子育てしながら教員はできる?職場復帰後の両立方法とブランクOKの新たな働き方
はじめに
教員とは非常に忙しく責任ある仕事です。産休、育休をとって仕事を休んではいるものの、数年のブランクを経て以前のように教員がつとまるか不安を抱いている方もたくさんいらっしゃるでしょう。今回は、職場復帰後の両立方法とブランクOKの新たな働き方について提案します。
教員の産休育休所得の割合
教員の産休育休取得率のデータを、図にしてみました。
女性の育児休業取得率は、高いことが見てとれます。この数字は、地方公務員より高いです。それに対して、男性の取得率は増加傾向にありますが、それでもまだまだ低いです。
参照:平成27年度公立学校教職員の人事行政状況調査結果ー文部科学省
復帰後への不安を抱く割合
教員に限らず、すべての職種において、職場復帰・復職が不安なママは多く、あるアンケートによると、「復帰にあたり不安はありましたか?」という質問に対して、96.1%の人が「はい」と答えています。このデータから、産休育休を取得する女性教員は多いものの、復帰の際には何かしらの不安を抱えていることが伺えます。
男性のデータはありませんが、男性が育休を取り、復帰する場合も同様でしょう。
参照:職場復帰・復職が不安なママは96%!復帰後に辛かったことは?- キッズライン (kidsline.me)
不安な理由
不安な理由はいくつか考えられます。
送迎の対応
送迎は毎日のことなので、きちんと対応できるか不安になるのは当然のことです。自分の用意をしながら子どもを起こし、ご飯を食べさせて着替え等登園準備をして園まで送っていくことを考えると、億劫になるのもわかります。園に行く前、急いでいるときに限ってウンチを漏らしてしまい、せっかく着替えさせた服をまた着替えさせないといけなくなることも実際あります。
ただ、保育園によっては、早朝保育や延長保育を取り入れている園がたくさんあるので、忙しい教員の仕事に復帰することに過度の心配は不要です。忙しい朝でも、余裕を持って準備すれば大丈夫です。また、最初のうちは子どもが行きたがらずぐずることもあるかもしれませんが、そこは子どもの適応能力を信じましょう。
子どもが病気になったときの緊急対応ができるか
子どもは、突然病気になります。特に最初のうちは、本当によく体調を崩します。その場合、当然親としての対応が求められます。子どもを保育園に預けられるかどうかのボーダーラインは、37.5度です。子どもが小さいうちは、特に朝預ける前の検温が義務付けられているところが多いです。前日の発熱なら、まだ学校に電話をして代わりの先生に授業やその他業務を前もってお願いできますが、当日となると、どうしても他の先生への負担が多くなります。
一番困るのは、保育中に発熱し、園から学校に電話がかかってくる場合です。よっぽどのケースを除き、授業途中で抜け出してすぐ駆けつける必要はありません。しかしながら、切りの良いところで他の先生に後の業務をお任せして、お迎えに行かなければならないのは、なんとも心苦しいものです。
体力
教員という仕事は、言うまでもなく非常にハードです。それでも出産前は、帰宅すれば家事をこなすだけで自分の時間が多少持てるので、なんとかやってこれたという方が多いのではないでしょうか。しかし育休復帰後は、帰ったら家事に育児という仕事が加わります。自分の時間はほとんどありません。また学校の仕事は体力勝負なところがありますが、育児もまた体力がいります。
子どもが園でもらってきた風邪が家族中に蔓延し、常時家族の誰かが風邪をひいているという可能性もあります。それでも気力でなんとか乗り切らないといけません。それだけ体力が求められる、教員プラス育児という仕事をこなせるか不安だという意見ももっともです。
子どもが寂しい思いをしないか
仕事が長引いて、お迎えが最後の1人になってしまうこともあるでしょう。教室にぽつんと一人でいる姿を見ると、親として切なくなりますよね。しかしながら、入園式や卒園式などのイベントには、学校を休んで参加できるケースが多いです。
夫/妻との家事負担
共働きの場合、うまく分担しないと喧嘩のもとになります。特に、妻が教員で育休を経て職場復帰をする場合、忙しくなるのは目に見えています。仕事を休んでいた時と同じように、家事・育児ができると夫に思われていては困ります。きちんと分担ができるか不安に思うなら、復帰する前に夫ときちんと話し合っておくことが大切です。「食事・子どものことは妻がやる」「掃除・洗濯など食事以外の家事全般は夫がやる」のように、決めておくといいですね。
時短勤務に対する職場の理解
教育現場はとても忙しいので、早く帰ることをよく思わない人がいるのではないか、という不安がつきまといます。時短勤務を選択する理由はもちろん、早く帰ってティータイムを満喫するためではなく、育児に専念するためであるのに、堂々と帰れないことが心配されます。実際給料は、労働時間が減る分当然減らされているのに、現場には忙しくすることに美学を見出す人が必ず存在するのです。
職場に迷惑はかけないか
子どもができる前はできていたことが、育児に時間をとられるためできなくなる可能性は、多いにあります。学校の現場では、学年ごとにチームを組んで役割や仕事を決めたり、学校全体の仕事を分担したりするので、その際他の先生にしわ寄せがいくことは避けられません。責任感が強い方ほど、心苦しく感じてしまうでしょう。
実際に復帰した方の声
自分の子どもが1カ月に2回以上のペースで発熱し、お迎えの連絡が入り、次の日は仕事を休まざるをえません。近くに両親はおらず、かなり職場に迷惑をかけていると思い、心苦しいです。「今は仕方ないよ。」と言ってくれる上司はいるものの、やはり気を遣い、遣われ疲れてしまいます。(小学校勤務:女性)
復帰する前に、家事分担・送迎分担を決めました。園への送迎については、近くに住む両親をまきこむ形に。さらに、行事や風邪対応の順番もあらかじめ決めておきました。ママ・パパ・祖父母全員がダメな時は、病児保育の利用も視野に。結果どうしてもママの負担が増え、仕事に支障が出始めたため、週に1回ママの日を設定し、この日にできる限りの仕事を片付けるようにしました。とにかく、頑張らないこと、完璧を目指さない心を持つことが大切だと思います。(小学校勤務:女性)
復帰する際、担任と土日に活動がある部活の顧問は外してほしいと希望を出しましたが、期待は見事に裏切られ、運動部の顧問に加えて担任も受け持つことに。祖父母の協力がなければ、とても家庭と仕事を両立することは無理です。それでも久しぶりに教壇に立ってみると、やはり担任としてクラスを運営していくのはやりがいがあるし、教材研究は楽しいものです。仕事自体決して嫌いではないのですが、子どもや夫との時間がほとんど確保できていない状況を少しでも改善してほしいと願います。(中学校勤務:女性)
対策方法とは
次に、対策方法について挙げてみます。
時短勤務にする
復帰してから育児と仕事を両立できるのか不安なら、時短勤務を選択するのも一つです。勤務時間は短くなりますが、子どもを保育園に入れるのに必要な時間数はクリアできるので、理想的な働き方だと言えます。一カ月から一年の期間で申請できます。しかしながら、実際には後補充が見つからず、他の先生に負担がかかることが多く、また結局持ち帰る仕事も増え、なかなか申請しない人がいないのが現状です。
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自宅近くの学校に異動の希望を出す
通勤に貴重な時間をとられるほど、もったいないことはありません。ぜひ自宅近くの学校に、異動希望を出しましょう。他の先生との兼ね合いもありますが、希望を聞いてもらえることが多いです。
ベビーシッターや家事代行サービスを検討する
大切なわが子を、ベビーシッターに預けるのは気が引けるかもしれません。しかし、子どもが小さい一時だけと割り切って、保育園や幼稚園と併用してベビーシッターを頼むのも悪いことではありません。ベビーシッターによっては、自宅で沐浴・食事の世話・知育学習・お散歩などまで面倒をみてくれる場合もあります。夜間・早朝など、必要な時に必要な時間お願いできる点も良いですね。現在、病児保育に特化したベビーシッター派遣会社も注目を浴びています。
昼間保育園に預けるのは仕方がないにしろ、夜間や病気の時まで自分が子どものそばにいてあげられないのは辛いとお考えなら、家事を業者に依頼し、空いた時間を子どものために使ってあげるのも一つの手です。掃除・洗濯をはじめ、料理の下ごしらえや作り置きも用意してくれるので、とても助かります。
家事分担について話し合っておく
人間忙しくなると、どうしても自分のことしか考えられなくなります。実際に仕事が始まる前に、色んなケースをシミュレーションして、ざっくりした分担を決めておくとよいでしょう。客観的に物事を判断できる復帰前に、十分話し合いの時間を持つことが大切です。
両親や親戚の協力を仰ぐ
子育てと仕事を両立させたいなら、意地とプライドは捨ててしまいましょう。近くに両親や親戚がいるならば、こんなに恵まれていることはありません。無理をして身体を壊す前に、頼らせてもらうといいですね。ただし、やってもらって当たり前ではなく、感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
食材宅配サービスの検討
家事の中でも、一番世の中の主婦(夫)が頭を悩ますのが、食事の準備です。宅配サービスを利用すれば、仕事帰り疲れた体に鞭打って、買い物に行く手間が省けます。また、10~20分でおかず1~2品が作れるレシピ付き時短ミールキットも購入可能です。余計なものを買わないので、節約にもつながるためおすすめです。
子育ては何が起こるかわからない
先に述べたように、子どもが小さいうちは急に熱を出したり、けがをしたり、緊急で対応を求められることが多々あります。対策方法をいくつかご紹介しましたが、やはり子育てをしながら今まで通りフルタイムで教員として働くのは、覚悟がいります。
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