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カリキュラムマネジメントとは教員全員で行う各学校の特徴を活かす取り組み

2021/8/17
カリキュラムマネジメントとは教員全員で行う各学校の特徴を活かす取り組み

はじめに

新学習指導要領の導入に伴い、「カリキュラムマネジメント」による学校運営が推薦されるようになりました。カリキュラムマネジメントとは何なのか、導入の目的ややり方、メリット、実践方法についてご紹介していきます。

カリキュラムマネジメントとは

そもそもカリキュラムマネジメントとは何なのでしょうか?

各学校においては,児童や学校,地域の実態を適切に把握し,
 ① 教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと, 
② 教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと, 
③ 教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を 図っていくこと 
などを通して,教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向 上を図っていくこと

引用元:カリキュラム・マネジメントとは/文部科学省

つまりカリキュラムマネジメントとは、教育課程(カリキュラム)を編成→実施→実施状況を評価→改善を組織的かつ計画的に行うことを指します。カリキュラムマネジメントを行うことで教育の質を向上させることを目的としています。

カリキュラムマネジメントの目的と重要性

  • カリキュラムマネジメントの目的

カリキュラムマネジメントの一番の目的は、教育の質の向上・各学校の教育目標の達成にあります。そのため、あくまでカリキュラムマネジメントは教育目標達成の手段でしかなく、決してカリキュラムマネジメントそのものを目的化しないよう注意が必要です。

新しく採用される学習指導要領に対するアプローチや、子ども自身の問題解決能力育成のため、教科間を横断し学校全体での取り組むための手段としてカリキュラムマネジメントがあります。

  • 重要性
教科横断的な視点から教育活動の改善を行っていくことや、学校全体としての取組を通じて、教科等や学年を越えた組織運営の改善を行っていくことが求められており、各学校が編成する教育課程を核に、どのように教育活動や組織運営などの学校の全体的な在り方を改善していくのかが重要な鍵となる。

引用元:4.学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策/文部科学省

カリキュラムマネジメントの成功は教育目標を達成するうえで、重要な鍵となってきます。生徒や学校、地域の実態を正確に把握し、カリキュラムマネジメントをいかに組織的・計画に行えるか、実施したカリキュラムに対して適切にフィードバックを行えるかで、教育目標達成の精度が変わってくると考えられています。

カリキュラムマネジメントのメリット

カリキュラムマネジメントに取り組むことで、教育目標達成のために学校全体が協力しあって個々の学校に合ったカリキュラムを組めます。

また、カリキュラムマネジメントを実施するに当たってその学校の児童や地域の状態を把握する必要があるため、カリキュラムだけではなく普段から児童/学校に最適化した指導を行えるのが強みです。学校全体でカリキュラムマネジメントに取り組むことで教科間を横断した協力を行い、教員間の結びつきを強くする働きもあります。

カリキュラムマネジメントのデメリット

カリキュラムマネジメントの問題点・デメリットとして、以下のような懸念が挙げられます。

  1. 少人数学校における複式学級においては教員のカリキュラムマネジメントの能力が問われる
  2. カリキュラムマネジメントは計画的・組織的に行うという前提があるため、教員間で足並みが揃わない・計画通りに物事が進まないと目標達成されにくい
  3. そもそも通常の学校業務と両立させながら計画・実施が難しい


参考元:清水将・阿部真一・立花正男・菅野亨・板井直之・村上貴史・菊池はるひ・草薙宥映・熊谷真倫・塚田哲也,新学習指導要領における複式学級のカリキュラム・マネジメントに関する問題点の検討,岩手大学教育学部附属教育教育実践総合センター研究紀要,37(4),2020

カリキュラムマネジメントは学校組織全体を挙げて計画準備・実施・評価・改善のフローを踏む必要があり、教員間の連携だけでなく、長い目で見て足並みを揃えなければなりません。通常の学校業務を行いながら長期的な計画を行うためには、会議等カリキュラムマネジメントのためにそれなりに時間を割く必要があります。

また、カリキュラムマネジメントが目的化してしまうと当初の教育目標が薄れてしまいます。

しかし、カリキュラムマネジメントを理解し正確に実施することで、教育の質が向上することは間違いないため、カリキュラムマネジメントそのもののデメリットはあまりないと考えてよいでしょう。

【新学習指導要領を読み解く】理想とされる学校教育

「社会に開かれた教育課程」の実現を通じて子供たちに必要な資質・能力を育成するという新しい学習指導要領等の理念を踏まえ、これからの「カリキュラム・マネジメント」については、以下の三つの側面から捉えられる。
1.各教科等の教育内容を相互の関係で捉え、学校の教育目標を踏まえた教科横断的な視点で、その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと。
2.教育内容の質の向上に向けて、子供たちの姿や地域の現状等に関する調査や各種データ等に基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルを確立すること。
3.教育内容と、教育活動に必要な人的・物的資源等を、地域等の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせること。

引用元:4.学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策/文部科学省

【参考】新学習指導要領における理念とは?

①社会や世界の状況を幅広く視野に取り入れ、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を持ち、教育課程を介してその目標を社会に共有していくこと。
②これからの社会を創り出していく子供たちが、社会や世界に向き合い関わり合い、自らの人生を切り拓いていくために求められる資質・能力とは何かを、教育課程において明確化し育んでいくこと。
③教育課程の実施に当たって、地域の人的・物質的資源を利用したり、放課後や土曜日等を活用した社会教育との連携を図ったりし、学校教育を学校内に閉じずに、その目指すところを社会と共有・連携しながら実現させること。

引用元:新学習指導要領の理念とカリキュラム・マネジメント/天笠茂(千葉大学特任教授)


以上の新学習指導要領の教育理念を達成するためには、カリキュラムマネジメントでの教科横断的な視点での授業が効果的であると考えられています。文部科学省が定義する「三つの側面」からカリキュラムマネジメントとしてアプローチできます。

カリキュラムマネジメントを行う人物とは


カリキュラムマネジメントの性質上学校全体で取り組む必要があるため、校長や教頭だけではなく、現場の教員も積極的に参加することが大切です。

生徒一人一人が異なり、それを指導する教師も異なり、また、学校という環境や状況が異なる中で、それぞれの学校が営まれているという前提を意識し、学校のカラーを作り上げていくカリキュラムを組んでいきましょう。それぞれの学校の差異とは、各学校の個性・カラーというべきものでもあるので、個性をいかに生かし、各学校ごとの特徴をいかに生かすかの取り組みが、カリキュラムマネジメントを形作る意識で取り組める教員が理想です。

実践例と具体的な進め方

カリキュラムマネジメントを実行する上で大切なのが「PDCAサイクル」です。

  • Plan:計画
  • Do:実行
  • Check:評価
  • Action:改善



実際にカリキュラムマネジメントを運用する上でのポイントを見ていきましょう。

  • どのように進めるのか

まずはカリキュラムマネジメント全体をどのように進めていくのかを検討しましょう。新学習指導要領における「社会に開かれた教育課程」とその理念を意識し、児童・地域を観察して理念と両立する学校のカラーを想定し、学校独自の到達点を見つけましょう。
目標に向かってどのようなアプローチをすればPDCAサイクルが回るのかに注意する必要があります。

  • どこから着手すべきか

どのように進めるのかを決めたら、次にどこから着手すべきかを検討しましょう。課題を洗い出して優先順位を決めることも大切ですが、カリキュラムマネジメントの場合は教員の足並みを揃えるだけでなく、教科担当それぞれの役割を意識して、自分自身にどのようなパフォーマンスを求められているのかを意識することが大切です。

  • 優先順位を決める

「学校の課題を把握」「教育目標を見直す」「教育活動を組織、実施」「教育成果を評価」「学校文化を築く」というPDCAサイクルのフローを把握し、優先順位をつけていきましょう。長期的なカリキュラムマネジメントはPDCAサイクルの繰り返しとなるため、優先順位を整理してどの課題から解決していくのかをよく検討していきます。

  • PDCAを一回りしたら、次のレベルにアップデートする

PDCAサイクルを繰り返すことによってより良いカリキュラムマネジメントになるほか、目的である新学習指導要領の理念達成、教育の質の向上へと近づいていきます。PDCAの「評価」「改善」をしっかりと行い、次のサイクルに活かしましょう。

【カリキュラムマネジメントの実践例を紹介】

教育課程研究開発学校に指定されている新潟県上越市立大手町小学校では、学校で養う能力を探求力・情報活用力・コミュニケーション力・創造性・自律性・共生的な態度の6領域に整理し、カリキュラムマネジメントを実践しています。

生活・総合科目を中心に、算数と理科を「数理」、国語と外国語活動を「ことば」と再編しました。また、体験型学習を多く取り入れることによって子どもたちの授業に対する主体性の向上が見られたとのことです。
参考元:カリキュラム・マネジメントって何? 実行すれば学校がどう変わる/日本教育新聞

まとめ


カリキュラムマネジメントを正しく理解し、適切に運用するためには「目的を明確化すること」「PDCAサイクルを正確に繰り返すこと」にあります。カリキュラムマネジメント導入に関して難しい部分を解消し、教員一人ひとりがカリキュラムマネジメントの意識を持ちながら、学校全体で取り組んでいきましょう。

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