい仕事を最後まで根気強くやり通せる能力が求められます。その際、ミスを逃さない集中力も当然必要です。
ここまでは、校正と似ていますが、加えて間違いに気付くための日本語の知識や社会常識なども求められるお仕事である点がポイントです。
出版物が世に出る前の最後の関所となる仕事の一つです。ミスがあれば、出版元や著者の信頼を失いかねません。それだけ大きな責任を背負う仕事だということを覚えておいてください。
先に述べた通り、校正は「体裁」を、校閲は「内容」を担当します。内容のチェックをAIに任せることは難しく、狭き門ながら校閲の需要は将来的に減らないといえるでしょう。
小論文などの添削
志望校に小論文試験がある生徒に対して、小論文添削を行う仕事もオススメです。最近では、オンライン添削も人気です。小論文は独学で学ぶことは難しく、添削してもらわないと実力は伸びないため、需要が減ることはありません。
具体的には、特定のテーマやお題に沿って書かれた文章を見て、例えば「テーマに沿って書けているか」「接続詞や助詞の使い方は適切か」などといった点から文章の添削を行います。この時、ある程度の評価基準が設けられているケースが多いです。
完全在宅でずっと継続できる仕事をしませんか?
校正に興味はあるものの、仕事が今後なくなってしまうのではと心配されている方に、オンライン家庭教師マナリンクで家庭教師をされることを提案します。両者の仕事はかけ離れているように見えるかもしれませんが、先に述べたように校正の仕事と、小論文の添削の仕事は似ています。
マナリンクでは、指導教科・分野を自分で設定できるので、「小論文の添削コース」や「国語の読解コース」を開設し、生徒を募集することが可能です。単発の仕事ではなく、ずっと継続して1人の生徒さんと向き合える素敵な仕事です。会社に出社する必要なく、完全在宅の仕事である点もポイントです。
まとめ
校正の仕事は主に「体裁」を整えることなので、AIに置き換えやすく、今後校正の仕事が少なくなる可能性があります。中でも表現が統一されている新聞業界の中には、AIを利用した自動校正システムを開発した会社もあります。
対して校閲の仕事は「内容」担当なので、AIで自動化することは難しく、すぐにこの仕事がなくなることはないでしょう。ただ、もともと企業内での校閲者は少なく、非常に狭き門です。
同じく、校正職に似ている仕事として、小論文などの添削をご紹介しました。これからの時代、表現力がますます問われるでしょう。それに伴って入試内容に小論文が加わるケースは増えると予想されます。単発ではなく、じっくり1人の生徒さんと向き合って小論文の添削を見たいとお考えなら、オンライン家庭教師マナリンクで小論文の添削コースを開設されてはどうでしょう。あるいは、国語の読解コースも人気があります。ぜひ、選択肢の一つに入れてみて下さい。
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