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部活動指導員になるには何が必要?資格や給与、求人募集についても解説

2022/9/15
部活動指導員になるには何が必要?資格や給与、求人募集についても解説

教育分野仕事探しガイドブック

部活動指導員とは?

部活動指導員は、以下のように定義づけられています。

部活動指導員は,学校の教育計画に基づき,生徒の自主的,自発的な参加により行われるスポーツ,文化,科学等に関する教育活動(学校の教育課程として行われるものを除く。)である部活動において,校長の監督を受け,技術的な指導に従事すること。

引用:スポーツ庁「学校教育法施行規則の一部を改正する省令の施行について」2017年3月14日

実際に、部活動指導員はどれくらい普及しているのでしょうか。
部活動指導員の活用状況について、表を作成しました。
部活動指導員の活用状況

出典元:文部科学省「令和3年度 教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査」2021年12月

部活動指導員をはじめとした外部の人材参画をはかっている割合は、都道府県と政令市では100%です。
市区町村では68.9%ですが、2020年度と比べて4.6%増加しています。また、19.7%の市区町村が、外部の人材参画実施に向けて検討中となっています。

スポーツ庁は、部活動指導者の資格取得や研修実施を促進することを掲げています。今後、部活動指導員が活躍する機会は増加すると考えられています。

部活動指導員の業務

部活動指導員の業務は、主に以下の7つです。

  • 実技指導
  • 安全・障害予防に関する知識・技能の指導
  • 学校外での活動(大会・練習試合等)の引率
  • 用具・施設の点検・管理
  • 部活動の管理運営(会計管理等)
  • 保護者等への連絡
  • 年間・月間指導計画の作成


出典元:スポーツ庁「学校教育法施行規則の一部を改正する省令の施行について」2017年3月14日

他にも、部員が怪我をした際の処置や連絡や、部活動を行う場所を他の部と調整するなどの業務を請け負う場合もあります。

部活動指導員と外部指導者の違い

部活動指導員と外部指導者の違いは、身分の他にも給与面、可能な業務などがあります。
主な違いについて、以下の表にまとめました。


部活動指導員は、新たに制度化された職種です。学校教育法で学校職員という身分が与えられています。
外部指導者とは異なり、試合や合宿への引率が可能です。また、外部指導者のほとんどはボランティアで従事していましたが、部活動指導員には給与が支払われるようになりました。
その一方、部活動指導員は、保護者対応や専門的な技術指導などを期待されています。教員並みの責任が伴う他、部活動指導員になるには各都道府県教育委員会が定めた研修を受ける必要もあります。

部活動指導員のメリット

部活動指導員になると、どんなメリットがあるのでしょうか。
主な3つのメリットについて解説します。

教員免許なしで子どもの教育に携われる

子どもの学校教育に携わりたいと考えてはいるものの、教員免許がないことで諦める人は多くいます。社会人になってから教員免許を取得するのは、時間や費用がかかって大変だからです。また、教員免許の取得には教育実習などが必要となり、本業との両立も困難です。
しかし、部活動指導員は教員免許がなくても就ける職業。都道府県や募集している学校が提示している条件を満たせば、子どもの教育に従事することができます。

細やかな指導ができる

部活動指導員は、従来の外部指導員より幅広い業務ができるのが特徴です。
特に、試合や合宿への単独引率が可能です。引率教員の負担軽減だけでなく、生徒とコミュニケーションを取る機会も増えます。
さらに保護者対応などもできるので、これまでよりもきめ細やかな指導が可能となります。

経験を活かして子どもの役に立てる

部活動指導員は、運動部だけでなく文化部の指導も可能です。自分の経験を活かして、子どもたちの教育に携わることができます。
何より、生徒の成長を直で感じられるのが1番のメリットです。
例えば運動部の場合、顧問教師だけでは回しきれない実践練習も、部活動指導員がいれば実施可能です。生徒は、実際のプレーでしか吸収できない経験を積むことができます。
また、フォームの指導1つでも、生徒の力がぐんと伸びることもあります。自分が今まで積んできた経験が、そのまま子どもの役に立つのは大きな喜びです。

部活動指導員のデメリット

部活動指導員を目指す際、理解しておきたいデメリットがあります。
主な3つのデメリットと注意点について解説します。

雇用形態が安定しない

部活動指導員は学校教員という扱いになるものの、基本的には時給制です。勤務時間は生徒の授業後となるので、平日15時以降などの短時間勤務となります。
また、各都道府県教育委員会により、勤務時間が定められています。

例えば、東京都教育委員会では、部活動指導員の勤務時間について以下のように定められています。

  1. 部活動指導員1人当たりの勤務時間は、年間740時間以内とする。
  2. 部活動指導員の1日当たりの勤務時間は原則として、平日3時間、休日4時間とする。なお、長期休業中の平日は休日と同様に扱う。また、勤務時間には部活動指導に係る準備及び打合せ等の時間を含む。
  3. 対外試合や合宿等、学校外での活動の場合は1日当たりの勤務時間を7時間45分まで可とする。


引用:東京都教育委員会「都立学校部活動指導員取扱要項」2020年1月24日

都道府県によって差はありますが、基本的には週2~3日の勤務となります。
したがって、部活動指導員の仕事だけで生活することは難しいのがデメリット。
また、平日の夕方以降に部活動指導が入るので、フルタイムの仕事と両立する場合は、融通の利く企業や業務に従事する必要があります。

学校との連携が難しい

部活動指導員の勤務日は基本的に週2~3日です。部活動の時間と土日祝日しか生徒と関われないので、生徒の心の機微を感じ取るのが難しいと感じることもあります。
個々のスキルや成長度合い、指導スケジュールなどを、顧問教員と話し合って進めることが重要となります。

責任が重い

部活動指導員は、外部指導員より責任が重いことが特徴です。特に大会や練習試合で単独引率する際の事故対応は、事前に確認しておくこと。
保護者や生徒からの期待が大きく、高度な技術指導を求められることもあります。精神面でもタフな人材が適しているといえるでしょう。

部活動指導員になるには?

部活動指導員は、スポーツ庁によって以下のように定義されています。

指導するスポーツや文化活動などの専門的な知識・技能を持ち、学校教育に関する十分な理解を有する者

引用:スポーツ庁「部活動指導員について」

現在、部活動指導員の必須資格はありません。
しかし、各都道府県教育委員会によっては一定の資格取得者、これまでの部活動指導経験などが必要な場合もあります。
募集要項の年齢を満たしていれば、学生でも部活動指導員になるのは可能です。実際に大学生で部活動指導員として勤務している人もいます。
部活動指導員に応募する際は、必要資格や年齢制限などを必ず確認しておくことが重要です。

また、JSPO(日本スポーツ協会)は、スポーツ選手への日常的な指導の場において、できる限り公認スポーツ指導者資格を持つ者が指導に当たることを求めています。
JSPOは、多くの指導者が公認スポーツ指導者資格を目指す制度設計に取り組んでいます。

公認スポーツ指導者資格は、部活動指導員になる際、現状は不要です。
しかし、子どもへのスポーツ指導に関する専門的な知識を身につける上で、公認スポーツ指導者資格はおすすめできる資格です。部活動指導員を目指すにあたって資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

部活動指導員の給与

部活動指導員の給与は一般的に時給制で、時給1,500~2,000円が相場となっています。
交通費はほとんどの場合、支給されます。

部活動指導員の求人募集

部活動指導員の求人募集には、主に以下の3つの方法があります。

  • 求人サイトで地域名を絞り込んで募集を探す
  • 部活動指導員の人材バンクに登録して仕事を紹介してもらう
  • 都道府県・市区町村のサイトや各学校のホームページに応募する


他にも、部活動指導員の人材確保のために、都道府県が取り組んでいるものがあります。茨城県・大阪府・徳島県などでは、運動部活動指導者人材バンクを設けて人材採用に力を入れています。
また、部活動指導員として活躍している人は、母校の教師や先輩などからの紹介で採用された人も多くいます。友人、知人に心当たりのある方は、部活動指導員になりたい旨を伝えてみるのも1つの方法です。

部活動指導員の募集はあるのか

スポーツ庁は、2020年9月、生徒が地域でスポーツを行うために、質・量ともに十分な指導者を確保する必要があると提言しています。
また、UNIVAS(一般社団法人大学スポーツ協会)は、スポーツの技能と指導力を兼ね備えた大学生指導員の養成・確保に向けて動いています。大学に所属する運動部学生を対象とした事前研修も予定しています。

こうした動きがあるものの、部活動指導員の募集人数は、まだ少ないのが現状です。したがって、部活動指導員になりたい人は採用の空き情報をチェックしておくことが重要です。

また、部活動指導員以外でも、子どもの教育に携われる職業は多くあります。
「教育分野仕事探しガイドブック」では、指導経験や教育免許などを活かして働く方法が紹介されています。
例えば、アルバイトで子どもへの指導経験がある方、教員免許を持っている方、教育への強い熱意のある方には特におすすめです。ぜひ資料請求してみてください。
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