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【社会教育士でキャリアアップを】雇用から仕事内容まで徹底解説

2021/8/17
【社会教育士でキャリアアップを】雇用から仕事内容まで徹底解説

社会教育士とは


「社会教育士」は、令和2年度(2020年)に新設されたできたてほやほやの制度です。文部科学省が認定する、職業というより「称号」で、学びを通じて地域づくりへ貢献する専門人材の育成を目的とし、制定されました。

大学などで決められた科目を修了すれば、教育委員会からの発令を受けずとも、社会教育士を名乗れるのが大きな特徴です。国家資格ではないので、就業可能な職業の幅を広げることはあまりできませんが、「社会教育士」の称号を取得することで、教育の力で地域課題を解決する能力をアピールできます。

社会教育主事との違い

社会教育主事は、都道府県及び市町村の教育委員会の事務局に必ず置かれる社会教育の専門職員である。(社会教育法第9条の2第1項)

引用元:社会教育主事 - Wikipedia


さらに補足すると、「社会教育主事」とは、社会教育を行うものに対する専門的かつ技術的な助言・指導にあたる専門的教育職員のことを指します。
社会教育士制度は、この社会教育主事になるために修得すべき科目等を定めた、社会教育主事講習等規程の一部改正によってできた制度のことを指します。なり方の違い、雇用形態の違いについて、以下にくわしくご説明します。

なり方の違い

社会教育主事の場合、必要な養成課程を経て資格要件をそろえていても、都道府県・市町村教育委員会から「社会教育主事」として認められ発令されなければ、その職務につけませんでした。NPOや社会教育団体で、社会教育主事と同等の活動実態があっても、社会教育主事と名乗れない歯がゆさがありました。

それに対して新設された社会教育士は、

  • 社会教育主事講習を受講する(受講の際には「大学・短大等を卒業」など要件がいくつかあります。)
  • 大学か短大で社会教育主事養成過程を履修する

のいずれかの条件を満たしていれば、社会教育士と名乗れるようになります。

雇用形態の違い

社会教育主事になるためには、教員としての経験、あるいは地方公務員としての経験が必要になります。そのため、教員採用試験、地方公務員試験に合格することが必須です。社会教育主事は職名であり、公務員となり、教育委員会から任命を受けてはじめて名乗れます。それに対し社会教育士は、職業というより称号のようなものであることに注意が必要です。

社会教育士がおすすめな方


社会教育士がおすすめな方について以下にあげてみます。

現在の仕事でキャリアアップしたい方

地域住民と協力して動くことが求められる仕事についているなら、社会教育士としての経験が、現在の仕事でのキャリアアップにつながること間違いなしです。

地域に貢献したい

これまで社会教育主事の発令を受け、活動してきた人は、福祉や防災、観光、まちづくりなどさまざまな分野のリーダーとして活躍しています。社会教育士制度は、地域課題が複雑化、多様化する中で、より多様な専門性をもつファシリテーターの地域参加が求められる中で誕生しました。

ファシリテーターとは、狭議では、会議で参加者の意見を引き出しながら合意形成を促進する進行役を指します。広義では、組織やプロジェクトチームにおいて同様の効果をもたらすリーダー的存在を、ファシリテーターと呼ぶこともあります。

引用元:ファシリテーターとは――意味と求められる役割、会議をうまく進めるためのコツは - 『日本の人事部』 (jinjibu.jp)


地域社会の希薄化、子育てや介護で生じる孤独、国籍や障害の有無がもたらす分断など、身近な暮らしの中にあるさまざまな問題に対し真剣に向き合い、解決に導くことで地域に貢献したいと考えている方に、社会教育士はピッタリです。

社会教育士になるために必要な費用や期間


社会教育士になるためには、文部科学省から委託を受けた実施期間が行う、通常1カ月程度の社会教育主事講習を修了するか、または大学が行う、通常4年間のカリキュラムの養成課程で必要単位を修得する方法があります。

社会教育主事講習を受講するためには、

  • 大学・短大を卒業
  • 教員免許を所持
  • 社会教育関係の職に2年以上従事
  • 学校に4年以上勤務 等

のいずれかに該当する必要があります。内容としては、生涯学習概論2単位、生涯学習支援論2単位、社会教育経営論2単位、社会教育演習2単位の合計4科目です。受講申し込み窓口は、居住地の都道府県教育委員会です。受講料は無料です。(交通費、宿泊費などを除く)また、基本的にテストはありません。受講し、修了するだけでOKです。

ちなみに社会教育士という称号を与えられるには、令和2年度以降に講習または養成課程を修了することが必要ですが、それ以前の修了者でも、生涯学習支援論2単位、社会教育経営論2単位の計2科目を修得すれば、社会教育士と称することができます。

先に述べた通り、社会教育士になるには、社会教育主事講習を受ける以外に、大学で必要な単位を修得するという方法があります。社会教育主事講習は、社会教育現場で実際に経験を積んだ方が受講の主な対象者だと予想できますが、養成課程の主な履修者は学生であることが想定されるため、主事講習と比べて期間が長く、さらに実習の機械が多いのが特徴です。

社会教育士の事例

2名ご紹介します。

福祉×社会教育士

「健康づくりはまちづくり」地域福祉を支える社会教育
島根県 栗栖 真理さん(浜田のまちの縁側代表)

栗栖さんは、市民の力で地域力を育む活動をしていきたいと思い、平成16年「浜田のまちの縁側」を開所し、同年浜田市教育委員会子供の居場所づくり事業を受託しました。それと並行して社会主事講習を受け、自分の学びがさらに深まったという経験を持っています。以後、浜田市の生涯学習課、公民館、子育て支援課、子育て支援系市民団体、まちづくり委員会などと連携・協働しながら、地域みんなで子供を育む様々な取り組みを行っています。

社会教育は、学びや人とのつながりの中で、一人ひとりが気付き、自分事として行動していけるような人をつくっていく、という考えの上に立っています。その考え方は、本質的には福祉がめざす、その人の人生を支えたり、助け合いのできる地域社会をつくることに通じていて、福祉と社会教育は基本的につながっているのだと栗栖さんは語ります。

これからますます地域の問題解決や魅力化を自分事として、主体的に行動できる市民が必要となります。市民が主体的に行動できるような状況になったとき、市民が困ったときにサポートし、一緒に走る存在として、社会教育主事や社会教育士の役割は大きくなるだろうと栗栖さんは意気込みます。

学校×社会教育士

これからの子どもたちの学びには、社会教育の視点が必要
岡山県 安田隆人さん(浅口市立寄島小学校 校長)

安田校長先生は、コミュニティ・スクールの導入、働き方改革を一体的に推進し、優秀教職員組織表彰及び地域学校協働活動推進に係る文部科学大臣表彰を受賞しました。

子どもたちにとって必要な学びを考えた時に、学校教育は地域との連携・協働なくしては推進できない状況にあります。そんな中、学校や地域とあらゆる場面で、問題解決や人づくり・まちづくり・つながりづくりのコーディネートやコンサルティングができる社会教育士に、安田校長先生は大いに期待しています。

安田先生が受講した時には、社会教育士という称号がなく、社会教育主事になるための勉強をされたのですが、それ以来特にコンサルタント機能、つまり「私が支援しますから、一緒にしませんか?」と併走する姿勢が大切だと先生自身考えるようになりました。

学校運営協議会のような組織を構築し、子どもを介した学校や地域の課題について対話し、解決のために「誰が」「いつ」「どうすればいいのか」などにアイデアを出し合い、実行し、検証することにより、ともに成長しあえる学校と地域を創ることを目標としています。

【地域に貢献できる】社会教育士と相性の良い仕事


社会教育士と相性の良い仕事を5つご紹介します。

  • 行政職員

地域のニーズに寄り添い、地域住民と協働していくための専門的スキルを身に着けることは、どの部署の職員にとっても必要です。つまり、全ての行政職員におすすめです。

  • NPOに所属する人

地域づくりや地域の問題解決に取り組む人にとって、行政や住民等との連携・協働をスムーズにする「学び」のスキル・ノウハウを体系的に身につけることは必要不可欠です。これらが、社会教育士になることで、体系的に身につきます。

  • 企業

企業単独の発展でなく、地域とともに持続的に発展していきたいと願うなら、地域の問題解決やSDGs(持続可能な開発目標)の推進などに積極的に関わっていく必要があります。そんな企業の、特にCSR(企業の社会的責任)担当の方におすすめなのが、社会教育士になることです。

  • 学校の教職員

教育は、学校や家庭の中でのみなされるものではなく、地域も大きな役割を果たします。子供の主体的・対話的で探究的な学びの場や、社会に開かれた学校づくりを進めるため、地域の人とどんどん連携していきたいと思っている方におすすめです。

  • オンライン家庭教師

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まとめ

今回は、学びを通じて地域づくりへ貢献する専門人材の育成を目的として制定された、文部科学省が認定する職業というより「称号」である社会教育士をご紹介しました。社会教育士になれば、行政職員でも企業でも教員でも、現在の仕事の中でよりキャリアアップが可能です。社会教育士と、マナリンクでオンライン家庭教師を兼ねる働き方もおすすめです。

マナリンクには、地域に貢献したいという先生も実際にいます。社会教育士になれば、地域のために事業を立ち上げることもできます。その傍らでオンライン家庭教師をすれば、副収入もあって安心です。社会教育士に興味がある方、完全在宅ワークのため無駄な時間が省けて、さらに時給3,000円以上と高時給で効率が良い、オンライン家庭教師マナリンクに登録することを選択肢の一つとして考えてみてください。

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